暑い日や風呂上がりに食べるアイスクリームはこのうえなく美味しい。
そんなアイスを食べてる傍で、愛犬にじっと見つめられたら少しぐらいお裾分けしたくもなってくる。飼い主さんが美味しそうに食べていたら当然、愛犬も欲しがってくるだろう。
だが、アイスクリームは甘いゆえにカロリーや糖質量も高そうである。
犬にとってアイスクリームはどうなのか、検証してみよう。
アイスクリームは何でできている?
アイスクリームの主な成分は牛乳や乳成分だ。
砂糖や果糖、ショ糖や水飴などの糖分、油脂、水分を油分と混ぜて定着させるための乳化剤や安定剤、味を補うためのフレーバー(香料)、色をつけるための着色料が使われている。
また、風味や口当たりの決め手となる乳成分は、直接的なクリームやバターは「乳脂肪分」、ミルクの風味やコクを与える為の牛乳から水分と脂肪を除いたものを「無脂肪固形分」と区別され、これら乳脂肪分と無脂肪固形分を合わせたものが「乳固形分」と分類される。
通常、「乳」は牛乳を意味するが、まれにヤギや羊の乳のものもあるので一概に牛乳と解釈することは誤解といえそうだ。
アイスクリームのカロリー
アイスクリームの成分が分かったところで、次はカロリーをチェックしてみよう。
主にアイスクリームには、「アイスクリーム」「アイスミルク」「ラクトアイス」のいずれかの表示があると思うが、それぞれの種類でどのようにカロリーが違ってくるのか、実際に数字で見てみよう。
アイスクリーム
アイスクリームは、乳固形分が15%以上で、そのうち乳成分が8%以上のものをいう。
アイスクリーム(高脂肪) | 212kcal |
アイスクリーム(低脂肪) | 180kcal |
(※いずれも100gあたりの数値)
同じアイスクリームの中でも、高脂肪のものと低脂肪のものがあり、カロリーを見るとやはり高脂肪のほうが高くなっているのが分かる。
アイスミルク
アイスミルクは、乳固形分が10%以上で、そのうち乳脂肪分が3%以上のものである。
アイスミルク | 167kcal |
(※いずれも100gあたりの数値)
アイスクリームに比べて乳固成分や乳脂肪分ともに少ないため、カロリーは若干低め。最近では乳脂肪分を植物油に置き換えたものも出回っている。
ラクトアイス
ラクトアイスは、乳固形分が3%以上のもの。アイスミルクよりさらに乳固形分が少ないのが特徴だ。
ラクトアイス(普通脂肪) | 224kcal |
ラクトアイス(低脂肪) | 108kcal |
(※いずれも100gあたりの数値)
意外にも、普通脂肪の場合は高脂肪のアイスクリームよりもカロリーが高い。これは、乳固形分が少ない分、風味やコクを増すために、植物油などが加えられているためだと考えられる。
それぞれのカロリーを見比べてみよう
では、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、それぞれの特徴が分かったところで、それぞれ種類でのカロリーを見比べてみよう。
アイスクリーム(高脂肪) | 212kcal |
アイスクリーム(低脂肪) | 180kcal |
アイスミルク | 167kcal |
ラクトアイス(普通脂肪) | 224kcal |
ラクトアイス(低脂肪) | 108kcal |
(※いずれも100gあたりの数値)
こうして見ると、ラクトアイス(低脂肪)以外はどれもカロリーが高いのが分かる。
市販のアイスクリームだと、小さいカップ1個分でおよそ100g。そう考えると、カップ1個で200kcalあるものは犬に限らず、人間にとってもかなりの高カロリーだ。
アイスクリームの糖質量
では、糖質にいたってはどうなのだろう?
こちらも「アイスクリーム」「アイスミルク」「ラクトアイス」で比較してみよう。
アイスクリーム(高脂肪) | 18.1g |
アイスクリーム(低脂肪) | 23.2g |
アイスミルク | 23.9g |
ラクトアイス(普通脂肪) | 20.9g |
ラクトアイス(低脂肪) | 20.6g |
(※いずれも100gあたりの数値)
意外にもアイスクリームの場合は、低脂肪の方が糖質量は多くなる。これは、脂肪分が少ない分、甘い味がついたアイスの分量が増えたためだと思われる。
また、それぞれを比較しても糖質量は高めである。
糖質は、体を構成するタンパク質や体脂肪が分解されエネルギーとして利用されるが、逆に摂りすぎると体脂肪として蓄積され肥満になってしまう。
アイスクリームの糖質量は犬にとっては非常に高い。肥満もそうだが、生活習慣病の原因にもなってしまいそうだ。
結論
犬は甘みを好む味覚を持つため、アイスクリームのような甘みのあるものは嗜好に合っているだろう。
しかし、乳成分がベースな分、脂肪分も糖分も多いので、やはりカロリーや糖質量ともに高めである。
アイスクリームの中には犬にとって特別害のある成分は含まれてはいないが、与えれば肥満のリスクは高くなってしまう。
飼い主さんが食べていれば愛犬だって欲しがるだろうが、ここは心をひとつ鬼にして、お裾分けするのは控えた方が無難だ。