犬がニキビダニ症で脱毛した!どんな病気なの?

ニキビダニ 犬
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かわいい子犬の足などに小さなハゲを見つけたら、ニキビダニ症かもしれません。

足だけでなく背中などにも小さい脱毛ができることがあり、フケが出て発疹が出たりすることもあります。

ただ、局所的なものが多く、成長とともに子犬のニキビダニ症は自然に治ることが多いです。

ただ、成犬になってからのニキビダニ症では症状が重くなることがあり、早い段階での発見と治療が大切です。

 

犬に寄生するニキビダニってどんなダニ?

ニキビダニ(Demodex spp.)は、次のようにさまざまな呼び名があります。

  • 毛包虫
  • デモデックス
  • アカラス

コの隊長0.2~0.3mmほどの小さなダニですが、人や犬など哺乳類の皮膚の毛穴にある毛包に常在しています。

「ニキビダニ」いう名は、人の顔のニキビを悪化させることがあることからきています。

ふだんは大人しく平和に暮らしているダニですが、宿主の免疫力が落ちると増え始め、異常に増えると炎症を起こすのです。

ただ、このダニは決まった宿主にしか寄生しないので、種類の違う動物の間で感染することはありません。

 

ニキビダニ症とはどんな症状?

子犬では軽く、足や背中などに小さな脱毛ができ、フケが出る場合もあります。

だいたいが局所的なもので発疹が出ることもありますが、かゆみなどはさほど強くなく、成長して免疫力が高まってくると自然に治るのがほとんどです。

成長してから発症すると重症となるワンちゃんが多く、広い範囲で発疹が出て炎症が強くなり、厚いカサブタができてかゆがるのです。

さらにはニキビのような膿胞があちこちにできて、皮膚のタダレが拡がります。

ひどい場合は皮膚の深いところに炎症と細菌感染が同時に起こって、強い痛みが出ることもあります。

 

かかりやすいワンちゃんは?犬種差があるの?

子犬に多いことは先に書きましたが、これは、お母さんからオッパイをもらう際に、お母さんワンちゃんにたかっていたニキビダニが子犬に移るためと考えられています。

そのため、大人のワンちゃん同士で感染することはあまりないようです。

生れたばかりの子犬の免疫力が低いために、ダニが少し増えてしまい、脱毛すると考えられていますが、免疫力がつくにつれてダニは大人しくなるのです。

 

成犬で発症するのはなぜ?

成犬では何らかの理由で体力が落ちて免疫力が低下すると、ニキビダニが増殖して毛包炎が起こります。

その理由としては、女の子では妊娠や発情などが挙げられるほか、体にメスを入れる外科手術の後も体力が低下していて起こりやすい状態です。

また、アレルギーなどの治療でステロイド剤を長期間飲ませていたり、免疫抑制剤を飲ませていたりするワンちゃんも免疫が落ちているので要注意です。

シニア犬の場合は基礎疾患や、ホルモンバランスの乱れなどが引き金となります。

そのほかに遺伝的な要素もあるとされ、かかりやすいとされているのは次のワンちゃんたちです。

  • シーズー
  • パグ
  • ヨークシャー・テリア
  • フレンチ・ブルドッグ
  • スコティッシュ・テリア

 

治療にはどんな薬があるの?期間は?

顕微鏡の検査でダニが見つかったら、ダニ駆虫薬での治療が始まります。

完全に治るには1ヶ月から数カ月間は薬を飲ませますが、治ったと思っても再発することが多いため、飼い主さんの根気が必要です。

駆虫薬にはフィラリア予防薬のイベルメクチンの服用や、コストが安いドラメクチンの服用あるいは皮下注射などがあります。

薬の服用と一緒に薬用シャンプー療法も組み合わせて行われるほか、重症化して感染症を起こしているワンちゃんには抗生物質も使われます。

 

犬のニキビダニ症は予防できるの?

ほかの病気と同じでワンちゃんの健康管理をしっかり行うことが大切です。

身体の免疫力を落とさず、皮膚をいつも清潔にするために以下のことに気をつけてくださいね。

  • 値段の安さにつられず良質なドッグフードを選ぶ
  • 食事をしっかり与えて、おやつや人間の食べ物を与え過ぎない
  • 室内の湿度温度管理をしっかり行って快適に過ごさせる
  • 予防接種をきちんと受け、ノミダニ、フィラリアなどをしっかり予防する
  • 面倒がらずに定期的にシャンプーをしてあげて、皮膚を清潔に保つ
  • 体調が悪そうなときは早めに獣医さんに相談する

なお、薬が効かないケースや、シニア犬で他に疾患があるなどして服用ができない場合に、予防効果が期待できる薬「フルララネル」があります。

ただし、まだ未承認なため一般的ではなく、この先承認されることが期待されています。

 

犬がニキビダニ症で脱毛した!どんな病気なの?・まとめ

ニキビダニは愛犬の免疫力が低下すると悪さをするダニなので、最も有効な予防は愛犬の健康管理です。

子犬であればもし脱毛を見つけても、そのほとんどは成長とともに自然に治っていきます。

しかし、何らかの持病を持っていたり、老化によって免疫力が明らかに落ちていたりするシニア犬がニキビダニ症を発症すると、重症化しやすいために注意が必要です。

愛犬の体に、直径2~3cmほどのツルンときれいな脱毛を見つけたら、軽く考えずに早めに獣医さんに相談しておきましょう。

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