野菜の中でも身近なレタスは、夏頃が旬となり、シャキシャキとした食感がたまらない食材だ。
もともとはキク科の植物であり、地中海沿岸から西アジアに分布していた野菜種を改良したのが始まり。紀元前の古代エジプトではすでに栽培され、媚薬効果があるとして食用されていたというのだから驚きだ。
和名は「ちしゃ」。奈良時代に中国から伝来したが、本格的な栽培が始まったのは明治時代以降。現在のようなサラダの主役として定着したのは第二次世界大戦以降になる。
そんな歴史があるレタス。一見、水分が多くて栄養がないようなイメージだが、実は低カロリーで様々な栄養を含んでいる。
今回は、レタスの栄養と犬の相性について紹介しよう。
レタスは犬が食べても問題ない
レタスの成分は95%が水分と言われている淡色野菜。水分ばかりと思うかもしれないが、βカロテン、ビタミンC、E、カリウム、カルシウム、食物繊維など、犬の食事で不足しがちな栄養素が幅広く含まれている。
βカロテンはビタミンAに変換することも可能。他にビタミンCやEも含まれるので、レタスには抗酸化作用を含む3つのビタミン、ビタミンACE(エース)が全て揃った万能野菜なのだ。
ビタミンACEは免疫力UPに効果があるので、フードのトッピングや手作りメニューなどにも活用したい食材だ。
一方、犬にとって害のある成分は含まれていないので、犬はレタスを食べても問題ない。とはいえ、水分量も多く、利尿作用のあるカリウムも含まれているので、与えすぎは下痢や頻尿になってしまうこともあるようだ。
しかし、最近では低カリウムレタスが開発されて販売されている。値段は露地物の3~4倍と少し値が張るが、カリウム摂取が気になる犬には低カリウムレタスを与えてみるのも一つの方法だ。
犬にとってレタスの栄養と効能は?
βカロテン
βカロテンには抗酸化作用があり、ガンの予防や老化予防に効果的と言われている。しかも、βカロテンは必要な量だけ体内でビタミンAに変換するという優れもの。ビタミンAは、視力を維持するには欠かすことのできない栄養素の一つ。
ちなみに、日本で多く出回っているのは「玉レタス」。同じレタスでも「サラダ菜」の方がβカロテン多く含まれており、サニーレタスに至っては、なんと玉レタスの10倍以上を含むようだ!
ビタミンC
食物繊維
便秘を予防する働きはもちろん、コレステロールの吸収を抑制する作用にも期待ができる。
カリウム
カリウムは、体に含まれている余計な塩分(ナトリウム)を排出する効果があることから、利尿作用や血圧を下げる働きに期待ができる。
カルシウム
骨や歯を作るのに必要な栄養素。
それなりのドックフードを与えていれば、カルシウムを不足することはないだろうが、手作り食がメインの場合は、どうしてもカルシウムが不足しがちになってしまう。
しかも、犬の年齢に応じて必要量も変化するのだから、ドックフードにはトッピングで少量、手作り食がメインであればレタスを上手に活用するなど、与え方で使い分けてもいい。
レタスの上手な与え方と鮮度をキープする裏技
レタスの鮮度をキープする裏技
レタスは水分が多いので傷みやすい。余ったレタスを冷蔵庫に入れておいたら、翌日には切り口が赤くなっていることもあるだろう。そのため、買ってきたら速攻食べなくてはと思ってしまう。
ところが、『つまようじ』を使い、レタスのフレッシュ感を1~2週間キープできる裏技があるのだ!
その方法はいたってシンプル。
- レタスの芯につまようじを3~4本刺す。(※間隔をあけ、刺さるところまで入ればOK!)
- キッチンペーパーでくるみポリ袋に入れる。(※ポリ袋の口はしっかり閉じるのがコツだ!)
- 冷蔵庫へ入れる。
この方法なら、常にシャキシャキした状態をキープすることが可能。せっかく愛犬に与えるのだから、よれよれになったレタスではなく、シャキシャキ食感を保ったレタスを与えよう!
犬の負担にならないよう注意
いかに低カロリーな野菜とはいえ、与え過ぎないよう気をつけてほしい。
レタスは他の野菜に比べて食物繊維は多くはないが、犬は野菜の消化が苦手である。
せっかくの栄養を効果的に摂取するためにも、消化不良にならないよう与える量を調節したり、消化しやすく小さくちぎって与えるなど手を抜かずに行いたい。
さいごに
レタスは、生でも加熱して与えてもOK。そのうえ、愛犬の免疫力UPに効果があるビタミンACE(エース)が全て揃った優れもの。
おやつやトッピングはもちろん、手作りメニューなどにも幅広く使えるレタスは、愛犬の食事にもかなり活躍してくれるはずだ。
同じレタスでも調理の仕方によっては得られる栄養も異なるので、加熱した食べ方もぜひ試してみてほしい。
レタスの上手な与え方と鮮度をキープする裏技をしっかりマスターして、愛犬と共にうまいレタスを味わおう!