【獣医師監修】犬はエリンギを食べても大丈夫?その栄養と効能

エリンギ
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エリンギ

コリコリとした食感が美味しい「エリンギ」。

エリンギは、もともと日本には自生していなかったキノコなので、海外から菌を持ち込み、日本で品種改良されたものを使っている。つまり、通常出回っているのは天然物ではなく栽培物であるのだ。

日本では1990年代から育てられ始めたという比較的新顔のエリンギ。噛んだ時のコリコリとした食感があわびに似ていることから、「アワビタケ」と呼ばれることもある。

日本の食卓に登場してから20数年、その独特の食感が人気となり、今やスーパーでは定番のキノコとしても並んでいるほどだ。

 

そんなエリンギ、犬も基本的には食べれると聞くのだが、一体どのような栄養が含まれているのだろうか?

今回はエリンギにスポットをあて栄養と効能、与え方のポイントなどを紹介していく。

【獣医師監修】班目美紀

専門家 監修
麻布大学獣医学部獣医学科卒。現在は動物病院で小動物臨床獣医師として勤務。

 

エリンギは犬にとっても栄養満点な食材なのだ!

エリンギ

意外にもエリンギに含まれる主な栄養素は、他のキノコ類と比べてみても上位に入る優等生だ。

 

エリンギに含まれる主な栄養素は次の通り。

ちなみに、エリンギ、えのき茸、ぶなしめじ、椎茸、舞茸、なめこ、マッシュルームという身近なキノコ7種類のランキングでも示してみた。

カリウム340mg3位
アスパラギン酸180mg2位
ビタミンB20.22mg3位
ナイアシン6.1mg3位
ビタミンB60.14mg2位
ビタミンD1.2 µg2位
食物繊維3.4g5位

(※生エリンギ100gあたりの主な栄養素)

ちなみに、エリンギ100gあたりのカロリーは19kcal、糖質は2.6gというヘルシーぶり。

エリンギは低カロリーながらも低糖質、おまけに多彩なビタミン、アミノ酸を含んだ優秀食材なのだ!

 

エリンギに含まれる犬に役立つ栄養と効能

エリンギ

カリウム

カリウムは、体に含まれている余計な塩分(ナトリウム)を排出する効果があることから、利尿作用血圧を下げる働きに期待ができる。

 

アスパラギン酸

アスパラギン酸はアミノ酸の一種。体内のタンパク質の合成をサポートする働きや、代謝を活発にし疲労回復を助ける効果が期待できる。

 

ビタミンB2 (リボフラビン)

糖質、脂質、タンパク質を分解する酵素のサポート役として働く。

別名「発育のビタミン」とも言われ、発育促進に重要な役割を果たしてくれる。ほかにも、皮膚、被毛、爪などの細胞を作るためにも必要と言われている。

 

ナイアシン

ナイアシンはビタミンB3とも呼ばれ、基本的には肉や魚に多く含まれている成分。
 
糖質、脂質、タンパク質の代謝に欠かせない。循環系、消化器系、神経系などの働きをサポートしてくれる。
 
 
 

ビタミンB6

「ピリドキシン」とも呼ばれる水溶性ビタミンの一つ。

ビタミンB6はタンパク質をアミノ酸に作り変える働きがあり、効率よく体内へ取り込むには欠かすことのできないビタミンと言われている。

また、ビタミンB6を活性化するには、ビタミンB2の摂取も必要になってくる。エリンギのようにビタミンB2も持ち合わせた食材は、まさに効率のいい食材と言えるだろう。

 

ビタミンD

食べ物以外にも日光を浴びることにより、体内でもある程度は作ることが可能なビタミン。しかし、犬は被毛があるため人間に比べて作られる量は少ないという。

ビタミンDは、骨や歯の健康には欠かせない、カルシウムやリンの吸収をサポートし、血中カルシウムの濃度をコントロールする働きがあると考えられている。

犬は人間よりも必要量が多いと言われているので、不足しないよう摂取したい。

 

食物繊維
 

エリンギに含まれる食物繊維の割合は、100gあたり不溶性3.2g、水溶性0.2gと不溶性食物繊維を圧倒的に含む。便質の改善や便通を促す働きに期待ができる。