【専門家監修】犬に必須なアミノ酸ってどうやってとる?必須アミノ酸について

必須アミノ酸
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犬は先祖代々「肉食動物」として知られています。

そんな犬達にとって毎日の食事の中で得られる”動物性の「タンパク質」・「脂質」”は体を作るための大切な栄養素。

体の様々な基本的な構成の中に”タンパク質と脂質”はかなり重要度の高い成分です。

今回はそのタンパク質を作っている大事な”必須アミノ酸”についても詳しく解説していきますね!

【専門家監修】添野暁子

専門家 監修
【動物関係の保有資格】2歳から犬と育ち、現在は4代目の愛犬と暮らすWebライター。愛玩動物飼養管理士1級の資格を持ち、犬について日々研究している。

犬の理想的なタンパク質量は「アミノ酸スコア」を参考にしよう!

”アミノ酸スコア”は元々の食材の栄養数値を元に体に必要な栄養素を計算し算出したもの。

日々の食事の中に含まれる「タンパク質」は食道胃十二指腸と流れて行き細かく分解され最終的に小腸で「アミノ酸」という小さな粒になって体内へ吸収されていきます。

「アミノ酸」はどのくらい必要?

犬などの動物の体内に含まれている”タンパク質”を構成している「アミノ酸」は全部で20種類。

その中で他の栄養素と合体しても体内で作れない9種類のアミノ酸を「必須アミノ酸」と呼び動物自身では補うことができない為食事から補う方法やサプリメントから補う方法があります。

それぞれの食事にどのくらいバランス良く「必須アミノ酸」が含まれているかを数値化したものが『アミノ酸スコア』と呼ばれるもの。

こちらのスコアはメーカーや機関により多少のバラつきがあり数値的にも左右しますが「動物性」のタンパク質源である肉魚卵などの『アミノ酸スコア』の値はどれも変らずに「100」です。

そしてこの『アミノ酸スコア』実は「人間に必要な9種類の必須アミノ酸」をもとに数値化されていたことをご存知でしたか?

犬には10種類の「必須アミノ酸」を考慮する必要があります。

アミノ酸のバランスが犬の健康をどのように大きく左右するのか。

食事として体内にいれた時消化管でかなりの粒子まで分解されます。

そして小腸で吸収され肝臓まで運ばれそこで初めて利用。

それぞれお互いの適切なバランスを保ちながら吸収されていくわけですね。

つまり何かの成分が多すぎたり少なすぎたりすることがなく自分たちで決められた割合で全員で体内の中に入っていくイメージです。

犬のたんぱく質「必須アミノ酸」頭に入りやすい覚え方

犬にとって体内で作れない為必ず食事から取り入れないといけない「必須アミノ酸」

種類自体は10種類あるのですが全て覚えるのは時間がかかりそう・・・

今回は九九のように”流れ”で覚えられる方法をご紹介します!

覚え方は「風呂場アイス独り占め」というワード。

実はそれぞれのアミノ酸の頭文字を取っています。

フェニルアラニン→ふ
ロイシン→ろ
バリン→ば
アルギニン→あ
イソロイシン→い
スレオニン→す
ヒスチジン→ひ
トリプトファン→と
リジン→りじ
メチオニン→め

手作りごはんなどのレシピを考える際必須アミノ酸を思い出せなくなったらこのワードを是非思い出してくださいね。

ではひとつひとつ「必須アミノ酸」をご紹介していきます。

イソロイシン

イソロイシンは筋肉の強化や肝機能の向上効果や体の成長を向上させる効果があります。

筋肉におけるタンパク質合成を促進し分解を抑制するため筋肉量の維持に欠かせないモノ。

また心臓病やがんなどの疾病でみられる筋肉量の減少を特徴とする体重減少を予防する働きがあるんですよ。

食材例→鶏肉・牛肉・鮭など

ロイシン

ロイシンの主な働きは肝機能を高めたり傷ついた筋肉を修復してくれるモノ。

また筋タンパク質中に非常に多く含まれているという特徴があります。

スポーツをするような犬たちにとっては特に理想的な体型を維持するために注目したいアミノ酸のひとつ。

食材例→肉や魚チーズヨーグルトなどの乳製品

バリン

筋肉の強化に効果的。

ほかにも肌のハリを保つ効果などがあり筋肉のエネルギー代謝に深くかかわることが分かっているのがこの「アミノ酸」

食材から体内に摂取したアミノ酸やたんぱく質を筋肉細胞として新たに合成する際にもアミノ酸は必須。

犬たちにとっては筋力を維持しその筋力を使える状態に必要な栄養素なのです。

食材例→魚の赤身牛肉ラム肉家禽肉

リジン

主に全体的な身体を構成するタンパク質の組み立てに必要な成分。

集中力を高めたり骨を作るカルシウムなどの吸収を促進します。

リジンは体の細胞などのほとんどのタンパク質の構成成分となり成長期のパピーたちや怪我や病気などの療養期には要求量が多めになるアミノ酸。

人間と同じく不足するとブドウ糖が不足することと同じことなので感情が不安定になりやすくなり集中力が切れやすくなったりします。

食材例→豆類や肉魚

メニチオン

肝臓で毒素や老廃物の排除ヒスタミンの血中濃度を低下させる効果があります。

人間で例えるとアルコールを分解してくれる成分。

ワンちゃんにとって毒素や老廃物はこのメニオチンが排除の促進を促してくれます。

食材例→鶏肉・牛肉・羊肉・マグロ・カツオ・豆腐・納豆・チーズなど

フェニルアラニン

脳と神経細胞の間で信号を伝達する役割があり体内でノルアドレナリンとドーパミンに変ります。

中枢神経そして副交感神経における神経伝達物質としての大事な役割を果たし心理バランスを取ル効果も。

アドレナリンやドーパミンの原料となり過剰摂取すると興奮しやすい傾向になるため要注意。

食材例→大豆・高野豆腐・小麦・卵・チーズ・かぼちゃ・じゃがいも・肉類・魚介類など

スレオニン

成長を促進したり肝臓に脂肪が蓄積するのを抑える効果があり。

スレオニンは体内で行われる代謝の過程でかなり重要な役割を担っています。

主な働きとしては食べ物から取り込まれたタンパク質をエネルギーに変えるほか古い細胞の代わりに新しい細胞を合成する際に必要な新陳代謝の促進など。

不足するとタンパク質をエネルギーに変える機能が低下し食欲不振や貧血赤ちゃんの頃は成長の停滞などがみられることがあります。

食材例→鶏肉・卵・七面鳥・鹿肉・ゼラチンなどの動物性たんぱく質など。

トリプトファン 

肝臓や腎臓で分解されエネルギー源として利用されます。

主に集中力記憶力を高める効果がアリ。

「トリプトファン」は脳内で「セロトニン」に変身します。

「セロトニン」を作るには「トリプトファン+ブドウ糖」の組み合わせが必要でブドウ糖がなければ「トリプトファン」を脳に運ぶ事は出来ません。

食材例→大豆・高野豆腐・バナナパイナップル緑黄色野菜・きな粉など

アルギニン

成長ホルモンの分泌を促進し筋肉を強化し免疫力を高めアンモニアを解毒する効果があります。

アルギニンは犬たちの体の中でいくつか重要な働きを持っています。

まずひとつはアンモニアなどの老廃物を解毒するために重要な栄養素。

アルギニンおよびオルニチンシトルリンが欠乏すると犬たちは老廃物を上手く無毒化できなくなることがあるんですよ。

またマクロファージなどの免疫細胞によって合成され感染症などを防ぐ際にも活用されています。

食材例→鶏肉・牛肉・鹿肉・馬肉・鮭・チーズなど 

ヒスチジン 

神経機能補助の効果があります。

ヒスチジンは体内でさまざまな化合物の材料となるアミノ酸のひとつ。

特に動物の血液中に多く含まれているので血管が多い臓器であるレバーなどには多く含まれています。

ヒスチジンは細胞の構造を作るために必要な”構造タンパク質”と呼ばれるものに合成され体の様々な細胞を作るための材料に。

犬の体ではビタミンB群と一緒に皮膚の細胞と細胞の間を埋めるセラミドを作るのに大きく影響するアミノ酸とされています。

食材例→鶏肉・鹿肉・馬肉・まぐろ・カジキ・カツオ(赤身の魚)

犬にとって必須アミノ酸であるタンパク質の過剰摂取はかなり危険

飼い主の多くがペットのことを考えてタンパク質を過剰に与えがち。

しかしタンパク質に関する科学的事実は皆さんが考えているよりももう少し複雑。

実際タンパク質の摂り過ぎは動物の場合も「過ぎたるは及ばざるがごとし」であることが科学的に判明しています。

簡単に言うと「タンパク質を多く摂っても筋肉が増えるわけではない」ということ。

肉に対する犬の本能的な欲求を測定することは不可能。

しかしフードを自由に選べる場合犬は高タンパク質ではなく高脂肪のものを選ぶことが良いということが分かっています。

犬に必要なタンパク質に関する「アミノ酸」まとめ

このようにタンパク質は体の中で必要不可欠な栄養素であり肉食動物を祖先に持つワンちゃんにとっては私達人間以上に必要な栄養素。

必要以上に控えたり逆に与えすぎても体全体がうまく働かなくなり生命の維持ができなくなります。

しっかりとタンパク質をバランスよく摂取し病気に負けない病気になりにくい体づくりを目指していきましょう。

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