【専門家監修】犬に鶏胸肉やもも肉は大丈夫?茹で方や効能の違い・ダメな部位も紹介

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一度でもその味を知ってしまったら「鶏肉~」と喋っただけで敏感に反応してしまうほど、犬にとっては大好物な食材「鶏肉」。

豚肉や牛肉と比べてコスパが良く扱いやすいため、必需品となっている家庭も少なくないだろう。

そのうえ、ほかの肉類に比べても、低カロリーで高タンパクな鶏肉は愛犬の食事でも大活躍してくれる。

とはいえ、意外と知らない人も多い鶏肉の栄養と効能。今回は、犬の大好物である鶏肉について紹介していく。

 

【専門家監修】大谷幸代

専門家 監修
【動物関係の保有資格】専門学校講師、愛玩動物飼養管理士・トリマー・アロマセラピスト・ホリスティックケアカウンセラー・ペット食育士・ペット災害危機管理士・マウスケアメンター等

 

犬に鶏胸肉やもも肉を与えても大丈夫? 

鶏肉

鶏肉の栄養素の中でも、特に注目したいのがタンパク質である。タンパク質は犬の身体をつくるうえで1番多く必要な栄養素と言われており、なんと人間の4倍以上を必要とするという。

タンパク質は、体内バランス、皮膚、毛なみ、免疫組織など、犬の健康を維持するうえで重要な成分。

不足すれば体の全てに影響が出て、病気を防ぐ免疫抗体も減り病気を引き起こしやすくなると言われている。鶏肉でぜひしっかりとタンパク質を摂取しておきたい。

他にも、毛並みや毛艶の向上に効果のあるコラーゲンもたっぷりと含まれている。

意外にも鶏肉は、犬の身体を健康な状態へと導いてくれる優良食材だったのだ!

 

犬に鶏胸肉やもも肉の茹で方や効能の違い・ダメな部位も紹介

鶏肉

タンパク質

タンパク質は犬の身体をつくるうえで1番多く必要な栄養素である。

動物の身体のおよそ20%がタンパク質などのアミノ酸からできており、体内バランス、皮膚、毛なみ、免疫組織など、犬の健康を維持するうえで大切な成分なのだ。

 

そのうえ、動物性タンパク質は植物性タンパク質に比べ効率よく吸収されるのが特徴。手作り食に限らず、ドックフードのトッピングなどにも活用して摂取したい!

 

また、ドックフードをメインで与えている方でも、一度パッケージを確認してみるのもよい。

さも「タンパク質が豊富です♪」と言わんばかりの商品でも、植物性タンパク質の商品や動物性タンパク質が20~30%しか含まれていない商品もあるようだ。

選ぶ時は全体の食事量も踏まえて「動物性タンパク質が多くなる」よう意識して購入しよう!

 

ナイアシン

鶏の胸肉の部位に豊富に含む。ナイアシンはビタミンB3とも呼ばれ、基本的には肉や魚に多く含まれている成分。
 
糖質、脂質、タンパク質の代謝に欠かせない。循環系、消化器系、神経系などの働きをサポートしてくれる。
 
 
 
 
コラーゲン
 
肌に潤いを与えるとして知られている成分だが、コラーゲンはそれだけではない。
 
コラーゲンは軟骨組織の主要な構成成分でもあり、健康で柔軟な関節を維持するには必要不可欠な栄養素なのだ。
 
嬉しいことに鶏肉にはコラーゲンがたっぷり含まれており、特に手羽先部分には多く含まれる。
 
関節炎が気になる愛犬には意識して摂取したい。

犬に鶏胸肉やもも肉の茹で方や効能の違い・ダメな部位も紹介

もも肉

鶏もも肉

どんな料理でもジューシーに仕上がる鶏もも肉。鶏脚の「もも」部分なだけに筋肉質ではあるが旨味が強い。柔らかい食感をキープするためにも、あらかじめ筋切りしておくとよい。

もも肉には、細胞の老化を防いで動脈硬化を予防する「セレン」と呼ばれるミネラルが含まれているのが特徴。

 

胸肉

鶏ムネ肉鶏の胸部分の肉。もも肉に比べあっさりした味わいは、脂肪が少なめでタンパク質が多く、柔らかい肉質が特徴。

また、胸肉についている「皮の部分」を捨てる方も多いだろうが、関節の動きをスムーズにしてくれる、グルコサミンやコンドロイチンが含まれている。

ただ、油脂の多い皮は高脂肪なので与え過ぎには注意を。オーブンでカリカリになるまで焼くと、余分な油も少しはカットできるので、与える場合は試してみてほしい。

 

ささみ

鶏ささみ

牛や豚でいうヒレの部分。ささみは、鶏肉の部位の中でも最もタンパク質が多く、おまけに低カロリーな部位。

肉質も柔らかく、手作り食やトッピング、おやつなど、いろいろなアレジレシピが楽しめる。

ささみは、そのまま茹でると縮んでしまうため、白い筋を取り除いてから茹でるのが一般的だが、白い筋はコラーゲン。

せっかくの栄養を余すところなく摂取するなら、筋取りしないまま茹でるのがおススメだ!

 

手羽先

手羽先鶏の翼の部分。鶏肉の中では脂肪分が多い部位とされるが、関節維持をサポートするコラーゲンが豊富に含まれている。

とはいえ、脂肪分が多いため与え過ぎには注意しなくてはいけない。

また、骨が細くて小さい部分もあるので、犬が丸飲みしないサイズにハサミでカットするか、骨を取り除いてから与えるようにしよう。

特に、消化器官の小さい犬ほど細心の注意が必要だ。

 

まずはおさえておきたい!鶏肉を扱う注意点

鶏肉を茹でる

鶏は「カンピロバクター」という菌を保菌しているのはご存知だろうか?

犬は感染しても感染症状を発症しない不顕性感染が多いとされているが、ストレスや免疫力が低下している時に発症することがあると言われている。

 

牛や豚と比べ鶏肉は、カンピロバクター菌に高率で汚染されていると言われており、この菌が腹痛や下痢を起こす原因となってしまう。

カンピロバクターは、加熱調理によって死滅するので、完全に火が通った肉を与えるようにしよう。

そのほか、「別の食材に触れないようにする」、「生肉に触れた後の手洗い」なども重要だ。二次感染を防ぐためにも、犬の拾い食いやゴミ箱あさりなどにも警戒したい。

ちなみに、ぬめりを取るため鶏肉を洗う人がいるが、キッチンで洗うと菌が飛び散る可能性があるため、ペーパーで拭き取るのがよいとされる。

カンピロバクター症は「生の鶏肉からの一滴のしずくでも発症する」と言われ、近年では食中毒件数が増加傾向にある。

犬だけではなく飼い主さんも注意しよう。

 

犬に鶏胸肉やもも肉の与え方まとめ

鶏肉焼く鶏肉は部位によって噛みごたえや食感が異なる。

もっともポピュラーなもも肉、胸肉、ささみなど、含まれる栄養も部位により特徴があるので、摂取したい栄養で選んで与えるのも一つの方法だ。

コスパに優れ、食卓でも使う頻度の多い鶏肉。優れた動物性タンパク質を手軽に摂るには、まさにうってつけの食材といえるだろう。

食中毒にならないためにも、人も犬も十分に火を通した状態で美味しくいただこう!

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