飼い主さんが、とっても美味しそうに飲んでいると、愛犬にもそれが伝わるのか「僕も飲んでみたい!」と寄ってくることはありませんか?
ついついあげたくなりますが、「お酒」は犬にあげても大丈夫なのでしょうか?
我が家では、テーブルに置いてあったビールの缶を倒して、そのスキを狙って愛犬がペロペロと舐めてしまったり、人が大勢集まった席で日本酒のおちょこをペロリ…なんて事がありました。
そもそも犬も大人になれば、お酒を飲んでも大丈夫なのでしょうか?
この記事では犬がお酒を飲んでいいのか?悪いのか?について調べた内容をご紹介します。
犬ってビールやワインは飲めるの?
結論から先に申し上げますと、犬にお酒は与えてはいけません。
では、ビールとワインがだめなら、カクテルは?焼酎は?日本酒は?と思うかもしれません。
お酒(アルコールが入った飲み物)なので与えてはいけません!
なぜアルコールがダメかというと、犬の身体は人とは違いアルコール分解できないからなんです。
人間の場合、摂取したアルコールは胃・腸で吸収された後、肝臓で分解されます。そして、分解された酵素はアセトアルデヒドになり、さらに無害化が進みます。
その反面、犬はアルコールを分解する酵素をもともと持っていません。
そのため、一度アルコールを摂取すると体内で無害化されず、長期間に渡って体内を循環してしまいます。
その結果、犬の身体に悪影響を及ぼしてしまうというわけです。
私たち人の場合は、「酒は百薬の長」、適量の摂取なら健康にいいといわれていますが、
犬にとっては危険な飲み物なんですね。
危険な飲酒量は?
「お酒を飲めない人は、アルコールを分解できる酵素を持っていないから」といわれています。
日本人の場合、アルコールを分解する酵素を持たない、もしくは酵素が少ない人が多いのではないかと考えられています。
ではわんちゃんはどうなのでしょう?
犬種やアルコール度数によって変わってきますが、体重1キロに対して5.6mlを与えるだけで死に至こともあります。
この、5.6mlを例えるなら、ペットボトルのキャップ一杯が約5mlになります。
ほんの少しの量でも死に至るんです!(;´Д`)
また、アルコール度数でいえば、
種類 | アルコール度数 | 致死量の目安となる量 |
ビール | 4%から9% | アルコール度数5%で110mlが目安 |
ワイン | 7%から15% | |
日本酒 | 12%から16% | アルコール度数15%で37mlが目安 |
焼酎 | 15%から25% | |
ウイスキー | 40%から60% | アルコール度数40%で14mlが目安 |
となります。特に超小型犬の場合、一口舐めただけでいきなり体調が急変することがあります。
上記の数字はあくまで目安なので、この量に達していなくても重篤な状態になる可能性は十分にあります。
飲むとどうなるの?
では飲んでしまった場合どうなるのかというと、人間でいう「酔っぱらった」状態になります。
人間でいう、ほろ酔い(酒を飲んで多少酔いが出ている状態)程度で済めばいいのですが、一定量を超えると呼吸回数が徐々に低下して呼吸困難になります。
その後、昏睡状態に陥る、意識を失う、最悪の場合は死に至ってしまうケースも珍しくありません。
軽い気持ちで「飲みたそうだから少しだけ」「酔った姿を見てみたい」といって与えるのは非常に危険です。
また、人が集まってお酒を飲む機会にも注意が必要です。お酒が入ると大胆になる人、いつもと態度が変わる人だっています。中にはふざけて犬にアルコールを与えようとする人がいるかもしれないので、犬から目を離さないようにしたいですね。
万が一、多量摂取した場合
気を付けていても多量に飲んでしまったら、速やかに動物病院へ連絡して獣医師さんの指示を仰ぐようにしましょう。自分の判断で水を与えたりすると、かえって症状が悪くなるケースがあります。
状態によりますが、場合によっては一刻をあらそいますので、連絡した際は「いつ」「どの位のアルコールを飲んだか」「今の症状」を伝えるようにします。
犬のアルコール中毒は残念なことに応急対策がないといわれています。
したがって、致死量に至るほどの量を飲んでしまった場合は私達でどうこう対処することはできないので、緊急で動物病院へ行くようになります。
万が一の場合に備えて、24時間緊急で診て貰える動物病院を探して置くと安心です。
じゃあ…犬と一緒に乾杯は無理なの?
どうしても犬と乾杯したい!っと思う飼い主さんも多いかと思います。
そんなときは「犬用のビール」が売られていますので、そちらで乾杯するのも良いでしょう。
もちろん、アルコールをはじめ塩分や炭酸抜きですので安心して飲めるものもあります。
ちなみに日本酒もあります(^^)
まとめ
お酒を飲むと、今日一日の疲れやストレスに凝り固まった心もほぐれていく…。
そんなお酒をこよなく愛する方も多いと思います。
しかし、犬にお酒を飲ませることは大変危険かと思います。
飲ませるつもりがなくても、いつ何が起こるかわかりません。酔った勢いなんて言葉もあるくらいですから、もしかしたら、その一口が命取りになりえるかもしれません。
中には「少しくらいなら」といった感じで愛犬に飲ませるかたもいると聞きます。
飲んでも飲ませ過ぎなければ症状がでない犬もいるようですが、そもそも犬はアルコールを分解できないことを忘れないようにしたいですね。
少ない量でも犬にはお酒を飲ませない。
それと万が一、多量摂取した場合は速やかに動物病院で受診してもらうようにしましょう。