【獣医師監修】犬はみかんを食べても大丈夫!犬の免疫力UPにはもってこいの果物!

犬 みかん 免疫力アップ
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コタツでみかんを食べる…そんな日本の冬の定番果物ともいえる「みかん」。

冬の風物詩であるみかんの原産地はインドのアッサム地方。日本のみかんの代表的品種である温州(うんしゅう)みかんの始まりは、およそ400年前に中国から日本へと伝来された柑橘類の突然変異で出来たのが始まりだといわれている。

 

コタツに入りながら、1つ、また1つと手が伸びてしまうみかん。皮をむきはじめると愛犬も嬉しそうに寄ってくるので、ついついあげたくなってしまう方も多いのではないだろうか。

 

犬は「みかん」を食べれると聞くが、その甘さゆえにカロリーと糖質量はどのくらいあるのだろうか?

今回は日本を代表する「温州みかん」にスポットをあて、栄養と効能、犬に与える適量などを紹介していく。

【獣医師監修】班目美紀

専門家 監修
麻布大学獣医学部獣医学科卒。現在は動物病院で小動物臨床獣医師として勤務。

 

犬はみかんを食べても大丈夫!免疫アップに効果大!

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まず注目したいのが、みかんに豊富に含まれている「β-クリプトキサンチン」「βカロテン」といった成分。

これらには強い抗酸化作用があり、活性酸素による細胞の酸化を弱めたり除去する働きがあることから、ガンの予防老化予防に効果的と言われている。

そのうえ、みかんには免疫力を高めてくれるビタミンCもたっぷり含まれているので、寒い冬場の健康維持にはもってこい果物なのである。

 

一方、犬にとって危険な成分は含まれていないので、基本的に与えても何の問題もない。

とはいえ、気になるのはカロリーと糖質だ。その甘さ故に、みかんにはどの位の量が含まれているのだろうか?次はみかんのカロリーと糖質をチェックしてみよう。

 

みかんのカロリーと糖質量

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普通のみかんは12月頃から収穫されるが、10~12月の早い時期に収穫されるのが早生(わせ)みかん。薄皮の厚みが薄く果汁が多いのが特徴。

では、普通のみかんと早生みかん、果実平均、缶詰など、どの程度カロリーと糖質量に違いがあるのか、まずは見ていこう。

 普通早生果実平均缶詰
カロリー45kcal43kcal61kcal64kcal
糖質9.8g9.5g13.5g14.8g

(※100g当たりの数値)

 

普通のみかん、早生みかん、果実平均、缶詰とで比較してみた。

普通みかんより早生みかんの方が、若干カロリーと糖質は低いが、それほどの変わりはない。一方、果実平均と比較してみると、みかんのカロリーと糖質は低いのが分かる。

 

みかん1個を重さで考えた場合、Sサイズのみかんだと、皮を剥いた重さは約50g。上の表はSサイズのみかん2個分を食べた時のカロリーと糖質量だと考えてもいいだろう。

 

ちなみに缶詰には、それらをはるかに越えたカロリーと糖質量が含まれている。もともと砂糖や人工甘味料を含んだシロップ漬けにされているため、手軽さゆえに迷うかもしれないが犬には缶詰を与えないほうが無難である。

 

みかんに実には体を冷やす効果がある!?

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みかんの87%は水分でできているため、与える量にも気を配る必要がある。

いくらカロリーや糖質が低いからといって与え過ぎてしまうと、みかんに実には体を冷やす効果もあるため下痢にもなりやすい。せっかく与えても下痢や体調が悪くなっては元も子もないので、食べさせ過ぎないよう注意する必要がある。

 

また、みかんの甘味は犬の嗜好にあっているので、いくらでも欲しがる犬はいるだろう。与える量は犬種にもよるが、人間でいう1口サイズ(約15g)が1日の適量だと言われている。

 

それと、みかんの薄皮や白い筋には食物繊維が豊富に含まれている。人間にとっては取り除かないで食べたほうが良いのかもしれないが、犬にとっては消化が苦手なので丁寧に剥いてから与えよう。愛犬には、ジューシーな果肉部分のみを与えるのがベストだ!

 

みかんに含まれる栄養と効能を見てみよう

犬 みかん 免疫力アップビタミンC
 
犬は体内でビタミンCを合成できるが、だからといって摂取しなくてもいいわけではない。年齢と共にその能力は低下するので長期的に摂取したい栄養素の一つ。
 
ビタミンCの主な効果は、抗酸化作用、免疫力の向上、コラーゲンの生成を促す、などの働きに大活躍してくれる。
 
 
 

βカロテン

βカロテンには抗酸化作用があり、ガンの予防老化予防に効果的と言われている。しかも、βカロテンは必要な量だけ体内でビタミンAに変換するという優れもの。ビタミンAは、視力を維持するには欠かすことのできない栄養素の一つ。

 

クエン酸

柑橘類に多く含まれる「酸っぱさの元」が、クエン酸と呼ばれる成分である。

クエン酸には、疲労の原因である乳酸の増加を抑制、分解する作用があるため疲労回復に期待ができる。他にも、吸収されにくい成分を吸収されやすい形に変えて吸収したり、体内の有害物質を排出しやすい形に変えて排出する「キレート効果」にも注目されている。

 

β-クリプトキサンチン

柑橘類では温州みかんに圧倒的に多く含まれている成分。β-クリプトキサンチンは発ガン物質や活性酸素などの有害物質から体を守ってくれるバリアの役目を果たす。

肝機能の改善、糖尿病の予防、ガンの抑制効果などが報告されている。

 

 

さいごに

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「愛媛では蛇口からみかんジュースが出る」という都市伝説があるが、松山空港では「みかん蛇口」(有料)という都市伝説の話を実現したかのような取り組みが、期間限定ではなく常設されているのだから面白い。

しかも、みかんの生産量NO.1を誇る和歌山県でも、JR和歌山駅に直結するお土産物屋さんにおいて、みかんジュースの他にも「桃ジュース」(有料)も蛇口から出てくるというのだから驚きだ!

みかんは犬にとっても健康維持に優れた果物。冬に不足しがちなビタミンCも手軽に摂ることができ、そのまま皮ごと持ち運べるので、愛犬とお出かけする時のおやつにも便利だ。

この冬はみかんを上手に活用して、愛犬と共に味わい尽くそうではないか。

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