犬の整腸剤ってなに?市販の薬やおすすめは?副作用なども紹介

犬 整腸剤
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犬の整腸剤はお腹の調子が悪くなったら飲むような印象があり、下痢止めと混同されています。

しかし、腸の中の細菌叢を整えることがその働きですので即効性はないと言われているのです。

なので、犬がお腹を壊している時はその原因をしっかり見極めた上での薬剤の使い分けが必要ですので、素人判断で与えてはいけません。

そして、整腸剤と聞けば「ビオフェルミン」を思いうかべる人が多いと思います。

ビオフェルミンは人用の整腸剤ですが犬に飲ませても良いとされているので、もう愛犬に与えていると言う飼い主さんもいることでしょう。

さらに、そのほかにも犬用に整腸作用のある薬やサプリメントがたくさん販売されています。

ここでは整腸剤の働きについて説明した上で、その効果や副作用、おすすめの薬などについてご紹介します。

 

犬がお腹を壊す原因にはどんなものがあるの?

犬がお腹を壊したら、まずその誘因を突き止めなければなりません。

主なものとしては以下のものが考えられます。

 

食事の問題

安く買えるからと、ドッグフードを大量に買いおきすることが良くあると思いますが、大きなパッケージだと開封してそのまま保存されていることがあると思います。

ドライフードだから大丈夫だろうと思っていても中で微生物が増殖して、その毒素でお腹を壊すことになってしまうのです。

また、フードそのものが劣化によって変質してしまって、それを食べてお腹をこわすのです。

そのほかに食べ過ぎることで消化しきれなくなってお腹をこわすことにも気をつけなければなりません。

なお、フードを替えた際に今まで入っていなかった成分があて、それでアレルギーを起こすこともあります。

 

ストレスによる胃腸炎

犬にさまざまなストレスが生じると、身体の中ではそれに対処しようとホルモンなどの物質が分泌されるのですが、これらが誘因になってしまうことがあります。

 

誤飲誤食

犬は何でもくちにしてしまいますが、うっかり固形物を飲み込んでしまいそれが腸まで届いて塞いでしまうことがあり、腸が閉塞されると下痢が起こることがあります。

また、人間の食べ物を盗み食いぎして、それを消化することが出来ないことも誘因となります。

 

細菌やウィルス

犬に下痢を起こさせる細菌やウィルスの中で、特に気をつけたいのはパルボウィルスです。

下痢のほかに嘔吐も引き起こすので体力が落ちている時や仔犬では命にかかわることもあります。

 

寄生虫

寄生虫はさまざまあって、回虫、条虫などの大きなものから、コクシジウムなどの小さな原虫などが原因となります。

これらのほかにも、老犬などに多いのが慢性腸症や腫瘍なども誘因となることがあります。

 

犬が下痢をしたらどうすればいいの?

子犬や寝たきりに近い老犬では、とにかく一刻も早く獣医さんの診察を受けなければなりませんし、誤飲誤食によるものや、細菌、ウィルス、寄生虫によると思われる場合も診察が必要です。

それ以外のものが誘因となっていて、いつも通りに元気に活動しているなら2日間くらいは様子を見ても良いでしょう。

その際には絶食させて腸を休ませますが、脱水症状を防ぐために水分(常温の水を少し)は与えてくださいね。

ただし、元気がなく発熱などが見られるケースや、2日以上たってもまだ続いているようならば診察を受けた方が良いでしょう。

 

整腸剤はどのタイミングで与えればいいの?

下痢の中には止めてあげた方が良いものと止めてはいけないものがあります。

細菌やウィルスによる感染症で起こっている場合は下痢止めなどで無理に止めてはいけません。

細菌や毒素をまず身体の外に排泄させる必要があるからです。

また、古いドッグフードなどによる食中毒の際も止めないで排出してしまった方が良いとされています。

それら以外の場合では続いていれば止めるようにして、その後に腸内細菌叢を整えるために乳酸菌などの善玉菌を含むものを飲ませてあげてください。

また、ヨーグルトも腸を整えるとされていますが、犬にも効果があると言われています。

しかし、乳製品にアレルギーのあるワンちゃんもいることがあるので、今まで与えていなかったら避けた方が良いかもしれません。

 

犬の整腸剤には何があるの?

人用のものを犬に飲ませても大丈夫ですが、犬用のものとして販売されている活きた善玉菌を含むものはこちらです。

 

動物用ビオフェルミン

2種類の乳酸菌が腸を整えるとされて、人用の「新・ビオフェルミンS」より前に販売されていました。

乳酸菌の数が少ないと言われていますが、科学的にどちらが良いかは立証されていません。

 

ミヤリサン

ビオフェルミンの乳酸菌とは違うとは違う「酪酸菌」がふくまれていて、犬の腸内で活性化するデータがあり有用性が知られています。

酪酸菌は犬の大腸で食物繊維や消化難しい炭水化物を発酵させて有用な物質である「短鎖脂肪酸」を作ります。

ビオフェルミンとは作用機序が違うために併用すると相乗効果があるとされています。

 

ビオイムバスター

この動物用剤には「有胞子性乳酸菌」と乳酸菌と消化酵素の「パンクレアチン」が含まれています。

有胞子性乳酸菌は活きたまま腸まで届くとされる善玉菌ですが、犬の腸内に定着できないので毎日与えることが大切です。

また、犬の強い胃酸に対応するように作られています。

 

ディアバスター

タンニン酸ベルベリン・次硝酸ビスマス・ゲンノショウコ乾燥エキス・五倍子末・ロートエキス散という5種類の成分が配合されておりそれが胃腸に良いとされています。

 

犬に人間用の整腸剤を飲ませても大丈夫?

人間用のものと言えば「ビオフェルミン」ですよね。

腸内の善玉菌などの「フローラ(お花畑)」と呼ばれる細菌叢を守ることで、体のバランスを整えて免疫力を高め健康を維持するとされている薬です。

現在ビオフェルミンの名前で多種の製品が販売されていますが、主力製品は「新ビオフェルミンS」という名で人に良いとされた3種類の乳酸菌が含まれています。

 

KS-13アシドフィルス菌

小腸で働く乳酸菌で、悪玉菌の増殖を抑える働きをします。

 

129BIO3Bフェカーリス菌

小腸が活動の場となる乳酸菌で、腸内フローラを整える働きをしてほかの善玉菌が増えるのを助けます。

 

G9-1ビフィズス菌

大腸で働く菌で、乳酸と酪酸を作ることで悪玉菌の増殖を抑える働きをします。

これらの乳酸菌は人の腸内細菌ですが、犬と人の腸内細菌叢には似た点が多いとされているために効果があると考えられます。

 

ビオフェルミンを犬に飲ませる適量は?

「新ビオフェルミンS」の犬への投与量は定められてはおりませんが、おおよそで小型犬なら半錠から1錠、中型犬で1錠から1錠半、大型犬と超大型犬は2錠から3錠と言われています。

しかし、これはあくまで目安でしかありませんので、初めて飲ませる際にはこれより少量から始めて様子をみながら増やしていくことをおすすめします。

なお、初めてビオフェルミンを愛犬に与える際に気をつけることはもう1点あります。

アレルギーを起こす恐れは否定できず、これについても反応が現れないか様子を見ながら与えるようにしてくださいね。

また、ビオフェルミンには以下の種類があって、それぞれ犬にも有効とされています。

 

ビオフェルミンR

感染症などを治すために抗生物質が処方されることがありますが、これは腸内細菌叢を破壊するだけでなく、ビオフェルミンに含まれる乳酸菌も殺してしまいます。

ビオフェルミンRには抗生物質に強い「耐性乳酸菌」が含まれているため、併用できる利点があります。

ただし、「新ビオフェルミンS」が普通に通販などでも購入できるのに対して、「ビオフェルミンRは」は獣医さんの処方箋が必要となります。

 

ビオフェルミンVC

乳酸菌に加えて、ビタミンC・B2・B6が配合されています。

人ではお腹の張りを抑えるほか便通を整える効果があって、犬でも便秘などに効く可能性があります。

 

犬への効果が期待できるサプリメントや食品

犬の高齢化などにともなって腸内の環境を整えるためのサプリメントが多数販売されるようになっています。

それぞれ善玉の乳酸菌などを含んでいたり、有効な酵素などが配合されていて、食事に混ぜて与えたり手軽に利用することができるので検討してみてはいかがでしょうか。

また、手作りご飯に使える食材としては以下ものがおすすめです。

  • キャベツ
  • リンゴ
  • 納豆
  • 海藻類(ワカメ、コンブ)
  • ハーブ類(ローズヒップなど)

これらを与える際には生であれば細かく刻むかすりおろして、加熱するのであれば柔らかくなるまで煮込むか、煮汁と一緒にミキサーにかけてトッピングとして使うと良いでしょう。

 

犬の整腸剤ってなに?市販の薬やおすすめは?副作用なども紹介・まとめ

愛犬が元気でいるためには整腸剤で腸の調子を整えることがおすすめです。

整腸剤は下痢をした時の治療薬というよりは、ふだんから与えておいて腸内細菌叢を整えるための薬です。

犬用に作られたものでも良いですし、人間用のものでも用量をしっかり管理して与えるのであれば効果が期待できます。

また副作用はせいぜいアレルギーの可能性くらいのものなので、それさえ気をつけていれば安全といえる薬です。

ふだんからの愛犬の体調管理のために役立ててみてはいかがでしょうか。

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