マンゴーといえば、世界三大美果「マンゴー」「チェリモヤ」「マンゴスチン」と呼ばれる世界を代表する三大フルーツの1つ。
かつては、メキシコ、フィリピン、タイ、台湾などの輸入マンゴーが主体だったが、2000年頃から国産マンゴーが本格的に流通するようになり、国内では高級フルーツとして非常に人気が高い。
国産マンゴーであれば驚くほど高価なものもあるが、その柔らかく滑らかな舌触りと濃厚な甘味は、味わう者を南国の島へといざなってくれる。
今回は、濃厚な味わいが魅力であるマンゴーと犬の相性について紹介しよう。
犬はマンゴーを食べても大丈夫なの?
マンゴーの約80%は水分であるが、ビタミンC、カリウムなどの栄養が豊富に含まれている。また、抗酸化作用を持つβカロテンも含まれており、よく熟したマンゴーの果肉ほどβカロテンの量が増えると言われている。
他にも、ビタミンB1、B6、カルシウム、リン、食物繊維も含んでいる。マンゴーには、これら犬の健康維持には欠かせない成分が含まれているので、効率よく栄養を摂取することができるのだ。
一方、犬にとって害のある成分は含まれていないので、犬はマンゴーを食べても問題ない。
とはいえ、マンゴーは他の果物と比べると糖質がやや高い傾向にあるようだ。
果物100gあたりの平均糖質量 | マンゴー100gあたりの糖質量 |
13.5g | 15.6g |
果物100gあたりの平均糖質量を調べてみたのだが、なんとマンゴーは果物の平均糖質量を上回ってしまうのだ。
マンゴー特有の甘い香りと甘味は犬の嗜好にあっているので、いくらでも欲しがる犬はいるだろう。肥満の元にならないよう、与える量には注意が必要だ。
犬にとってマンゴーの栄養と効能とは?
ビタミンB1
ビタミンB1はエネルギー代謝に必要な栄養素といわれ、記憶力や認知機能を正常に保つ働きや、脈拍数や血圧が上がりすぎないように調節する。
別名、「神経系のビタミン」とも表現され、ビタミンB1の欠乏は運動失調や神経伝達に障害が発生しやすくなる。
βカロテン
βカロテンには抗酸化作用があり、ガンの予防や老化予防に効果的と言われている。しかも、βカロテンは必要な量だけ体内でビタミンAに変換するという優れもの。
ビタミンAは、視力を維持するには欠かすことのできない栄養素の一つ。
カリウム
カリウムは、体に含まれている余計な塩分(ナトリウム)を排出する効果があることから、利尿作用や血圧を下げる働きに期待ができる。
食物繊維
便秘を予防する働きはもちろん、コレステロールの吸収を抑制する作用にも期待ができる。
与え方のポイントを押さえておこう!
一般的な与える適量は1日15g程度
マンゴーに含まれるカロリーは、100gあたり64kcalと果物の中では標準的。
だが、人間よりも体重が低い犬にとってみれば、マンゴーは非常にカロリーが高い果物といえるだろう。
ちなみに、マンゴーのサイズは大小様々だが、1個あたりの可食部(実際に食べることのできる部分)は150~270gなので、1個分のカロリーに換算すると、約96~172kcalとなる。
「100gあたり」と言われてもピンとこないが、小さいサイズ1個あたりのカロリーは、約100kcalあると考えてもいいだろう。
犬種にもよるが、1日に与える量は人間でいう1口サイズ(約15g)が適量だと言われている。糖質も他の果物と比べて多いので、肥満の元にならないよう必要以上に与えないことも大切だ。
マンゴーはウルシ科の植物
マンゴーは「ウルシ科」の果物であるため、人間でも口の周囲の痒みやかぶれなどのアレルギー症状が出る場合がある。
犬によってはアレルギー反応が強く出る場合があるので、マンゴーを初めて与える場合には注意が必要だ。
初めて与える時は少量から与えるのはもちろん、痒がったり、目や口の周りが赤くなっていないか、愛犬の様子を注意深く観察することも忘れないでおこう。
さいごに
マンゴーの品種は多く、世界では500種類以上の品種が栽培されている。
主に、熱帯地域を原産地とするフルーツであるが、面白いことに冬の寒さが厳しい北海道でも10トン以上の生産がある。
北海道のマンゴー栽培は、極寒の冬場は温泉によって地面を温め、夏場は冬期に保存した雪によって温度を下げるなど再生可能エネルギーを使った、夢のようなマンゴーを栽培しているのだ。
マンゴーは、犬にとってもうれしい栄養をたくさん持ち合わせた果実。しかし、アレルギー症状を引き起こす可能性もあるので、愛犬に与えた後はアレルギー症状がでないか必ず見守ってあげよう。