犬に飲ませるミネラルウォーターは「軟水」と「硬水」どちらがオススメ?

犬 ミネラルウォーター 軟水 硬水 与える 大丈夫 
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蛇口をひねれば、当たり前のように出てくる水。

水は生きるのに必要不可欠な存在だが、実は色々な種類がある。

市販のミネラルウォーターを見てみると、商品によっては「ナチュラルウォーター」、別なものは「ナチュラルミネラルウォーター」と微妙に違いがある。そういえば「軟水」や「硬水」といった種類もあったような気がする。

一体何がどう違うのか。そこで今回は、犬に与えるミネラルウォーターについて深くリサーチ。

 

 

ミネラルウォーターは4つに分類されている

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農林水産省が発表している「ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン」では全ての水に対して殺菌処理を義務づけている。

容器入りの飲料水は「ミネラルウォーター類」と呼び、以下の4種類に分類されている。

 

 

ナチュラルウォーター

特定の水源から採水された地下水を原水としたもので、濾過、沈殿、加熱殺菌といった処理が行われるが、そのほかの処理は行っていない。

 

 

ナチュラルミネラルウォーター

ナチュラルウォーターの中でも、「ミネラル」をもともと含んだ地下水を原水とした水。ナチュラルウォーターと同じく、濾過、沈殿、加熱殺菌に限る。

日本で一般的に「ミネラルウォーター」と呼ばれているのはこのタイプだ。

 

ちなみにだが、日本で定められている水の区分の中で「自然水」「天然水」と名乗れるのは、このナチュラルミネラルウォーターとナチュラルウォーターだけである。

 

 

ミネラルウォーター

ナチュラルミネラルウォーターを原水とし、品質を安定させるなどの目的で、ミネラルの調整や水に酸素を供給する曝気(ばっき)処理を施したもの。また、複数の原水を混合しているものなどがこれにあたる。

 

 

ボトルドウォーター(または飲用水)

上記3種類以外の水。

例えば、水道水、蒸留水、純水(ピュアウォーター)、RO水、アルカリイオン水など。

水素水や海洋深層水なども、このカテゴリーに入る。処理方法の制限がないのが特徴である。

 

「軟水」と「硬水」の違い

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前述した農林水産省のガイドラインでは表示義務がないものの、水を分類するひとつの指標に「硬度」というものがある。

水の硬度とは、水1000ml中に含まれる「カルシウム」と「マグネシウム」の含有量を表す数値。

WHOによる基準では硬度120mg/lを基準に、それ以下を「軟水」、それ以上を「硬水」としている。これには様々な見解があるが、日本の場合だと大きく分けて硬度100mg/lを基準に分けられることが多いようだ。

 

つまり、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが多く含んでいるのは「硬水」。逆に、ミネラルが少ないものは「軟水」というわけだ。

 

ちなみに日本の水道水をはじめ各地で採水される水は、高度60mg/l前後なので「軟水」に当たる。

 

犬にとってミネラルウォーターは尿石になる!?

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巷では、犬にミネラルウォーターを飲ませてはいけない…という話があるが、これはカルシウムやマグネシウムの過剰摂取による「尿結石」の可能性があると考えられているから。

 

しかし、基本的に心配は不要であるようだ。

その理由は、マグネシウムなどのミネラルを摂取する以上に、ミネラルウォーターによって犬の体内の水分量が増えるため。つまり、水分量が増えればミネラルの濃度は希釈されるため、体に悪影響が出ることはまずないと考えられている。

また、海洋深層水などに含まれるマグネシウムも通常の水より多いが、こちらも少量を与える程度であれば問題ないようだ。

 

ちなみに、ミネラルウォーターとの名称から、ミネラルを多く含んだ飲料水であると思われがちだが、ミネラルウォーターに含有する程度のミネラルでは栄養補強には程遠い。

 

これは大豆や魚と比較して、カルシウムやマグネシウムといったミネラル分はほとんど含まれておらず、人間の場合でも1日の基準摂取量を満たすには数十~数百リットル飲む必要があるとされているほど。

基本的に水であるため、大量に摂取すればするほど尿の量も増え、それに伴ってミネラル分も吸収された傍から排出されるというわけだ。

 

ただし、日本において大多数は慣れ親しんだ軟水が多いかと思われる。市販のミネラルウォーターには硬水も存在するが、人によっては苦みを感じることもあるという。

飲み慣れない硬水は胃腸の弱い犬では、お腹を壊すなどの影響が考えられる。

 

 

水道水のカルキ(塩素)は大丈夫なの?

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人によっては水道水の「カルキ(塩素)」の影響を気にする方もいるかもしれないが、こちらも特に問題はない。

むしろ塩素には殺菌作用があり、犬が水道水を飲んでも感染症にかからないのは塩素のおかげなのだ。

しかも、日本の水道水のカルキは水道法で厳しく管理されている。WHOによる基準値では5mg/lに対し、日本の場合は1mg/lとはるかに厳しい基準になっている。

 

日本の水は他の国に比べてみても水の安全性は非常に高いので、水道水でも問題なく与えることはできる。

 

ちなみにだが、水道水とミネラルウォーターでは、それぞれ安全基準が異なるのはご存知だろうか。

水道水は「水道法」と「食品衛生法」による厳しい基準があるのに対し、ミネラルウォーターは「食品衛生法」のみの基準となっている。

水道法とは、51もの項目による水道水の合格基準を定めたもの。一方の食品衛生法は39項目からなる基準に則って判定されている。

意外かもしれないが、私たちが普段口にしている水道水は、ミネラルウォーターよりも厳しい基準をクリアしているのだ。

 

さいごに

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硬水と軟水、見た目は同じだが、普段飲み慣れていない硬水は日本の料理にあまり向いていないと言われている。

ミネラル分が多く含まれている硬水は、和食の基礎とも言える「出汁」の旨み成分であるイノシン酸やグルタミン酸との相性はあまりよくないのだ。

一方の軟水は、素材の味を邪魔しないところも特徴的で、野菜が柔らかく煮えるといった効果もあると言われている。

犬に与える水は、その土地で生まれ育って体が最も馴染んでいる水。つまり、日本でいうなら軟水に近い水がベストではないだろうか。

 

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