お手と言えば誰もが知っている犬のしつけです。
散歩中に会う人の中にはお手をさせようとしてくる人もいるので、できるようになっておきたいですね。
でも何も知らない犬にどうやって教えたら良いのでしょうか?
Contents
お手をしつける方法は?
簡単なお手の教え方
- まずは犬にお座りをさせ、手の平に乗る大きさのおやつを用意します。
- 飼い主は手を握っておやつを隠し、犬の顔に近づけてください。
- 犬の前足を持ち上げておやつを持っている手に乗せる、または犬が前足を手にかけてきたらおやつを与えます。
- 必ず褒めて「お手」と声をかけてください。
- 何度か繰り返したら前足を差し出せばおやつが貰えると犬が理解します。
- 「お手」と声をかけただけで犬が前足を差し出すようになったら習得です。
先にお座りの姿勢をとるのは体を安定させるためです。
これから前足を浮かせるとわかっていない犬からすると、お手はとても不安定な姿勢で、こちらにきちんと手を差し出してくれない可能性があります。
そのためお手を教えるにはお座りを既に習得し、離乳食を卒業して成犬と同じものが食べられる犬が良いでしょう。
お手を始めるのはいつからという決まりはなく、何歳からでも覚えることはできます。
1回成功したら思いっきり褒めて、何日かかけて習得させましょう。
教え方の注意
何もわからない犬にひたすら「お手!お手!」と指示を出す人がいますね。
またお手をしないからと無理やり前足を引っ張って強制的にやらせる人もいます。
犬は言葉の意味を知らないのでこれではできるようになりません。
人間の赤ちゃんは成長と同時に周囲の音を聞き、他の人の動作を見て言葉を覚えていきます。
犬も人間の発する言葉を聞き取って理解するには時間がかかります。
よくわからない犬に無理やりやらせると「お手=嫌なことが起こる」と記憶されてしまうかもしれません。
犬が理解できないときは訓練をやめて、楽しく教えてあげてください。
長くても5分を限度にし、おやつのあげすぎにも気をつけましょう。
お手を嫌がるのはなぜ?
相手を信頼していない
鼻先や足先といった先端を触られるのを嫌がる犬は少なくありません。
犬にとって足は命に関わる部分であり、移動するのもごはんを食べるのも足がなければできません。
そんな大事な部位を見せるということは相手を信頼している証拠です。
保護犬の場合はそもそも人間を信頼していないので、まずは背中や胸の辺りといった抵抗が少ない部位を触られることに慣れていきましょう。
反抗期の可能性
個体差はありますが、人間と同じように犬にも反抗期があります。
生後半年頃は人間の中学生の年齢と言われていて、体が大きくてもまだ大人になりきっていない年頃です。
犬が噛みつくなどしてきたら叱るべきですが、無理やりはやらせず、根気強く教えてあげてください。
お手の意味
犬の祖先はオオカミであり、常に足を使って生活していました。
四つ足で森を走り回り、獲物を狩るのは丈夫な足がなければできません。
大事な足の裏や肉球を見せる行為は、敵意がないということを意味します。
つまり主人にお手をする犬はあなたを信じていると表現しているのです。
現在の犬にはオオカミほどお手に深い意味はありませんが、足を触られる訓練として教えておきましょう。
お手は重要なのか?
お手は簡単なコマンドですが大型犬の場合は力が強く、飼い主がケガをしないようにプロでも覚えさせないことがあります。
それなのにあえてお手を教えるのは、飼い主とのスキンシップを増やすこと、信頼関係を築くことが目的です。
同じ家で生活していても、飼い主とのふれあいがないと信頼関係は築けません。
一緒に暮らしているこの人間は自分の世話をしてくれる、ルールを教えてくれるとわかれば、人間とは頼っていいものなんだと犬は考えます。
ところが家の中で飼い主を信頼していないと、外で知らない人に会ったときも警戒してしまうでしょう。
コマンドを教えることだけがしつけではありません。
愛犬と過ごす時間を増やして優しい犬に育ててください。
犬にも利き手がある?
お手の次はおかわりを教えたいという人がいると思います。
片手はできたのだから、もう片方の手もできるはずと思ったらやらない…
近年の研究によると、人間と同じように犬にも右利き・左利きがあるようです。
利き手でない方の手ではお手がしづらいのかもしれません。
おもちゃをつついたり面倒な場所にあるおやつを取る際、頻繁に使っている前足が利き手だとされています。
筆者は20年以上犬を飼っていますが、おかわりというコマンドを教えたことはありません。
2回続けてお手をすれば反対の手も出してくるのでそれでよしとしていました。
教える際はどちらがお手でどちらがおかわりなのかを統一した方が良いでしょう。
お手に関するまとめ
犬が野生ではなく人間と共に生きていくようになってから、足先を触られる機会は多くなりました。
家に入る前に足を拭くとき、爪切りのとき、病院で診察を受けるときなど。
動物は痛めている部分を隠すことが多いですが、触られることに慣れていれば病気やケガの早期発見にも繋がります。
最近では動物園にいる大きな動物でも、診察しやすいようにお手などのコマンドを覚えさせることがあります。
生きていくために必ずしもお手が必要というわけではありませんが、人間は怖くないんだと理解させることが大切です。