マヨラーという呼び名が生まれるほど、日本人がこよなく愛する「マヨネーズ」。
その酸味とコクがやみつきになる食卓の万能アイテムだ。カロリーさえ気にしなければ、何にでもかけまくりたいという人も多いのではないだろうか。
とはいえ、犬の食事にマヨネーズはどうなのだろう。やはり高カロリーなため、与えるには不向きなのだろうか?
そこで、マヨネーズとは一体何で作られているのか、高カロリーと耳にするがどの程度の高さなのか、犬に与えることは可能なのか、早速調査してみよう。
マヨネーズの基礎知識
みなさんはマヨネーズが何からできているかご存知だろうか。
マヨネーズの原材料はいたってシンプル。卵、酢、油、塩コショウ、たったのこれだけ。
では4つの材料がなぜ、あんなに粘度のある調味料になるのか。その理由は「乳化」にある。乳化とは本来混ざり合わないものが混ざり合う現象のこと。
材料に使われている「酢」と「油」は、普段の状態では撹拌しても混ざり合うことはないが、双方に親和性をもつ「卵」を加えることで混ざり合う。
つまり、卵が酢と油をくっつける役割を担っているのだ。ちょっと意外かと思ってしまうが、マヨネーズはこうした乳化によってもたらされる調味料なのである。
マヨネーズとマヨネーズタイプの違い
じつは「マヨネーズ」と表示が認められるのは「卵黄型」と「全卵型」の2種類。
JAS(日本農林規格)によると、マヨネーズとは「卵黄」または「全卵」を使用し、使用しても良いものには他に、食用植物油、食酢またはかんきつ類の果汁、たん白加水分解物、食塩、砂糖類、はちみつ、香辛料、調味料(アミノ酸等)、酸味料及び香辛料抽出物となっている。
さらに食用植物油脂が重量の65%以上であるものが前提となっている。
普段何気なく使っているマヨネーズ。こうして見ると、使われている材料には細かいルールが決められているのだ。
一方のマヨネーズタイプ。
こちらは、上記のマヨネーズの定義、規格外のドレッシングになり、サラダクリーミードレッシング、その他の半固体状ドレッシングに分類されるものである。卵黄、全卵を使用していないタイプが多く、低カロリーにするため油分を基準値の65%以下に抑えるなど、原料を工夫したもの。
簡単に言えば、健康志向のニーズに対応したものがこれにあたる。
マヨネーズのカロリーと糖質
前述した通り、マヨネーズの油脂は65%以上。やはり油脂が多い分カロリーは高そうだが、実際はどうなのだろう。(※いずれも100gあたりのカロリー)
- マヨネーズ(全卵型)・・・703Kcal
- マヨネーズ(卵黄型)・・・670Kcal
こうして見るとマヨネーズはかなり高カロリーな調味料だと言える。ただ、これだけではピンとこないので、次は大さじ1杯(12g)で見てみよう。
(※いずれも大さじ1杯(12g)のカロリー)
- マヨネーズ(全卵型)・・・84Kcal
- マヨネーズ(卵黄型)・・・80Kcal
こうして見ると、たかが大さじ1杯の量でも80Kcalとかなりの高カロリー。これは、豚ロース40g(薄切り2枚)とほぼ同じ量のカロリーだ。愛犬に少しくらいなら…と思っても、与えない方が無難だろう。
マヨネーズの糖質量
高カロリーなマヨネーズであるが、糖質量も高いのだろうか。(※いずれも100gあたりの糖質量)
- マヨネーズ(全卵型)・・・4.5g
- マヨネーズ(卵黄型)・・・1.7g
材料になっている卵の糖質量は黄身よりも白身の方が圧倒的に多い。したがって、マヨネーズの場合も全卵型の方が糖質量が多くなる。
材料のほとんどが油なので、糖質量だけで見ると少ないが、それでも犬にとっては高め。カロリーもそうだが、糖質で考えてみても犬にマヨネーズは不向きであると言える。
結論:犬にマヨネーズは与えないのが無難
マヨネーズは、原材料に占める食用植物油の割合が65%以上のものという規定があり、カロリーが高い原因もそこに由来する。
カロリーオフのマヨネーズといっても、カロリーを抑えるために植物油の割合が低いだけでカロリーはゼロではない。ゆえに商品名にマヨネーズとは表記できないため、クリーミードレッシングと表記されているものがほとんどだ。
糖質量はいずれも少ないが、それでもかなりの高カロリー。使われている油脂の量がいかに多いか考えると、やはり犬にマヨネーズは与えない方がよいだろう。
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