鮮やかな緑色とほろ苦さで、春を感じさせる花野菜「菜の花」。
最近では1年中手に入るようになったが、早春の2月から3月にかけて出回るものは味がよく、出荷数も多いためか値段も手頃である。
菜の花はアブラナ科アブラナ属の花の総称で、別名「アブラナ」「セイヨウアブラナ」「菜花(なばな)」としても用いられる。
その春を思わせるほのかな香りは、新年から早春の食卓に加えたい食材だ。
そんな菜の花。
犬は食べられるのだろうか。
アレルギーや中毒など注意点はあるのか。
栄養や効能についても詳しく調査!
今回は、「犬菜の花食べられる?中毒などの注意点と効能は?」ついて紹介していこう。
犬は菜の花を食べられるの?
春の食材、菜の花。
旬のものを食べると元気になりますよね!
栄養たっぷりの菜の花を、愛犬にも食べさせたい!と考える飼い主さんも多いことでしょう。
菜の花は、犬も食べられますが注意が必要です。
菜の花の栄養や効能、与える際の注意点などまとめましたのでぜひ参考にしてください。
中毒などの注意点と効能は?
まずは、菜の花の栄養や効能を見ていきましょう。
菜の花の栄養や効能
ほろ苦い味わいとしっかりした食感が特徴で、おひたしや和え物、パスタなどに使用されることが多い菜の花。
では、実際にどんな栄養が含まれているのか早速チェックしてみよう。
βカロテン
βカロテンには抗酸化作用があり、ガンの予防や老化予防に効果的と言われている。
しかも、βカロテンは必要な量だけ体内でビタミンAに変換するという優れもの。
ビタミンAは、視力を維持するには欠かすことのできない栄養素の一つでもある。
ビタミンC
犬は体内でビタミンCを合成できるが、だからといって摂取しなくてもいいわけではない。
年齢と共にその能力は低下するので長期的に摂取したい栄養素の一つなのだ。
ビタミンCの主な働きとして、活性酸素を無毒化する「抗酸化作用」が挙げられ、免疫力の向上、コラーゲンの生成を促すなど、身体の調子を整えるには欠かすことのできない栄養素なのである。
カリウム
カリウムは、体に含まれている余計な塩分(ナトリウム)を排出する効果があることから、利尿作用や血圧を下げる働きに期待ができる。
鉄分
菜の花に含まれる鉄分は野菜の中でもトップクラスの含有量を誇り、その量はニラの4倍。
鉄分は貧血予防や改善に効果的な成分。
鉄分は赤血球の中の「ヘモグロビン」を作るのに欠かせない材料であるほかにも、赤血球が酸素を運ぶ手助けをしてくれる大切な役割がある。
ビタミンB群
菜の花にはビタミンB1、B2が多く含まれている。
ビタミンB1は糖質を分解しエネルギーに変換するのに不可欠なビタミンだ。
ビタミンB2には糖質・脂質の代謝を促進する働きがあり、活発な運動などエネルギー消費量の多い犬には積極的に摂取させたい。
中毒などの注意点は?
菜の花は茹でてから与えるのが正解
菜の花に含まれるアク(シュウ酸)は、ほうれん草の20分の1以下と少ない含有量が特徴だ。
しかし、シュウ酸の摂取はシュウ酸カルシウム尿石症の原因にもなってしまうため、何はなくともできる限り摂取したくはないもの。
そのため、菜の花を愛犬に与える際には茹でてから与えるのが正解。
シュウ酸は水溶性。
茹でることによりその量を減らすことができるので、生ではなく、必ず茹でたものを与えよう。
消化に良いよう細かく刻んでから与えよう
菜の花は食物繊維も豊富に含まれているため、消化不良にならないよう細かく刻んでから与えるようにしよう。
また、購入後は日を追うごとに花が咲き、筋っぽくなってしまうので、できるだけ早く食べきろう。
愛犬には消化に良いよう、新鮮な柔らかい菜の花を細かく刻んで与えるのがベストだ。
甲状腺に疾患のある犬は念のため注意
甲状腺は、甲状腺ホルモンという代謝を促すのに大切な物質を作って血液中に流してくれる重要な器官。
菜の花のようなアブラナ科の野菜には「ゴイトロゲン」という成分が含まれており、甲状腺ホルモンをつくるのに必要な「ヨウ素」の吸収を妨げてしまう。
健康な犬であれば特に神経質になる必要もないが、もともと甲状腺に疾患のある犬には与えないようにしよう。
食物アレルギーがないか様子を見守ろう
アレルギーの原因となるものをアレルゲンと呼ぶのだが、実は食べ物全てにアレルゲン要素があることは知っておきたいところ。
初めて与える時は少量から与えて、痒がったり嘔吐したりしないか、愛犬の様子を見守ってあげるのも大切だ。
菜の花の保存には一工夫
菜の花は、野菜としては足が早いほうなので、常温で放置しておくとしおれやすい。
そのため、冷蔵保存するのが好ましいのだが、菜の花は乾燥にも弱いので冷蔵保存には一工夫が必要だ。
まず、湿らせたキッチンペーパーで優しくくるみ、ポリ袋にいれ冷蔵庫の野菜室へ。
その際、花の部分を上にして立てておくのがポイント。
茎が曲がらずもちがよくなる。
また、2~3日保存したい場合は、下茹でしてから冷まし、ラップで包んで冷蔵庫に保管しよう。
ただし、菜の花に豊富に含まれるビタミンCは水溶性なので、あまり長い時間茹でていると、せっかくの栄養が溶け出してしまう。
下茹で時間も30秒~1分程度を目安にし、冷水にさらしすぎないよう注意したい。
菜の花で犬用白和えレシピ
材料 (犬の体重が10㎏の場合)
- 菜の花・・・20g
- 豆腐・・・20g
- 人参・・・10g
- 鶏ささみ・・・20g
- すりごま・・・ひとつまみ
作り方
1. 豆腐をつぶす
水切りした豆腐をボウルに入れ、ゴムベラでよくすり潰す。
滑らかになったら、すりごまを加えてよく練り合わせる。
豆腐は手でほぐす程度でもよいが、なるべく小さくほぐしてあげよう。
2. 菜の花を茹でる
菜の花はつぼみ部分が柔らかく、逆に茎の下に行くほど固くなるので、犬の消化に良いよう、つぼみ付近の柔らかい部分を使用する。
しっかり沸騰した状態で菜の花を入れたのち、約15秒~30秒でお湯が再沸騰してきたら菜の花を取り出す。
氷水で急冷するかバットに広げて冷蔵庫で急冷する。
3. ささみ、人参は別茹でする
ささみ、人参も茹でて食べやすい大きさにカットしておく。
ここで注意したいのが、菜の花を茹でた汁でささみや人参は茹でないようにしよう。
菜の花の茹で汁にはシュウ酸も含まれているため、別茹でするのが望ましい。
4. 与える直前に和える
菜の花が冷えたらよく水気を絞り、細かく刻んでおく。
与える直前に、菜の花、つぶした豆腐、ささみ、人参を加えて完成だ。
白和えは、和えてから時間が経つと水っぽくなりやすいので、必ず食べる直前に和えるようにしよう。
犬菜の花食べられる?中毒などの注意点と効能は?まとめ
菜の花は日本全国で作られているが、比較的暖かい地域で多く作られ、特に千葉県は全体の生産量の多くを占めている。
千葉県の県花が菜の花であるように、千葉県にとっては馴染みのある野菜だともいえるだろう。
ほろ苦い味わいと地味な存在から、積極的に使用されることは少ないかもしれないが、調理自体は難しいテクニックを必要とはしない。
栄養価も高く、犬の健康を維持する効能もある菜の花。
中毒など注意点をよく理解しておけば、犬も安心して食べられる食材だ。
今回は、「犬菜の花食べられる?中毒などの注意点と効能は?」について詳しくかきましたが参考になりましたか?
是非、愛犬とともに春の訪れを楽しんでください。