犬が不整脈になった!食べ物が原因?突然死の可能性も

犬 不整脈
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人でも起こるこの疾患は、なったことがある方ならわかると思いますが気持ち悪いものですよね。

そもそも自分の意志とは関係なく心臓は生きている間はずっと動いています。

ふだんはあまり感じることのない鼓動がいきなり早くなったりすると驚いてしまいます。

ワンちゃんももしかしたら気がついているのかもしれませんが、口に出して「ドキドキする」と伝えることができませんので、飼い主さんが察知してあげなければなりません。

実は犬の不整脈は良くおこるのですが、症状が出ていないものは心配がないことが多いのです。

ただし、犬の不整脈には重大な心臓病などが隠されていることがあるので、その原因によっては早く治療が必要なケースがあるのです。

ここでは犬の不整脈についての解説と対処について紹介します。

 

犬の不整脈の症状とは?起こしやすいのは?

拍動が不規則になるほかに、その原因によってさまざまな症状が見られます。

以下が見られたらかかりつけの獣医さんに診察してもらうのが良いでしょう。

  • 元気がなくグッタリしている。
  • 散歩で少し歩いただけなのに抱っこをせがんでくる
  • 少し歩いただけなのに息切れしている
  • 大好きなご飯を出しても食欲がない
  • いつも咳が出ている
  • オシッコの量が少ない
  • 嘔吐する
  • 震えが止まらない
  • けいれんを起こす
  • 呼吸困難を起こす
  • 失神する

この中で気をつけなければならないのは「けいれんを起こしている」、「呼吸困難」、「失神」などで、陰に心臓病が存在している可能性があります。

最悪、意識を失ったままで突然死を迎えてしまうかもしれないのです。

 

犬に不整脈が起こる原因とは?

心臓はいつも一定のリズムを刻んでいるようでいて、その拍動は心臓の状態や身体の体調にあわせて変化しています。

それを変えるにはホルモンや自律神経が密接にかかわっていて、それらのバランスが何かの外因によって崩れてしまうと心臓の動きが不安定になるのです。

 

自律神経のバランス

24時間、身体と心の維持に欠かせない働きをしている神経で、興奮を担当する「交感神経」と安静を担当する「副交感神経(迷走神経とも呼ばれます)」の2つが相反するように働いているのは人もワンちゃんも同じなのです。

日中、活動している時は交感神経がメインとなり、睡眠などリラックスしている時には副交感神経がメインとなって働いています。

しかし、この働きのバランスが乱れるとそれに合わせるかのように心臓の拍動が乱れることになるのです。

 

ホルモンのバランス

自律神経の交感神経の働きを受けて副腎と神経末節から分泌されるアドレナリン、ノルアドレナリンは心臓を収縮させる力を強めて脈拍を速めます。

これらのホルモンの分泌などに異常をきたすと心臓の動きが不安定になってしまいます。

このほかにも影響があるものとして、カルシウムやカリウムの血中濃度、酸素の濃度も大きく影響しますし、いろいろな身体の働きによる代謝産物や血圧の変動なども心臓の働きに大きな影響を及ぼします。

 

ストレス

ストレスが大きく関係することもあります。

手術を受けた、外傷を受けた、さらには全身麻酔などの際の麻酔薬が不整脈を惹起することがあります。

 

加齢

シニア犬では、身体のあちらこちらに問題を抱えるようになってくるのは人と同じです。

これらの疾患が不整脈をもたらすことが多々あります。

 

不整脈を引き起こす疾患とは?

直接不整脈にかかわる心疾患で不整脈を引き起こすとされているのはこちらです。

 

洞不全症候群

心臓に信号を送るペースメーカーとして働く洞結節に異常が起こって発生します。

軽度であれば脈が乱れても上記のような症状が出ていないのであれば配はないとされています。

そのうちに進行して症状が出はじめると下記の重度の不整脈が発生します。

  • 洞房ブロック
  • 心房細動
  • 心房粗動
  • 上室頻拍

そして、これが起きやすいのはこれらのワンちゃん達とされています。

  • ミニチュア・シュナウザー
  • ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア
  • パグ
  • ミニチュア・ダックスフンド
  • アメリカン・コッカー・スパニエル
  • 柴犬

 

僧房弁閉鎖不全症

肺で酸素を含んだ動脈血を全身に送る際に、心臓の左心房と左心室の間にあって逆流を防ぐ弁が僧帽弁です。

これが上手く閉じなくなると心臓から全員に酸素を含んだ血液を送り出すことができなくなり、不整脈が発生することがあります。

この疾患を起こしやすいワンちゃん達がいて、主なものは以下の通りです。

  • キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
  • マルチーズ
  • ヨークシャー・テリア
  • チワワ
  • トイ・プードル
  • シー・ズー
  • ミニチュア・シュナウザー
  • ダックスフンド

 

拡張型心筋症

心筋症には肥大型もありますが、ワンちゃんではほとんどが拡張型です。

心筋に何らかの異常が起きて心筋が薄くなり、収縮する力が弱くなってしまいます。

そのために不整脈が起こり、ホルター心電図などを使って検査をします。

これも起こりやすい種類があって、とくに大型のワンちゃんに多いとされています。

  • ドーベルマン・ピンシャー
  • ボクサー
  • グレート・デーン
  • ダルメシアン
  • アイリッシュ・ウルフハウンド
  • コッカー・スパニエル

 

不整脈源性右室心筋症(ボクサー心筋症)

上記の拡張型心筋症の中で、特にボクサーに多く起こるものをこのように別枠とされています。

好発年齢は中年から高年齢のシニアのワンちゃんで、危険な不整脈が起こって失神するばかりでなく、心不全を起こして突然死することが多く見られる恐い疾患です。

ボクサーのほかには以下のワンちゃん達にも多く見られるとの報告があります。

  • ラブラドール・レトリーバー
  • ダックスフンド
  • シベリアン・ハスキー

 

心臓病以外で不整脈を引き起こす疾患

これらの疾患で不整脈が起こりやすいとされています。

  • 敗血症
  • 胃拡張・胃捻転貧血低酸素症
  • DIC(播種性血管内凝固症候群)
  • 甲状腺機能低下症
  • 高カリウム血症

 

診断ではどんな検査をするの?

まずは獣医さんによる身体検査でチェックされます

  • 視診
  • 触診
  • 聴診

次にレントゲンを撮り心臓の形、大きさと肺や血管のようすを調べ、心電図で脈の推移を調べます。

この際には24時間連続で心電図を記録できるホルター心電図が使われますが、これが適応されるのには以下の条件があります。

  • 不整脈症状(失神ほか)が出ている可能性がある
  • 不整脈として治療することが適切かどうかを判断する
  • 治療を実施した後にその効果を評価する

ワンちゃんにはホルター心電図用の服を着せて測定しますが、自宅で着せて測ることができ、入院をする必要はありません。

そして、心臓超音波検査も実施され、超音波によってレントゲンだけでは察知できない心臓内部構造や大きさ、血流の状態を確認します。

この検査によって心臓病のタイプや重症度の判定と治療後の効果確認をすることができます。

 

不整脈にはどんな治療をするの?

心臓の疾患については薬物による治療が中心になります。

根本的に治すことよりも、症状をやわらげ進行を遅くすることが目的とされて、ワンちゃんを少しでも楽に長生きさせます。

使われる薬剤は主に下記のもので、心臓に負担がかからないようにするものです。

  • 血管拡張作用のある降圧剤
  • 利尿薬
  • 強心薬

 

犬の脈はどうやって測ればいいの?

人であれば手首の動脈で簡単に測ることができますが、ワンちゃんでは後ろ足の付け根の動脈で測ります。

人差し指、中指、薬指の3本の指をそこにあてて、1分間に脈を打った数を数えます。

落ち着きのないワンちゃんで、1分もじっとしてくれない時は15秒だけ測って4倍しても良いですよ。

もし足の付け根の動脈が探しづらいようであれば、胸に手をあてても測ることができます。

脈拍を測っていると不整脈の出現がわかりますので、ワンちゃんとのコミュニケーション作りとマッサージを兼ねて、喜ばせながらやると良いですね。

ちなみに、ワンちゃんでの正常な脈拍数とされているのは60~120回/分と幅が広く、小さいワンちゃんでは多めです。

 

心臓が心配な際の食事管理とは?

心臓に不安があるワンちゃんに対して自宅で気をつけるのは安静と食事です。

血圧が高くなり心臓に負担をかけるのを防ぐために塩分は少なくするのが基本で、味付けに塩を足すことは絶対に止めましょう。

食事ではビタミンB群やミネラル(カリウムほか)をたくさん摂らせてあげましょう。

ビタミンB群にはB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンがあります。

これらを多く含まれる食材は下記のもので、手作りご飯の参考にしてください。

  • 豚肉
  • レバー(豚、鶏、牛)
  • カツオ
  • マグロ
  • サンマ
  • タラコ
  • ヤギのミルク
  • バナナ
  • ナッツ類

タラコは無塩のものに限ります

犬は牛乳の乳糖でお腹を壊すことがあるので、ミルクはヤギのものを飲ませてください。

ペットショップなどで売られています。

なお、漢方医学では不調な部位と同じものを食べると良いとされていて、心臓にはハツがおすすめです。

ハツには心臓を強化するタウリンが豊富に含まれているので、肉屋さんで新鮮なハツ(鶏、牛)を頼んで食べさせても良いでしょう。

 

犬が不整脈になった!食べ物が原因?突然死の可能性も・まとめ

犬の場合は不整脈が必ずしも危険な疾患であるとは限りません。

愛犬に不整脈が出ても、それ以外の症状がなければ大丈夫です。

ただ、あまりにも元気がなかったりする場合には、早めに診察を受けた方が良いでしょう。

もしかすると不整脈だけでなく危険な心臓病が、愛犬に少しずつ進行しているかもしれません。

カカオやカフェインなど、犬が中毒をおこす食べものは不整脈を起こすので、絶対に食べさせないようにしましょう。

また、手作りご飯の飼い主さんであればふだんから気をつけていると思いますが、食事ではとにかく塩分を制限することが大切です。

そして、愛犬の悲しい突然死を防ぐためにふだんから脈を測って、不整脈が起きていないかを確認しておきましょう。

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