【専門家監修】犬の好物ってどんなもの?逆に嫌いな食べ物って?

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犬にはペットフードを食べさせていれば大丈夫!と思っていても最近ではSNSなどでも『犬の健康を考えて手作りのごはんを作ってあげた』とか『好物のおやつは手作りで!』なんて書き込みもよく目にするようになりました。

一方で人間のごはんを食べている犬がいたり、人間以上にスーパーフードを食べてや高級なミネラルウォーターを飲んでセレブのような生活をしている犬がいたり・・・

せっかく愛犬の健康の為にごはんやおやつを作ってみようかな~なんて思ってもいろいろな書き込みを見ているうちに何を食べさせたらいいのか分からなくなってきてしまいますよね。

そもそも犬の好物ってどんなもの?

犬は自分で食べ物やごはんの量を調節したり体の調子を言葉で伝えることはできないので、犬の健康管理は飼い主さんにかかってきます。

好物だからといってそればかりを食べさせていると栄養が偏ったり病気につながることもあります。

食事や運動は犬の健康にダイレクトに関わってくるので、犬に食べさせていい物・いけない物をきちんと把握したうえで愛犬の好物をうまく利用して、バランスのよい食事を心掛けましょう。

【専門家監修】添野暁子

専門家 監修
【動物関係の保有資格】2歳から犬と育ち、現在は4代目の愛犬と暮らすWebライター。愛玩動物飼養管理士1級の資格を持ち、犬について日々研究している。

 

犬の好物ってどんなもの?適量ってどれくらい?

愛犬の好物を聞かれていくつくらい思い浮かびますか?

飼い主さんが食事をするたびに『くれくれアピール』をしてくる犬もいるかと思います。

好物もなにも鼻の前に差し出すとなんでも食べるから犬には好物なんてないと思っている方も少なくありませんが、犬には人間と同じようにちゃんと好き嫌いがあります。

では犬の好物ってなんでしょう。

 

犬はなんでも食べちゃう雑食系なの?

わんちゃんが口に骨をくわえていたり、お肉を食べているシーンって昔からよく見かけますよね。

そのため犬は肉食だと思ってしまいがちですが、実は犬は雑食なんです。

犬の祖先でもある狼でさえ、肉食ではなく雑食と言われているんですよ。

雑食と聞くと何でも食べてしまうと思いがちですが、正確には『動物のお肉だけでなく植物も食べること』で、肉や植物以外に魚やキノコ類、お米などの穀物も含まれます。

穀物や植物を消化するためには長い腸が必要となってきますが、犬の腸は草食動物と比べると短いものの、狼と比べると5倍以上も長いのです。

その為肉ばかりを与えるのではなく植物もバランス良く食べてることで必要な栄養を摂取して、きちんと腸内フローラを整えることで健康が維持できます。

 

犬が好む食べ物ってどんなもの?

人間にも好き嫌いなどあるように犬にも好みがあります。

しかし、一般的によく言われる犬の好物にはこんなものがあります。

  • 鶏肉 (特にささみ)
  • 鹿、馬、牛、羊、鴨の肉
  • チーズ
  • サツマイモ
  • バナナ
  • キャベツ (特に芯の部分)
  • ヨーグルト
  • 納豆

肉類は犬が大喜びで食べているシーンを見かけることもよくありますよね。

特に鶏のささみの部分はほとんどの犬が大興奮するほど大好きで犬の好物ナンバー1と言ってもいいほど人気です。

簡単に手作りできる鶏のささみジャーキーは高たんぱくで『ささみ』と聞いただけで涎を垂らして喜ぶ犬もいるほどです。

ペットショップやスーパーで犬のおやつコーナーを覗いてみると、いろいろなお肉のジャーキーや骨、チーズやさつまいもなど飼い主さんまでおもわず『おいしそう!』と思ってしまうようなおやつがたくさん並んでいます。

バナナ・サツマイモ

バナナに関しては犬の腸を正常に整えてくれる働きがあるので、愛犬のうんちがいつもよりも固かったり便秘ぎみの時に食べさせてあげるのがおすすめ。

逆に食べ過ぎると緩くなってしまうので、だいたい一口サイズ(20gくらい)を目安にあげましょう。

サツマイモも好まれますがサツマイモってそのまま食べても甘いですよね。

甘いという事はそれだけ糖質も多いということで糖質のとり過ぎは肥満の原因にもなるので与えすぎには気を付けましょう。

ヨーグルト

犬を飼い始めたばかりの方が意外と思う好物が、ヨーグルトと納豆。

ヨーグルトを作る過程で犬が下痢をしてしまう要因でもある乳糖の一部を分解しているため、牛乳などでくだってしまう犬にもおすすめ。

犬が中毒を引き起こす要因になる成分も含まれていないので、安心して食べさせてあげられますよ。

ヨーグルトは少量であれば毎日食べても大丈夫ですが、無糖で味付けされていないプレーンタイプのものを選んであげましょう。

納豆

納豆は人間でも好き嫌いが分かれる食材ですよね。

犬は嗅覚がいいのになんであんな臭い匂いが大丈夫なんだろう・・・なんて疑問を感じてしまいますが、納豆好きの犬にとってはあの独特な香りも『おいしい匂い』になってしまうんですn

納豆を食べることで皮膚や筋肉を正常に保ってくれるたんぱく質が摂取でき、ナットウキナーゼと呼ばれる成分により脳梗塞や心筋梗塞などの予防も期待できると考えられています。

ただし犬の中には納豆は好きだけどあのネバネバが嫌い!という子もいるので、その場合にはフリーズドライの納豆を与えてみましょう。

 

犬が嫌いな食べ物 & 好物でも与えてはいけない物

犬の好物について触れてきましたが、なんでもおいしそうに食べるイメージのある犬ですが、逆に嫌いな食べ物ってあるのでしょうか。

また、いろいろ与えてみて愛犬の好物がわかったところで愛犬が欲しがるままに食べさせてもいいものかどうか。

ここでは犬が嫌いな食べ物と、好物であったとしても食べさせてはいけない食べ物についてお伝えしていきます。

好物・苦手な食べ物を知ったうえで、トータルでバランスよく栄養がとれるよう調整するのが飼い主さんの役割です。

 

犬が嫌いな食べ物

犬の好物はすぐに思い浮かぶけど、嫌いな食べ物ってなんでしょう。

嫌いなものの代表格は『酸っぱい食べ物』です。

グレープフルーツやレモン、梅やお酢など人間でも思わずえくぼができてしまうような食べ物は犬たちは全く魅力を感じません。

同じ柑橘系でもみかん程度になると好んで食べる犬もいますが、みかんは犬が食べても問題ありません。

適度に水分もとれるので少量であれば食べさせて大丈夫ですがオレンジ色の皮の部分や茎や葉には犬の体によくない中毒性物質が含まれている場合もあるので、必ず内側の身の部分だけを食べさせましょう。

犬は嗅覚が鋭いので、香辛料も嫌がります。

特に唐辛子など香辛料の刺激臭は大嫌いなので、犬のいたずら防止スプレーには犬の苦手意識を利用して唐辛子成分などが使われているんですよ。

ソラ豆も人間はそれほど気になりませんが犬にとってはこの匂いを堪らなく嫌がるケースが多いです。

『苦手な物』という訳ではありませんが、よく愛犬の健康の為にお水の代わりにミネラルウォーターを与えている方がいますが、犬には普通のお水を与えましょう。

ミネラルウォーターはその名の通りミネラルがたくさん含まれていて、多すぎるミネラルは膀胱や尿道、腎臓に結石を作ってしまいます。

 

食べさせたらいけない物・食べさせる時の注意点

前半では犬の好物についてお伝えしてきました。

好物に関してはほとんどの犬が涎を垂らしてしまうほど欲しがることが多いですが、いくら犬が喜ぶからと言ってそればっかり与えていては栄養バランスが崩れてしまいます。

人間用に味付けのしてある食べ物は犬にとっては少量であってもカロリーが高すぎることが多く、これらを食べさせることでいろいろな病気にかかるリスクを高めてしまいます。

特にハムやソーセージなど加工してある肉類は塩分や脂肪分が多く保存料も入っているため、おねだりされてもこころを鬼にして与えないように心掛けましょう。

 

また、飼い主さんに必ず知っておいてほしいポイントとして

『犬が嫌いな食べ物 = 食べてはいけない物 ではない』ということです。

例えば犬に絶対に食べさせてはいけない食べ物としてネギやチョコレートがありますが、これらを犬が自ら避けるかというとそんなことは全くなく、与えるとペロリとおいしそうに食べてしまいます。

だからこそ正しい知識と日ごろからの注意が必要となってくるのです。

玉ねぎや長ネギ、ニラやらっきょうなどネギ類には血液中の赤血球を壊してしまう成分が含まれていて、犬が摂取することで貧血を起こしたり、最悪の場合は死に至ることもあります。

見てない隙に愛犬がねぎを食べてしまって容態が悪化し動物病院に駆け込んで緊急入院するケースも少なくないんですよ。

 

愛犬の好物を知ったうえで適量を食べさせよう

犬の好物と嫌いな食べ物について触れてきましたが、好物だからといって愛犬の健康上好ましくないものもあることが分かって頂けたかと思います。

バナナやヨーグルト、納豆などは健康を維持するためにも積極的に取り入れていきたい食材ですが、どんなにいい成分が含まれていても集中的にたくさん与えるのは逆に危険です。

人間だって『お肉が好物です!』といってお肉ばっかり食べていては他の栄養がとれず大腸がんを筆頭にいろいろな病気のリスクが高まってしまいますよね。

犬も人間もいろいろなものをバランスよく摂取することこそが肝心で、食べることは『衣・食・住』であらわさせるほど生きていくうえで大切な三本柱のうちのひとつでもあります。

愛犬の好物を把握したうえで、適量をバランスよく食べさせてあげましょう。

飼い主さんの食事も愛犬の食事と合わせて今一度見つめなおして、共に健康的に過ごせるよう心掛けたいものですね。

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