犬に骨を見せるとしっぽを振って大喜びするアニメや漫画がたくさんありますよね。
愛犬に骨を、それも豚のスペアリブの骨をあげて問題ないのでしょうか。
骨がのどに刺さるから心配・・・という方もいるかもしれませんが、正しい食べさせ方さえおさえておけば大丈夫。
正しい与え方は?骨にどんな栄養素が含まれているの?そんな疑問についてご紹介していきます。
【専門家監修】宮腰 里知子
Contents
犬に豚の骨あげていい?
お疲れ様ですトンコツ、以前は家で作ってました豚骨をスーパーから買ってきて、ハンマーで半分に割り、半日煮込み、夜はスープ、翌昼は市販の生麺(醤油味)のベースにしてトンコツ醤油にしてました豚骨は犬に最近は豚骨が売っていなく、鶏ガラスープでたまに作りますが、やっぱりトンコツです
— 黒猫みけ (@eclipse782) December 1, 2018
犬は肉食寄りの雑食ですが、本来肉食の動物で、豚であろうと骨をあげても大丈夫。
「犬に骨はNG」という噂が流れたため、心配かもしれませんね。
これはなんと、ドッグフードの売り上げを伸ばすためのアメリカのメーカーの戦略だったそうです。
ふだん愛犬に骨をあげている家庭にも、ドッグフードを買ってほしい・・・そんな想いから、「骨は犬に与えると危険!」という噂を流したのだとか。
ペット後進国の日本はその噂を鵜呑みにし、「骨は砕けて愛犬の喉に刺さるからだめ!」「骨じゃなくて食べやすいドッグフードを食べさせないと!」というような噂がどんどん広まったのだそうです。
ちなみにペット先進国のイギリスなどでは、この噂は通用しなかったそうですよ。
豚の骨刺さるんじゃないの?
豚の骨がお腹とかに刺さったらどうしよう・・と不安になるかもしれませんね。
しかし人間と違って犬の胃液というのは非常に強い強酸性です。
5時間程度で骨はドロドロに溶けてしまうので、腸に刺さったり詰まったりすることはありません。
犬は骨が好き?どうして?
犬の先祖はオオカミである、と考えられていますね。
オオカミは肉食性の動物で、群れを作り狩りをして、生肉、内臓、そして骨まで食べていたといわれています。
犬の場合は家畜化されて人間と暮らすようになり、人間の残したもの、食べ残しの肉や骨を食べるようになったそうです。
犬は元々骨を食べていた動物です。
また犬の嗅覚はたいへん鋭く、骨に残る肉の匂いや骨髄の匂いにも敏感に反応します。
骨髄は栄養素がたっぷり!それも愛犬に必要なものばかり。
そのうえ、犬はオオカミのように狩りをしていた動物であり、何かをかじることも大好き。
魅力的な匂いのするかじりやすい骨は、犬にとって大好物というわけなのです。
その他にも、大昔に日常的に骨を食べていたため、犬の「DNA」が骨を好むのではないか、という話もあります。
犬に豚の骨を与えるメリットは?
愛犬が骨を食べた場合、どんな効果があるのでしょうか。
カルシウム・リンの補給
骨や歯を作り、丈夫にするのに重要なカルシウム。
十分にカルシウムを摂っていないと、高いところからジャンプして足を傷めたりするなどの可能性があります。
また、リンも愛犬の体に必要ですね。
カルシウム同様、やはり不足すると骨が変形するなどの可能性があります。
豚の骨には、ふだんの食事だけでは不足しがちな栄養素がたっぷり含まれているのです。
デンタルケア
最近のペットは歯磨きなどのデンタルケアをするようになりましたね。
でも昔はそんなことをしなくても、どの犬もキレイな歯をしていませんでしたか?
それは骨をかじっていたから。
骨には食物酵素が含まれていて、かじるだけで歯石や歯垢を分解してくれます。
さらに歯茎のケアや歯周病予防にもなり、デンタルケアでもあるのです。
豚の骨でデンタルケアができるなら、わざわざ歯磨きをしたり、歯磨きガムを与える必要もありませんね。
顎を強くする
軽く茹でた程度の骨や生の豚の骨って硬いですよね。
大きい骨なら犬だって口を大きく開けないとかじれません。
硬い骨をかじると、顎や頬の筋肉が鍛えられ、食べ物をかむ力が養われます。
また硬いものをかじることで歯も鍛えられるので、歳をとったときでもしっかり噛んで食べられるようになり、いつまでも元気でいてくれますよ。
ストレス緩和
いつも柔らかく噛みやすい食事が中心のわんこにとって、硬い豚の骨をかじることは日ごろのストレスを減らす効果があるのはないか、といわれています。
元々狩りをしていた動物なので、何かを「かじって食べる」ことは精神的に落ちつく行為なのだそうです。
愛犬のトイレの始末が楽になる
カルシウムたっぷりの豚の骨を食べると、多くの場合フンは白くコロコロになります。
ドッグフードばかり食べているときに比べると、ニオイもそれほどきつくなく、後始末がぐっと楽になりますよ。
市販のおやつよりコスパ良し
犬用のおやつって、買い続けているとけっこうな金額になりませんか。
豚の骨なら格安で入手できて、生か茹でるだけで愛犬に食べさせてあげられます。
犬は豚の骨を飲み込んだ?豚の骨を与えるときの注意とは?
愛犬が豚の骨を食べたあと、下痢・便秘、吐き戻したりすることもあります。
これはふだん食べなれない、硬い美味しいものを食べたため、あるいは食べ過ぎたため。
柔らかいフードばかり食べているわんこの場合は、まれに歯のエナメル質が削れることもあるそうです。
また犬は食べ物を丸のみしやすい動物。
魅惑の匂いがする豚の骨を、「飲み込める!」と判断してかみ砕かずに丸のみしてしまう可能性もあります。
どんな犬でも、喉を通らない大きさのものはかみ砕く習性がありますが、初めて与えるときは骨のサイズに注意し、目を離さないようにするといいかもしれません。
硬い骨を食べたことのないわんこの場合、かみ砕いた骨の破片で口の中が切れてしまったりすることもあります。
初めて与える場合は茹でて柔らかくするなど、ちょっと工夫してみてくださいね。
犬に豚のスペアリブの骨をあげるなら
毎日の食事で不足しがちな栄養素を補給し、歯や顎を強くして健康維持につながる豚の骨。
でも、すべての犬にスペアリブの骨を同じように与えるのは要注意。
次のポイントをおさえておくと安心です。
サイズに注意する
犬は、飲み込める!と判断した食べ物は、そのまま飲み込んでしまいやすい動物です。
今まで食べさせたことがないならなおさら、大きさに注意する必要があります。
というのも、丸のみしてしまうと喉に引っかかる恐れがあるから。
いくら胃の中が強酸性で骨がドロドロに溶かされるとしても、喉につっかえてしまったら大変です。
愛犬が噛み砕かないと飲みこめない大きさの骨を選び、できるだけ近くで様子を見ていてあげると安心です。
最適な硬さの骨を選ぶ
豚の骨、生であげていいの?加熱するべき?と迷ってしまいますね。
生の場合はかなり硬いですが、歯磨き効果があります。
硬いとそのぶんだけかじることができるので、長くかじって喜ぶ子もいますよ。
あるいはさっとゆでた程度の硬さでも、愛犬大喜び。
子犬や高齢の犬に与える場合は、圧力鍋でしっかり加熱して柔らかくすると食べやすくなります。
今まで与えたことがない場合も、柔らかい骨のほうが食べやすいこともありますね。
愛犬は硬いものを食べなれている?歯は?年齢は?ふだん食べているものは?
などを考慮して、生か加熱か選んでみてはいかがでしょうか。
与え過ぎちゃダメ!
どんなごちそうでも、食べすぎるとお腹が痛くなったり、下痢をしたりすることがあります。
これは人間だけじゃなく、犬も同じ。
豚の骨をあげたら喜ぶし、食いつきがいいからとたくさん与え過ぎるのはNG。
豚の骨を食べたあと、下痢や便秘になることも。
特に今までやわらかいドッグフードしか食べていなかった子は、お腹がびっくりする可能性が高いので、はじめは少しずつ様子を見ながら与えるようにしましょう。
豚の骨を使った犬用おやつの作り方
豚の骨を使って犬におやつを作るには、圧力鍋を利用するとカンタンです。
用意するもの・・・豚の骨
1骨をよく水洗いする
2圧力鍋で煮る
ラーメンの出汁に使うような大きな豚の骨の場合は、30分程度で柔らかくなります。
スペアリブの骨なら5分~10分程度で大丈夫です。
ただし、愛犬に合わせて硬さを調整してくださいね。
3冷ます
スープはわんこのご飯にかけてもよし、飼い主さん用に使ってもよし。
残った分は乾燥させて冷凍保存すればOKなので、まとめて買ってもいいですね。
冷凍するならラップでくるんでジップロックなどの袋に入れましょう。
お住まいのエリアによっては、大きな豚の骨がなかなか入手できないこともあるようです。
そんなときはスペアリブを選んでおいしい犬用骨おやつを作ってみてくださいね。
まとめ:豚の骨は犬もOK
美味しいスペアリブを食べたあと、残った骨は捨ててしまっていませんか?
これはもったいない話です。
愛犬に与えると大喜びで食いつきます。
栄養素がぎゅっと詰まった豚の骨、愛犬にとってはめったにないごちそうなのでしょう。
ただし愛犬の安全が第一。
与え方には気を付けましょう。