パンを主食にしている飼い主さんは、愛犬にパンを与えるタイミングが多いかと思います。
また、時間が無く慌ただしい朝は手軽ですぐにおいしく食べられるパンを朝食にする方も多いと思います。
今では食パンから菓子パン、総菜パン、ハード系など種類豊富なパンを楽しむことができるので、主食以外でオヤツ代わりにパンを食べることもあるかと思います。
愛犬にパンをあげたいときは、気をつけたいことがいくつかあります。
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絶対に与えてはいけないパンの種類
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愛犬が欲しそうに見ているとき、ついついパンをあげたくなる人も多いかと思います。
基本的に、パンには多くの食塩が使用されています。
またパンには以下のような愛犬の体にとって良くない食材や成分が含まれていることもあります。
ネギ類
絶対に与えてはいけない野菜の代表格です。
惣菜パンには、ネギや玉ねぎが入っていることがよくあります。
ネギ類の入ったパンを愛犬が食べてしまうと、主に貧血の症状を引き起こします。
ネギや玉ねぎなどのネギ類は愛犬の体の中に吸収されると溶血というの赤血球を大量に破壊され、ヘモグロビンが流出する現象が起きる恐れがあります。
貧血を引き起こし、最悪死に至る危険性もあるため、どんな犬にとってネギ類はとても危険な食材なのです。
チョコレート
チョコレートにはテオブロミンという有毒成分が含まれています。
テオブロミンは人にも同じ作用を与えますが、人は体内の消化・分解能力が高いため、害がありません。
しかし、犬はテオブロミンを分解・排出する機能が低く、排出に時間がかかるために少量のチョコレートを食べてしまったとしても、嘔吐や下痢を伴います。
チョコチップをトッピングしたり、チョコを挟んでいたりするパンはすぐに気づけるかもしれませんが、生地に練り込んであるタイプもあるので要注意です。
また、チョコレートだけではなく同じカカオ豆を原料としたココアも犬にとっては絶対与えてはいけない食材です。
塩分
塩分は多くのパンに含まれていますよね。
塩に含まれるナトリウムには、体内を循環する血液量をコントロールします。
そのため、愛犬にとって塩分は必要不可欠なものですが、必要な塩分の量は人間と比べてわずかです。
塩分をとりすぎると心臓や腎臓に負担をかけるため、様々な病気の原因になってしまうかもしれません。
油脂分
愛犬にとって必要な油脂分は人間と比べるとほんの少ししかありません。
そのため、これらのパンを食べてしまうと脂質のとりすぎになってしまいます。
菓子パン、惣菜パン、調理パンなど、油脂分の多いパンを沢山与えると、カロリー過多になったり、下痢や肥満に繋がりやすくなるのでおすすめできません。
例えば、カレーパンにはカレーなどに含まれる香辛料も胃腸に刺激を与え、嘔吐や下痢などを引き起こす原因になりますで注意が必要です。
愛犬が脂質をとりすぎてしまうと消化不良になって下痢や肥満につながってしまう可能性もあります。
与えるときに注意すること
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アレルギー源の入ったパン
パンの原料となる小麦粉は、犬がアレルギーを起こしやすい食材の1つです。
その他のパンの食材に含まれている牛乳やバターなどの乳製品のアレルギーを発症する可能性はあるので、 まずはかかりつけの病院に行きアレルギー検査をしてもらいましょう。
以下のような症状が現れた場合はアレルギーを発症している可能性がありますので、すぐに獣医師に相談しましょう。
「下痢」「嘔吐」「皮膚のかゆみ」「元気がない」「目の充血」などの症状です。
また、初めて愛犬に与える場合は、少しずつ食べさせるようにして様子をみましょう。
カロリーの高いパン
人間用のパン、特に菓子パンには多くの油脂や砂糖が使われているため、カロリーが高いためたくさんあげると肥満の原因になります。
例えば食パンの耳とかですね。
食パンでも耳は特にカロリーが高い部分です。
そのため、食パンを与えるときにはパンの耳は除くようにしましょう。
愛犬の肥満には運動不足ももちろんですが、ご飯の食べ過ぎやおやつでカロリーを取りすぎることも大きな原因の一つです。
犬の肥満はさまざまな病のもとであり、糖尿病、関節炎などの原因、または呼吸器官や心臓に疾患がある場合は体にかなりの負担がかかります。
犬は自分自身で食べるものを調節しないため、飼い主さんが食事量やおやつをあげる量をコントロールする必要があります。
パンだけでなく野菜でさえ食べすぎると愛犬の健康に良くないため、与えすぎには気をつけましょう。
消化不良に注意
少量であれば特に問題ありませんが、パンの与えすぎは下痢や嘔吐などを引き起こす要因になるので注意しましょう。
基本的に犬は多くの場合、小麦などの穀物や野菜の消化を不得意とします。
逆に動物性たんぱく質の消化を得意としています。
与えすぎは消化不良の原因になりますので、量に注意して与えましょう。
口腔内トラブルになりやすい
食パンに含まれる「小麦グルテン」は、とても粘性が強い成分です。
そのため、歯や歯茎に付着しやすいので、虫歯や歯周病には注意しましょう。
日本では3歳以上の犬の80%以上が、歯周病や歯の病気を発症していると言われております。
犬は痛みを隠すので、食事中の様子からは歯の状態の悪化が判断しにくいかもしれません。
ただ、噛む力を弱めて食べているため、食べている途中で口からフードをこぼしやすくなります。
パンをあげたときはしっかりと歯磨きを心がけましょう。
添加物に気をつける
市販のパンには、添加物が入っていることが多いです。
添加物は長持ちさせて保存期間を延ばすためであったり、パンの香りなど品質を高めるために加えられています。
同じようにドッグフードにも添加物を使用しているものがあります。
ドッグフードの香り、味、長期保存など様々な理由で添加物は使用されています。
ただ、人が食べる食品に含まれる添加物とドッグフードに含まれる添加物とでは、添加物の基準と制限が全然違っています。
犬は人間と比べるとかなり体が小さいため、少しの量でも体に影響が出ることも考えられます。
少量のパンは薬をあげるときに活用できる!
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愛犬が薬を飲んでくれない時は、パンを活用する方法もあります。
愛犬に薬をうまく飲ませられない時や嫌がって飲んでくれない時に、食パンの柔らかい部分で薬を包んであげてみましょう。
薬に気づかずに食べてくれると思います。
愛犬がどうしても薬を飲まない時には、この方法を試してみてください。
この時に使うパンの量は、薬を包むほどの少量におさえましょう。
おやつのように沢山にあげないようにしましょうね。
犬がうっかりパンを食べてしまった時の対処法
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まずは、好奇心の強い犬にとって、飼い主さんが美味しそうに食べているパンはとっても魅力的な存在です。
ちょっと舐めてみたり、かじってみたいと思ったりするかもしれません。
愛犬が誤ってパンを食べてしまわないように、手の届かないところか扉のついた戸棚にしまっておきましょう。
しかし、いくら注意をしていても事故は起きます。
うっかり目をちょっと離したときに食べてしまったというケースは少なくありません。。。
犬がパンを食べてもすぐにアレルギー症状を起こすとは限りません。
犬がアレルギー症状を起こすと、嘔吐や下痢、皮膚の発疹や赤みなどが見られます。
激しい嘔吐や下痢、数時間が経ってもアレルギー症状が落ち着かなかったり、ぐったりしている、何かわからないけれど様子がおかしいと思ったら、すぐにかかりつけの病院を受診しましょう。
まとめ
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「アレルギー」「カロリー」「消化不良」「口腔内トラブル」パンをあげる時のリスクとして、特に4つを意識するといいでしょう。
それでも、あのうるうるした瞳を向けられるとついあげたくなりますよね。
もし愛犬にパンをあげる時、人間用のパンであればできるだけシンプルなものを選び、パンに入っている成分に注意し、オヤツとしてあげるにしましょう。
犬用のパンもたくさんの種類があります。
「愛犬にパンをあげたい」「愛犬とパンを食べたい」と思っている方におすすめです。
犬用のパンは少し値段は張りますが、しっかり裏の成分を確認して購入しましょう。
「何を食べても超元気!」というな丈夫な犬もいますが、長期間食べさせることでリスクが高まる危険性があることを知っておきましょうね。
飼い主さんにとって日常的に食べるパンの中でも、犬の健康にとっては良くないものも含まれています。
愛犬と一緒にパンを食べたくなる時が、いろんなタイミングであるかと思います。
万一の時に備え、パンのリスクや食べてしまった時の対処法を知り、暮らしやすい環境を無理のないペースで作っていきましょう。