犬に噛まれて痛い思いをしたり、犬の噛み癖が激しくて悩んでいる方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。犬が自分や家族、大事な物を噛んでしまうのは困りものですね。
飼い主の足や寝ている時に噛んできたり、他の犬を噛もうとしてしまったり。犬にとって歯は武器であり、噛むことはコミュニケーションだったり本能的なものですが、しつけが必要な場合もあります。
ではなぜ犬は人や物を噛んでしまうのでしょうか。犬の噛み癖による問題行動やその原因と対処方法についてまとめました。
Contents
犬が噛む人と噛まない人って?噛む理由を知ろう
家族の中で噛む人噛まない人がいるのはどうしてでしょう。
噛むことはいぬにとって攻撃行動ですが、好意を示したり遊びたいなど愛情表現でもあります。なので家族の中で良く遊んでくれる方には激しく甘噛みをしてくるのです。
ですが反対に犬にとって不快なことをする人には攻撃的に吠えたり噛んだりします。例えば次のようなことはしていないでしょうか。
・犬の心地良い場所(縄張りとしている場所)に入る
・体の触れられたくないところがあり、そこを触る
・過度なしつけにより犬に暴行を加えることがある
これらは犬が恐怖や不安を覚えて噛んでいる可能があります。心当たりがあればすぐにやめましょう。
犬が人の足を噛むのはどうして?
人の足を噛むのは何か訴えているのでしょう。または甘えて噛んでくるか、遊んでほしくてじゃれているのかもしれません。
そんな行動が見られれば、もしかしたら遊びが足りなかったかもしれません。遊んであげて発散できれば良いのですが、きりなく足を噛んできては困ってしまいますよね。
噛まずにいる時犬との遊ぶ時間をふんだんにとってあげて、足を噛んだら無視。これを繰り返すことで人の足を噛んでも遊んでくれないことを学習してくれれば、噛むことをやめてくれるはずです。
寝ていると犬が噛んでくるのはどうして?寝ている犬が噛むのは?
人がゴロンと横になると噛んでくるという場合、犬にとっては寂しく感じて、起きて!という訴えで噛んでくるのではないでしょうか。日中少し横になりたいのに…と思う時はちょっと辛いですね。
反対に寝ている犬が可愛くて、つい触っていると噛んできた!ということもあるかと思います。犬は防衛的に敵だと思って噛んだり、または寝ぼけて噛んでしまったりすることもあります。
犬によっては休息中に触られるのが嫌がります。犬が寝ているときはそっとしておくのが一番です。
犬が遊びで頻繁に噛んでくるのはどうして?
犬が遊びたくて良く甘噛みをしてきますよね。犬にとっては遊びのつもりでも噛むことを許してしまうと他人や他の犬を噛むことにつながるかもしれません。ですが噛むことを制限してしまうと犬にとってストレスになりかねます。
噛んではいけないものは教え、おもちゃなど噛んで良いものを与える。これが良いのではないでしょうか。
おうちで噛んでOKなおもちゃを与えてあげることで人ではなくおもちゃを相手にして、犬も人もストレスはなくなるのではないでしょうか。噛んで遊ぶおもちゃは豊富にありますし、それでも飼い主さんと遊びたい欲求のある時は、噛んで引っ張りっこができるおもちゃなど一緒に遊んで、欲求を満たしてあげると良いです。
犬の不満がある時のしぐさや表情を見逃さないようにできれば、噛んでくることが減るかもしれませんね。
犬が怖い顔で本気で噛んでくる!その原因は?
普段は噛まないのに不意に本気噛みされた!または何か決まったことをすると本気で噛まれてしまうということはないでしょうか。上記でもあげたように、本気で噛んでしまう原因を知っておくと良いです。
体に痛みがあり、そこを触られた時
体のどこかにケガや骨折があった場合に抱っこしようとした時に痛くて本気で噛んでしまいます。外傷は見てわかりますが、骨折など内部の損傷は見てわからないので、痛がる様子が見られれば、動物病院へ受診しましょう。
ご飯を取られる!など犬が不安を感じた時
ご飯を下げようとしたりした時に犬によってはご飯を取られると思って本気で噛んでしまうことがあります。食事に対して相当な警戒心が働いていて犬は、本能的に吠えたり噛んだりしてご飯を守ろうとします。
食事に対して注意深い犬には、ご飯をあげたら下げるタイミングを見極めるのと、食事中に触るなど妨げになることは避けた方が良いです。
犬が噛むのをやめさせるには?具体的なしつけ方法を紹介
噛む原因が解れば、それを除外するのが一番です。ですが、日常的に癖になっているならしつけをして噛んではいけないことを教えます。
子犬の頃から人を噛ませない
子犬は歯の発達のためか、むずむずして物や人の手を甘噛みします。子犬の頃からの甘噛みを大人になっても続けてしまうと、噛み癖は直りにくいです。そこでやはり噛むための専用のおもちゃを与えてあげるて、人の手や足は決して噛ませない。このメリハリを子犬のうちからしつけておくことで、人を噛むということは少なくなるはずです。
成犬の噛み癖はしっかりしつける
大人になってからも噛み癖や無駄吠えが直らない場合はしつけが必要です。根気よく行ってみて下さい。
犬が噛もうとしたら、犬の目を見ながら低い声で「NO」や「ダメ」などと言い、やってはいけないことを教えます。犬は女性の高い声ですと興奮しがちなので、女性もなるべく低い声で行って下さい。この時顔つきも真剣に、怒った表情の方が効果的です。犬は人の表情や雰囲気を察知します。半笑いだったり真剣さに欠けてしまうと犬も遊んでくれてるのかな?と勘違いしていつまでも噛み癖を直すことができません。
とにかく怒られてしまった、噛むことをしてはいけないと学習させるため、噛むたび何度も行ってみてください。上手にできたらたくさん褒めることやご褒美のおやつも重要です。
犬に体を噛まさせず、無視する
言っても聞かないのであれば、手を噛もうとするとすかさず手を隠すか、立ち上がって噛まれないようにします。
これを遊びと勘違いして噛もうとするなら、その場から立ち去りましょう。まとわり付いてきても無視です。視線を合わせず、他のことをして犬を徹底的に無視します。可愛そうですが、噛もうとすると相手にしてもらえないということを教えます。
スプレーによる不快感で噛ませない
それでも噛むのをやめてくれないなれば、苦い味のするスプレーがしつけ用としてありますので、それを手にかけておくのも手です。
お酢の酸味やにおいも犬は嫌がるので、薄めたお酢を噛まれたくない物や手にかけて犬の反応を見てみてください。ただこれらのにおいや味に対して平気な犬もいるので確実とはいえませんが、試してみてはいかがでしょうか。
物をかじる場合の対処法としても味覚を使った方法が有効なこともあります。
トラブル注意!犬が他の犬を噛むのなら
他の犬に対して激しく吠えたり、噛もうとするのは警戒心が強かったりまたは他の犬に自分の縄張り意識が強いのではないでしょうか。
恐怖心を抱いて威嚇するしぐさは小型犬によくみられます。自分よりも大きな犬に対して強くみせるためです。犬にとっては自然で本能的ではありますが、他の犬を噛んでしまっては飼い主同士のトラブルになってしまいます。
そうならないために日頃から噛むことへのしつけをしたり、神経質な性格や犬が苦手な子にはなるべく他の犬が通らないようなルートや散歩時間をずらすなどして恐怖心をなくしてあげることも良いと思います。どうしてもうまくいかない時は、ドッグトレーナーなどプロの手をかりるのも手です。
犬が血が出るくらい人の手や足を噛むのなら
遊びや甘噛み程度なら歯跡が付くくらいですが、出血があるほど本気で噛むなら遊びでなく防衛的な理由があるのではないでしょうか。前に述べたように叩かれたなど恐怖を抱いたり、触られたくない場所を触られたり。犬も人と同じで嫌なことはされたくないはずです。
もし飼い主さんやそのご家族が本気で噛まれてしまい出血があるなら、人の病院で診てもらってください。犬の口腔内は菌が多く、特に歯石が多い犬に噛まれてしまうと、傷口から雑菌が入って化膿することもあります。痛みや患部の腫れがひどい場合はすぐ病院を受診しましょう。
また、攻撃的で様子がおかしい場合は何か神経系の病気が疑われることも考えられます。原因がわからず噛んでくるようなら獣医師に相談してみてください。
まとめ:犬の噛む原因を良く知り、より良い関係を!
いかがでしたでしょうか。言語を発することができない犬には噛むことが生まれて備わった言葉に変わるツールでもあります。その訴えや原因をしっかり理解してあげて問題行動にならないように小さいうちから噛んではいけないことを教え、犬との良好な関係を築いていってくださいね。