牛丼、すき焼き、鍋やおでんの具材には欠かせない「しらたき」。
低カロリーで食物繊維が豊富なことから、愛犬のダイエット食材として活用している方も多いだろう。
しかし、こんにゃく、糸こんにゃく、しらたきなど、意外とその違いについて知らないという人も多いのではないだろうか?
もちろん、それらの原料には「こんにゃく芋」を用いているため、犬に害はなく、与えても問題はない食材だ。
では、どう違うのか?
今回は、それらの違いを紐解きながら、しらたきの与え方、栄養などを詳しく紹介しよう。
「しらたき」の基礎知識
しらたきとは?
板こんにゃく、糸こんにゃくが「こんにゃく芋」を原材料として作られているというのは知っている方も多いだろう。しらたきも同様で、こんにゃく芋を原材料に作られている。
それらにはっきりとした定義はなく、単に呼び方が違うだけ。メーカーによっては糸こんにゃくより、しらたきの方が細い場合もあるようだが、使われている原材料はいずれも同じものなのだ。
糸こんにゃくとしらたきは、地方によっては呼び名が違う場合が多く、東日本ではしらたき、西日本では糸こんにゃくと呼ぶことも多い。
こんにゃく芋とは?
原材料となっているこんにゃく芋は、サトイモ科のこんにゃく球茎で成長するまで3年という長い月日がかかる。
また、たいへんデリケートな野菜なので、栽培や保管などが難しいようだ。
この、こんにゃく芋には「コンニャクマンナン(グルコマンナン)」が含まれており、石灰などのアルカリ性水溶液を加えることで凝固させ、コンニャク、しらたきに加工させるというわけだ。
ちなみに、生のこんにゃく芋はシュウ酸カルシウムがたくさん含まれているため、十分なアク抜きをしてからでないと食べることはできない。
しらたきの栄養
カリウム
カリウムには、利尿作用があるほか、血圧を下げる働きにも良い効果を与えてくれる。欠乏は「低カリウム血症」を発症し、子犬では情動不安および筋麻痺などが報告されているほど。
しかし、カリウムは犬にとっても大切な成分であることは間違いないのだが、過剰に摂取すると逆に「高カリウム血症」の原因になってしまうので注意が必要である。
カルシウム
カルシウムは骨や歯を作るのに必要な栄養素。
それなりのドックフードを与えていれば、カルシウムを不足することはないだろうが、手作り派の方は不足しないよう意識して摂取したい成分である。
食物繊維
しらたきは不溶性食物繊維を多く含む。
食物繊維は胃腸環境を整えて便秘解消などに役立ってくれる。ただ、犬にとって食物繊維は消化しにくい成分でもあるため適量を心がけたい。
ヨウ素
甲状腺ホルモンの合成に必要なミネラルの一つ。
市販のドックフードにも配合されており、一般的な犬の体重1㎏あたり15㎍必要とされている。極端に運動量の多い犬や、授乳中の母犬などはその必要量も増えるといわれている。
日頃から適量摂取してる分であれば、蓄積されて過剰になったヨウ素は尿として排出されるが、一方、急性で過剰摂取となった場合は甲状腺機能障害を引き起こしてしまう可能性もあることは覚えておこう。
いずれにせよ、犬にとっては必要な栄養なのでバランスよく摂取したい。
しらたきの与え方
しらたきのアク抜き
しらたきは製造過程において、形を形成するために石灰水を使用しているほか、原材料のこんにゃく芋自体にも臭み成分が含まれている。
これらが独特の臭いの原因になっているため、調理前には必ずアク抜きをする必要がある。
種類によっては「アク抜き不要」なしらたきも販売されているが、石灰水などの凝固剤が使われていないという訳ではないので、少し面倒でもアク抜きしたほうがよい。
細かく刻んだものを与えよう
犬にとっては弾力のある食材は非常に噛みにくいもの。しかも、しらたきの形状は細長いのが特徴だ。
そのままの状態で与えれば、よく噛まずに飲み込むことになってしまうので長いまま与えないようにしよう。
できるだけ細かく刻んでから、フードや他の食材と混ぜ合わせるようにしたい。
栄養が偏らないように与える量は控えよう
しらたきは低カロリー食品としても知られており、実際に100gあたりカロリーはたったの6kcalしかない。
そもそも、95%以上が水分でできているため、カロリーだけではなく、たんぱく質や脂質などの栄養価もほとんど含まれていない。
当然、しらたきが主食となってしまえば栄養が偏ってしまうので、他の食材とバランス良く組み合わせるようにしよう。
また、ダイエットに使う場合でもいつもの食事をすべて置き換えるのは控えよう。
さいごに
しらたきは栄養価こそ低いものの、低カロリーで食物繊維を多く含むため、愛犬のカロリー調整には使える食材だ。
しかし、お世辞にも栄養価が高い食材とは言えないので、普段の食事に加える場合は少量程度におさえるか、別な食材をチョイスした方がいいだろう。