乾燥すると固く、戻すとフワフワな「麩(ふ)」。
みそ汁の具にひょっこり入っていると、なんだか嬉しくなってくる食材だ。
ひとくちに麩といってもその種類はさまざま。色がついていたり、大きな輪状だったり、日本全国に伝わる麩の種類は、なんと90種類以上にもなるというのだから驚きだ。
そんな伝統豊かな麩。犬に与えても大丈夫なのだが、与える前に知っておきたいポイントが少しだけある。
今回は、麩の栄養、与え方のポイントなどをご紹介していこう。
Contents
麩の原料とカロリー
麩の原料は、パンや麺類を作る時にも使われる「グルテン」というタンパク質だ。
グルテンは小麦粉に水を混ぜて練ることで作られるのだが、それにベーキングパウダー、もち米粉などを混ぜて形作り、焙り焼きしたものが「焼き麩」になる。
気になるカロリーは、100gあたり385kcal。一瞬、「高カロリー!?」と思ってしまうが、焼き麩は軽いため100gといったら相当な量になるため安心してほしい。
だいたい直径2~3cmで0.5g、カロリーにすると2kcalと、実は低カロリー食材なのだ。
麩に含まれる栄養と効能
植物性タンパク質が豊富
タンパク質には「動物性」と「植物性」があるのだが、麩に含まれているのは植物性タンパク質である。
タンパク質は健康な筋肉や皮膚の材料となり、体の成長にとって絶対に必要なものであると同時に、アミノ酸として体の中でさまざまな働きを担ってくれる存在だ。
また、タンパク質は原材料のまま使用するよりも、加工することによって消化性が格段に向上する。
例えば、植物性タンパク質が豊富な大豆を例にした場合、大豆そのものを食べるよりも、大豆を加工して作った豆腐を食べる方が、より消化性が高くなる。
麩も同様、小麦を加工して作られたものなので、消化性も高くなるというわけだ。
鉄分
鉄分が不足すると貧血になることは多くの人が知っているだろう。
鉄分は貧血予防や改善に効果的な成分。鉄分は赤血球の中の「ヘモグロビン」を作るのに欠かせない材料であるほかにも、赤血球が酸素を運ぶ手助けをしてくれる大切な役割がある。
カルシウム
カルシウムは骨や歯を作るのに必要な栄養素。それなりのドックフードを与えていれば、カルシウムを不足することはないだろうが、手作り派の方は不足しないよう意識して摂取したい成分。
亜鉛
犬に亜鉛?と思ってしまうが、実は愛犬の健康を保つためには頼りになる存在だ。
亜鉛は、細胞の再生やストレスの軽減、免疫力の向上に効果があるといわれている。
亜鉛の不足は、フケ、鼻や肉球のカサカサの原因にもなってしまう。犬は人よりも多くの亜鉛が必要だとされているため、不足しないよう摂取したい。