【獣医師監修】犬にスピルリナを与えても大丈夫?動植物の機能を併せ持つスーパーフードの秘密とは

犬 スピルリナ 与える 大丈夫 与え方
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犬 スピルリナ 与える 大丈夫 与え方

みなさんは「スピルリナ」というものをご存知だろうか?

スピルリナは、セレブを中心に密かにブームになっている話題のスーパーフードのひとつ。

完全食と言われるほど栄養素が豊富で、アメリカ航空宇宙局NASAにも注目され研究対象になっているほどだ。

太古の地球上にはすでに存在していたというスピルリナ。調べたところ、犬にとっても嬉しい栄養素をたくさん含んだスーパーフードでもある。

スピルリナとは一体何者なのか?どんな栄養が含まれているのか?与える方法など、今回はそんなスピルリアについてご紹介していこう。

【獣医師監修】班目美紀

専門家 監修
麻布大学獣医学部獣医学科卒。現在は動物病院で小動物臨床獣医師として勤務。

 

スピルリナって何?

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スピルリナ(Spirulina)は、幅5~8μm、長さ300~500μmほどの「らせん形」をした、藍藻類の一種。

μm(マイクロメートル)といってもピンとこないが、1μm=0.001mmほど。スピルリナは、もはや顕微鏡レベルの大きさというのがお分かりいただけるだろう。

そんなスピルリナは、およそ30億年前に地球に誕生したとされている。その後進化せず、現在まで地球の環境変化にも負けずに生存している非常に生命力の強い生き物なのだ。

また、アルカリ性の水を好み、光合成を行い増殖していくのも特徴である。陸上の植物と同じように、光合成の過程で二酸化炭素を吸収し酸素を発生させる。

スピルリナを顕微鏡で見てみると螺旋状になっている。スピルリナという名前は、ラテン語の「ねじられた」「らせん」を意味する「Spira」に由来すると言われている。

 

スピルリナの豊富な栄養素の秘密

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スピルリナの特筆すべき点といったら、その豊富な栄養素にあるといっても過言ではない。

水の中で生きている藻の一種でありながらも、緑黄色野菜に含まれるβカロテンやビタミン、カルシウム、食物繊維はもちろん、犬の健康維持には欠かせない必須アミノ酸10種類がすべて含まれている。

さらには、野菜や果物からはほとんど摂取できないビタミンB12や動物性の炭水化物であるグリコーゲンなども含まれている。

スピルリナは藻でありながらも、動植物の機能を併せ持つスーパーフードなのだ。

 

スピルリナの栄養と効能

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スピルリナは、健康食品でもお馴染みのクロレラと同じく、脱水濃縮されて乾燥させた後、粉末状またはタブレットなどに成形された形で生産されている。

乾燥したスピルリナは、タンパク質を約60%含み、ビタミン、ミネラル、食物繊維、クロロフィルなどを含む。

中でもβカロテンを多く含み、その抗酸化作用が注目されている。クロレラと比較しても、βカロテン含量は多く、消化吸収性が良いのも特徴である。

すべて紹介すると長くなってしまうので、注目したい栄養素をピックアップしてご紹介しよう。

 

必須アミノ酸

スピルリナの栄養素でまず注目したいのが、「必須アミノ酸」と呼ばれる、体内での合成ができないアミノ酸が全て含まれていることにある。

生きていくうえで必要不可欠な栄養素でもある必須アミノ酸。その種類や数は動物によって異なり、我々人間では9種類、犬は10種類と言われている。

アミノ酸はタンパク質の元となる大切な成分。血液や筋肉、骨、爪といった体全体を作る大切な栄養素でもある。

 

クロロフィル

主に、春菊、ほうれん草、小松菜、モロヘイヤ、ケールといった野菜に多く含まれるが、スピルリナにも豊富に含まれている。

クロロフィルはコレステロール値を下げ、血中コレステロール値を正常化にしてくれるほか、体内に蓄積した残留農薬やダイオキシン、有害金属などを排出してくれる働きもある。

 

ビタミンB12

ビタミンB12は補酵素として、タンパク質、炭水化物、脂質などの代謝を助ける働きがある。

また、造血ビタミンの一つであるビタミンB12は、赤血球の生産には欠かせない栄養素でもあるため、老化防止、貧血防止、タンパク質合成などに効果を発揮する成分とされている。

 

βカロテン

βカロテンには抗酸化作用があり、ガンの予防老化予防に効果的と言われている。

しかも、βカロテンは必要な量だけ体内でビタミンAに変換するという優れもの。ビタミンAは、視力を維持するには欠かすことのできない栄養素なのも嬉しいポイントだ。

 

さまざまなビタミンB群

ビタミンB群とは、ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン(B3)、葉酸、パントテン酸(B5)、ビオチン(B7、ビタミンHと呼ばれることも)の8種類があり、これらを総称して「ビタミンB群」と呼ぶ。

ビタミンB群は基本的には炭水化物、脂肪、タンパク質の代謝に必要な成分である。つまり、人や犬にとっても生きるためのエネルギーを作るには欠かせない栄養素でもあるのだ。

上記で紹介した以外にも、鉄、カルシウム、マグネシウム、カリウム、亜鉛などのミネラルや、リノール酸、γ‐リノレン酸なども含まれている。

 

犬への与え方は?

犬 スピルリナ 与える 大丈夫 与え方

主に、犬用としては「粒状」や「粉末状」のものが主流で、無味無臭のタイプが多い。

犬用ではないが、乾燥タイプのものも少数ある。水で戻して使うあたりがワカメやひじきに似ている。また、ごく少数ではあるが生タイプも販売されているようだ。

 

犬への与え方

粒タイプの場合、大きさはドックフードと同じくらいの大きさなので、フードにまぜたり、おやつで与えたりするのが一般的。

粉末状の場合は、フードのトッピング、手作り食に加えるなどが多い。我が家では粉末状のスピルリナを手作り食に加えて与えている。仕上げに入れるだけなので、とても簡単。

中には人間用の商品として扱ってはいるものの、犬が食べても問題ないものもある。初めて与える場合は、好き嫌いがあることも考慮して、飼い主さんも使えるものをチョイスするのも一つの方法だ。

 

さいごに

犬 スピルリナ 与える 大丈夫 与え方スピルリナは50種類以上の健康・栄養成分を含んだバランス食品だ。

これだけ栄養が多彩なスピルリナであるが、海外ではかなり浸透しているものの、日本ではまだまだ知名度は低いの現状。

その効果はまだまだ解明されていないことも多いが、まずは粉末タイプを手に入れて、愛犬の食事にプラスしてみるのがおすすめ。

気になる方は、ネット販売や大型ペットショップで探してみるといいだろう。

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