犬がパルボウイルスに感染した!症状や予防方法は?

パルボウイルス 犬
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獣医さんが嫌うウイルス感染症はいくつかありますが、その一つとして犬が感染しやすく致死率が高いパルボウイルスが挙げられています。

パルボウイルスは熱やアルコール消毒に強く、自然の中で数カ月以上生きるので、とてもやっかいなウイルスですが、予防接種で防ぐことができます。

ここでは症状や治療などや飼い主さんが気をつけることなどを紹介します。

 

犬にうつるパルボウイルスとは?

消毒に強くしぶといウイルスで、60度のお湯の中でも1時間以上生きています。

アルコールやクレゾール、逆性石鹸などでは死なず、ブリーチなどの次亜塩素酸ナトリウムやホルマリンなど強力な薬剤でやっと死滅します。

主にワンちゃんのウンチで体外に出され、それがほかのワンちゃんの口や鼻から入り込んで感染します。

そのほかには、ウイルスがいるワンちゃんやそのウンチを触った人が、その手でほかのワンちゃんを触ったことでうつることもあります。

 

犬のパルボウイルスは人間にうつるの?

パルボウイルスには多くの種類があり、それぞれ多くの場合は特定の動物にしか感染しません。

よく知られているものにはイヌパルボウィルス、ネコパルボウイルス、ヒトパルボウイルス(B19)などがあります。

 

ペットショップの犬にパルボウイルスがいるってホント?

お母さんワンちゃんがウイルスのキャリアだった場合、生まれた子犬がウイルスに感染していることがあります。

ワンちゃんは生れて2ヵ月ほどでお母さんからもらった免疫がなくなり、その時期にペットショップで集団感染することが多いのです。

お家に連れて帰ってしばらくして発症してしまい、感染していたことがわかり、ペットショップともめ事になってしまった話をよく耳にします。

ワンちゃんを迎えようとする際には、信頼できるペットショップやブリーダーから購入することをおすすめします。

また、保護施設などでうつってしまうこともあるので、里親になる時などもお家に連れて帰ってから2週間くらいはしっかり観察してくださいね。

 

犬パルボウイルス感染症の症状と治療

一般的にみられる腸炎型と、まれですが突然死に結びつく心筋炎型があります。

 

腸炎型パルボウイルス

感染から数日ないし2週間ほどで発症すると次の症状が出てきます。

  • 元気消失
  • 食欲不振
  • 発熱
  • 嘔吐
  • 下痢や血便
  • 脱水
  • 体重減少

症状が軽いケースでは2,3日で自然回復しますが、下痢や血便などが続くと二次感染を起こし、敗血症となって命を落とすことがあります。

 

心筋炎型パルボウイルス

生れて8週以内の赤ちゃんワンコでは、心筋炎を起こしてそれまで元気だったのに急に呼吸ができなくなって亡くなってしまうことがあります。

悲鳴のような鳴き声をあげたり、嘔吐したりしてから30分ほどで絶命するため、気づいた時には手遅れということが多いです。

 

犬パルボウイルスはどうやって治療するの?

まずはほかのワンちゃんにうつさないよう隔離して、重症でなければ通院での治療になります。

ウイルスを死滅させる薬はなく、かかってしまったらワンちゃんの体力を落とさないように点滴などで栄養補給をしながら免疫力を高めます。

必要であれば、二次感染を予防する抗生物質や抗炎症剤、下痢止め、吐き気止めなどを飲ませるほか、インターフェロンなどが使われるケースもあります

また、軽症だからと様子をみていて、どんどん悪化すると助からないことがあるので、大事なことは早く治療をしてあげてください。

なお、動物病院に連れて行く際に、待合室などでほかのワンちゃんにうつしてしまうかもしれませんので、まずは獣医さんに電話をしてからその指示に従いましょう。

 

犬のパルボウイルス感染症は完治するの?

症状が軽いうちであれば、体力が回復して免疫力が高まることで体内のウイルスが減れば、3日から5日ほどで完治します。

ただし、重症化してしまうと特効薬がないために死亡することがあるので、とにかく早めに獣医さんに診せることが大切です。

 

犬パルボウイルスの消毒やワクチン、予防方法は?

最も有効な予防は、一にも二にもワクチンの予防接種です。

お母さんワンちゃんからもらった抗体がなくなるとされる、生れてから8週目ころに1回目を接種して、その後は1ヶ月おきに2、3回、以降は毎年受けておきましょう。

そのほかには日ごろから愛犬の免疫力を高めておきましょう!

ご飯の栄養バランスへの注意や、毎日の散歩や運動を面倒くさがらずにしっかりしてあげることが大切です。

そして、ワンちゃんの身体を常に清潔にしてあげることと、ブラッシングやマッサージなどをまめにしてあげることで、ストレスをためない生活を送らせてあげてくださいね。

 

犬がパルボウイルスに感染した!症状や予防方法は?・まとめ

パルボウイルス感染症は、愛犬の免疫力を高めた上でのワクチン接種で防げる感染症です。

ただ、生後まもない子犬や、病気などの原因がって免疫力が落ちている成犬、あるいは老犬が感染して重症化すると、命にかかわることがある恐い感染症でもあります。

愛犬にパルボウイルス感染が疑われる時は、一刻も早く獣医さんの診察を受けるようにしてくださいね。

また、ふだんから愛犬の様子を観察して、コミュニケーションをしっかりとっておくことも大切です。

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