水菜は別名「京菜」とも呼ばれ、日本(京都)原産の野菜と考えられている日本生まれの冬野菜だ。
寒さに強い冬野菜の一つでもある水菜は、旬の野菜が少ない冬の時期を乗り越える為には欠かせない野菜でもある。
しかし水菜の魅力はそれだけではない。一見、頼りなさそうに見えるが、実はカリウムやビタミンCなど身体にとっても嬉しい成分がたくさん含まれているのだ。
今回はそんな水菜と犬の相性、栄養や効能などについて紹介していく。
犬にとっても水菜は優秀食材のひとつ
カボチャ、ニンジンなど、βカロテンを豊富に含む野菜を総称して「緑黄色野菜」と呼ぶのだが、実は水菜も緑黄色野菜の一つ。見た目は細くて繊細だが、抗酸化作用のあるβカロテンやビタミンCが豊富に含まれている。
そのうえ、高血圧を予防するカリウムや、貧血予防に効果的な鉄分などのミネラルもたっぷりと含んでいる。
昔から冬場の貴重な栄養源であった水菜。犬にとっても嬉しい栄養がたくさん詰まっている優秀食材だったのだ。
一方、水菜のようなアブラナ科の野菜には「ゴイトロゲン」という成分が含まれていることは知っておこう。
ゴイトロゲンは、甲状腺ホルモンをつくるのに必要な「ヨウ素」の吸収を妨げると言われている。
健康な犬であれば特に神経質になる必要もないが、もともと甲状腺に疾患のある犬は念のために注意が必要だ。
水菜に含まれる犬に役立つ栄養と効能とは?
βカロテン
βカロテンには抗酸化作用があり、ガンの予防や老化予防に効果的と言われている。しかも、βカロテンは必要な量だけ体内でビタミンAに変換するという優れもの。ビタミンAは、視力を維持するには欠かすことのできない栄養素の一つ。
カリウム
カリウムは、体に含まれている余計な塩分(ナトリウム)を排出する効果があることから、利尿作用や血圧を下げる働きに期待ができる。
鉄分
骨や歯を作るのに必要な栄養素。それなりのドックフードを与えていれば、カルシウムを不足することはないだろうが、手作り食がメインの場合は、どうしてもカルシウムが不足しがちになってしまう。
しかも、犬の年齢に応じて必要量も変化するのだから、手作り派の方は意識して摂取したい成分。
犬に与える前に知っておきたい3つのポイント
甲状腺に疾患のある犬は念のため注意
甲状腺は、甲状腺ホルモンという代謝を促すのに大切な物質を作って血液中に流してくれる重要な器官。
水菜のようなアブラナ科の野菜には「ゴイトロゲン」という成分が含まれており、甲状腺ホルモンをつくるのに必要な「ヨウ素」の吸収を妨げると言われている。
健康な犬であれば特に神経質になる必要もないが、もともと甲状腺に疾患のある犬は念のために注意する必要があるだろう。
さいごに
水菜はその名の由来通り、水を好む性質があるため家庭でも簡単に栽培できるという。
「水耕栽培」という、土を使わずに水などの液体を使って栽培する方法を活用するのだが、土づくりの手間も省けるうえ、室内での栽培に最適。また虫がつきにくいというのも大きなメリットだ。
家庭で水菜を水耕栽培するには、専用キットも販売されているため、愛犬の食事に何か追加してあげたいときなど、サッと摘み取れるように育ててみるのもいいだろう。
傷むのが早い野菜だが、少しの工夫で保存すれば長持ちする水菜。βカロテンやビタミンCなどの栄養も豊富なので、旬野菜が少ない冬の時期には、是非とも愛犬と共に食べておきたい野菜なのだ!