みなさんは愛犬にどのようなご飯を与えていますか?
多くの方はドッグフード(犬用に作られた総合栄養食)を食べさせているかと思います。
中には、手作りごはんという方もいますよね。
それでは、生食という選択肢があることをご存知でしょうか?
生食(英:Raw Food )とは、文字通り、犬に加熱していない生の食材(肉・魚・野菜など)を与えることを指します。
近年では、犬には生食が適してるという考え方もにわかに浸透しつつあり、愛犬の健康を考えて生食に切り替える飼い主さんも多いようです。
しかし、ドッグフードを食べさせてきた方にとっては、「犬に生食!?危険じゃないの!?」と驚かれるかと思います。
ましてや、犬に生食で内臓や骨を与えるなんて想像つきませんよね。
当記事では、生食のメリット・デメリットから、生食としてあげる量やあげていい食材など、犬の生食に関して解説していきたいと思います。
Contents
犬にとって生食は危険?
出典元:https://www.houndcom.com/
生食のデメリット
細菌や寄生虫による感染症
市販されているお肉や魚に細菌や寄生虫がいた場合、感染症になる可能性があります。
また何らかの感染症を発症した犬から、飼い主へと二次感染する場合も。
まな板などの調理器具の衛生管理も徹底する必要があります。
食費が高くなる
たまになら良いのですが、毎日毎度の食事を生食にすることで食材費がかさみます。
特に大型犬となると、小型犬よりもエネルギーを必要とするため、よりコストがかかるでしょう。
栄養バランスを取ることが難しい
ドッグフードは、それだけで栄養バランスが取れるように作られた総合栄養食です。
それに対して、生食での食事は栄養のバランスを考えて食べさせる必要があります。
犬は雑食です。
お肉のみ、もしくは野菜のみといった単品での食事では栄養バランスが十分とは言えません。
そのため、生食させる際には、栄養バランスから必要な摂取カロリーに至るまで全てを考えて食べさせる必要があります。
動物の栄養学の知識がない場合、生食は、愛犬の健康面でのリスクとなる場合もあるでしょう。
生食のメリット
犬の体の構造に適している(生肉)
犬の祖先であるオオカミの体構造を引き継いでいるため、犬の歯や消化器官の構造上、生肉が適し ていると言えます。
栄養素を新鮮なまま摂ることができる
ドッグフードは加熱処理されたものに対して、生食は熱を入れていないので、栄養素(酵素)が熱により破壊されることなく効率的に取り入れることができます。
生肉であればたんぱく質、野菜や果物であればビタミンやミネラルを、より新鮮な状態で摂取できるでしょう。
いずれの栄養素も、犬が健康を維持する上で重要であると言えます。
歯の健康に良い(生肉)
ドッグフードを与え続けることで、色素沈着や歯垢の蓄積の原因となりますが、生肉を与えることで歯垢がつきにくく、丈夫で健康な歯を保つことができます。
便量が減る(栄養が良く吸収される)
生食は犬の消化器官に適しているため、ドッグフードよりも栄養がより効率的に吸収されます。
そのため、ドッグフードを与えている時よりも便量は減ることでしょう。
十分に栄養を吸収している証です。
犬の生食への反対意見 やっぱり危険なの??
ペットとしてのライフスタイル
現代の犬は、人と共に暮らしていて、そのほとんどが室内飼育です。
そのため、犬が野生だった頃の食生活(生食)をさせることが理想とは言えないという意見もあります。
ペットに望むものは繁殖ではない
野生の生き物は、自らの力で子孫を繁栄し繁殖していくことが目的です。
しかし、家庭にペットとして迎えられた犬に関しては、繁殖が目的ではないですよね。
(ブリーダーなどは除きます。)
愛犬も家族同様なのではないでしょうか。
となると、健康に長生きしてほしいと願うはずです。
それならば、野生時代の食生活(生食)をさせる必要はないという考え方もあります。
犬に生食させる場合は、そのメリット面と上記のようなデメリットと反対意見があることを理解しておく必要があると言えるでしょう。
愛犬にどのような食生活をさせるのかは飼い主さん次第です。
犬に生食としてあげていい量
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生食の給与量
犬に生食であげる量は、一般的には理想とする体重の2~3%とされているようです。
(成犬の場合)
パーセンテージはあくまでも目安であり、愛犬の体重や年齢、去勢・避妊手術の有無などで、摂取カロリーは変わってきます。
その犬に適した分量を試行錯誤して与えることが大切です。
生食の与え方・切り替え方
今までドッグフードを与えていた場合、いきなり生食に変えることは避けましょう。
突然食べ慣れないものを与えると、犬は下痢や嘔吐を起こす場合もあります。
最初は、今まで食べていたフードに少し生食をトッピングするところから始めましょう。
1週間続けてみて異変がなければ、生食の量を徐々に増やしていきます。
このような工程を2~4週間ほどかけて、ゆっくり生食に慣れさせましょう。
1ヶ月ほどで完全に生食に切り替えることができるはずです。
ただし、この段階で愛犬が体調を崩したり、食材が合わない場合もありますので、異変がみられたら中断して病院に行くようにしましょう。
特に老齢期の犬には負担が大きいので、生食に切り替える際はじっくり時間をかけて行うことが推奨されています。
犬に生食の内臓を与えていい?割合は?
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犬に生食の内臓を与えていい?
犬は内臓を生食して大丈夫です!
主な内臓の部位としては、レバー(肝臓)や心臓、胃などでしょう。
これらの内臓は、栄養価が高いといったメリットがあります。
しかし、一気に食べさせすぎると下痢になる場合もあるため注意が必要です。
生食の割合
- 肉・内臓・骨:野菜=7〜9:1〜3
- もしくは、生肉・骨:野菜・内臓=6〜8:2〜4
これらの割合が、一般的に理想とされるようです。
愛犬に合った割合を見つけてあげましょう。
犬にあげる生食や野菜は?
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肉や魚
牛、鶏、馬、ラム、鹿肉などがオススメです。
ミンチになっているものや内臓も大丈夫!
しかし、生の豚肉は寄生虫が多いためNGです。
また、加熱された骨(特に鶏肉)は、硬すぎて鋭利なため口を傷つける恐れがあります。
これらは絶対に与えてはいけません。
魚はお刺身用を選ぶと良いそうです。
魚の場合は、内臓や骨を取り除きましょう。
野菜
生食にオススメな野菜は以下です。
- 大根
- トマト
- ニンジン
- キュウリ
- レタス
犬にとって野菜の栄養素も重要ですが、消化器官の構造上、大量に与える必要はありません。
少量で十分です。
また、ネギ類のように食べさせてはいけない野菜もあるためよく確認しましょう。
犬がもし生食を食べて吐いたら?
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生食の割合を減らすか、生食を中断しましょう。
症状が治まるようであれば、また少量から始めます。
一気に増やさず、少しずつです。
症状が続いたり、悪化するのであれば病院に連れていきましょう。
受診の際には、どのような食材を生食させたのか細かく伝えるようにします。
できれば、吐しゃ物も持参して診てもらうと良いです。
このように獣医師に丁寧に説明することで、原因を突き止める手掛かりとなり、治療の近道でもあります。
生食にチャレンジする場合は、万が一体調を崩した時の為にも、食べたものと量を細かく記録しておくと良いでしょう。
犬用の生食をスーパーで買う!
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犬用の生食はスーパーの食材でも構いませんが、生肉の場合は特に鮮度が大事です。
スーパーに並んでいるお肉は加熱して食べるのが基本のため、生食で与えるとなると細菌が心配になってきます。
できれば、冷凍されたお肉を買うようにして、使うときに解凍してあげると良いでしょう。
お魚は、お刺身用で売られているものを選ぶと、より新鮮で良いかと思います。
それでも心配という方は、ネットで犬用の生食食材を買うと良いでしょう。
特にラムや、馬肉、内臓類はスーパーよりもネットショップの方が、より安全且つ種類も充実していることでしょう。
犬にあげていい生食のレシピ
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ぶりを使った生食レシピ
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材料
- 冷凍ぶりのハツ
- 冷凍ぶりのミンチ
- 長芋
- もやし
- レタス
- 白ごま
作り方
- ぶりのハツとミンチを解凍しておく
- 長芋をすりおろす
- もやしは小さく刻んで、レタスも食べやすい大きさに手でちぎっておく
- お皿に盛り付け、白ごまをパラパラして完成
鶏砂肝と鶏ひき肉の生食レシピ
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材料
- 鶏砂肝
- 鶏ひき肉
- じゃがいも
- ヤギミルク
- 小松菜
- 生シラス
作り方
- ジャガイモの皮をむき、茹でて、ヤギミルクと合わせてマッシュポテトにする
- 小松菜をみじん切りにしておく
- 生の砂肝と鶏ひき肉を盛り付け、1,2を添えて完成
生食を作るときは、雑菌には要注意が必要です。
まな板などの調理器具は、人間用と犬用で分けると良いでしょう。
さらに生肉を触るときは、使い捨てのゴム手袋を着用すると良いです。
たまにまな板などの調理器具を、熱湯消毒をするなどして、衛生管理は徹底しましょう。
まとめ【犬にとって生食って危険?生食の内臓の割合や量はどれだけあげたらいい?】
出典元:https://www.discoverychannel.jp/
犬に生食させる際には以下の点に気を付けましょう。
- 生の食材を扱うため、衛生管理を徹底し、雑菌や細菌、寄生虫にはくれぐれも注意する。
- 生食への切り替えは一気にせずに、最初は生食のトッピングから始めて、1ヶ月ほど時間をかけ、徐々に切り替えていくのが良い。
- 犬に食べさせてはいけない食材もあるので、よく調べるようにする。
- 生食の割合は、肉や内臓が8割で野菜が2割程度。
(犬によって配分は前後しますが、野菜は多くても全体の2割に抑えると良い。)
- 愛犬が生食で体調を崩したら、量を減らすか中断するか処置をして、良くならなければ病院に行きましょう。
生食は、上手に取り入れることで、犬本来の体に適した食生活を送らせてあげられるでしょう。
その一方で、生食のリスクも理解する必要があります。
最初から全て手作りの生食にする必要はありません。
ドッグフードに生食をトッピングすることから始めてみましょう。
慣れてくると、食材を上手く活用しながら生食を作ってあげられるようになると思います。
愛犬と楽しみながら、生食生活を始めてみてはいかかでしょうか!
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