ツルッとした喉ごしとシャキシャキした食感が特徴のなめこ。その独特の「ぬめり」は日本人であればほとんどの人が知っているだろう。
そんななめこの特徴でもある「ぬめり」だが、実はなめこは乾燥に弱く、寒いと成長が遅くなる。あの独特のぬめりは、寒さや乾燥を防ぐコートの役割でもあるのだ。
今や1年を通して手頃な価格で手に入るなめこ。犬は毒キノコ以外であれば食べれると聞くが、実際にはどのような栄養が含まれているのだろうか?せっかく愛犬に与えるのだから気になるところである。
今回はなめこにスポットをあて、栄養と効能、与え方のポイントなどを紹介していく。
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犬にとってもなめこは栄養たっぷり!
なめこは全体の92%以上が水分でできており、100gあたり15kcalと低カロリーな食材。そんななめこには「βグルカン」と呼ばれれる成分が含まれている。
βグルカンは、きのこ類や酵母などに多く含まれる多糖類の一種であり、食物繊維の仲間である。免疫力を高めアレルギーの改善や予防効果、ガンに対する予防効果があると考えられている。
あまり聞きなれない成分ではあるが、βグルカンは1940年代に発見され、現在では椎茸に含まれるβグルカンの一種である「レンチナン」が抗ガン剤としても実用化されているほどだ。
なめこは他にも、循環系、消化器系、神経系などの働きをサポートするナイアシンをはじめ、軟骨を構成する成分であるコンドロイチンなどが含まれる。
意外にもなめこには、こうした栄養成分がバランスよく含まれているのだ。最近では医療が発達したことにより、高齢期の犬も年々増加傾向にある。愛犬の健康維持にも、ぜひ取り入れてみたい食材なのだ。
なめこに含まれる犬に役立つ栄養と効能とは?
βグルカン
βグルカンは、きのこ類や酵母などに多く含まれる多糖類の一種であり、食物繊維の仲間とされる。
免疫力を高めアレルギーの改善や予防効果、ガンに対する予防効果があると考えられている。
ナイアシン
カリウム
なめこにはカリウムも含まれており、100gあたり230mgと豊富。
カリウムは、体に含まれている余計な塩分(ナトリウム)を排出する効果があることから、利尿作用や血圧を下げる働きがあります。
食物繊維は大まかに分けて「水溶性」と「不溶性」の2種類があるのだが、これらはどちらが多すぎても少なすぎても良いというわけではない。適度なバランスを保つことによりそのメリットが活かされるのだ。
まさに、なめこの食物繊維は「不溶性2:水溶性1」と理想的な割合が特徴である。便秘を予防する働きはもちろん、コレステロールの吸収を抑制する作用にも期待ができる。
知っておきたい!犬になめこを与えるポイント
犬に与える際「生食」は食中毒の恐れも
なめこには、真空パックのものと、石突きが付いた株付きタイプと2種類あるが、どちらも「生もの」であるため加熱調理が必要になる。
「スーパーで買ってきたから安心」と思ってしまいがちだが、きのこ類は生で食べると食中毒になってしまう危険性があるのは知っておこう。
また、購入後も常温ではなく必ず冷蔵庫で保存を。できれば、なめこの生育環境に近いチルド室がおススメ。真空タイプは1週間、株付きタイプなら3日程度を目安に使い切ろう!
なめこは食物繊維が豊富
きのこ類といえば食物繊維が豊富に含まれているが、なめこも例外ではない。
なめこの食物繊維は100gあたり3.3gと豊富に含まれているので、与え過ぎは消化不良を起こす場合もあることは覚えておこう。
また、株付きなめこの場合は、石突き(おがくずの付いた根本の部分)があるので、調理の際は取り除くのはもちろん、1本づつバラバラにほぐして短く刻むなど、犬が消化しやすい状態で与えるようにしよう。
なめこは洗わないで使う?
きのこ類は基本的に、風味落ちや劣化が早まるため水洗いはしない方がいいと言われている。
人工栽培されたものであれば生育環境もクリーンなため洗わずに使うこともできるが、なめこの場合は洗った方が酸味がおちて美味しいという。
そのため、調理する前にザルに入れ、流水で軽く洗うのがおススメ。
また、真空パックのなめこでも、表面のぬめりに栽培時のおがくずが付着している場合がどうしてもある。もちろん、そのまま使ってもOKだが気になる場合は流水でサッと洗うと安心だ。
食物アレルギーがないか様子を見守る
アレルギーの原因となるものをアレルゲンと呼ぶのだが、実は食べ物全てにアレルゲン要素があることは知っておきたいところ。初めて与える時は少量から与えて、痒がったり嘔吐したりしないか、愛犬の様子を見守ってあげるのも大切だ。
番外:野生のきのこには近寄らせないようにしよう!
一般的にキノコの種類は6万種を超えると言われており、その中で食用になるのは、およそ200種類なのだとか。
みなさんも、公園や道端に自生する『野生のきのこ』を見かけることはないだろうか?
毎年、秋になるときのこによる食中毒のニュースを見るが、野生のきのこは、生育時期、場所などで形態が異なり、毒きのこか食用きのこかを見分けることは大変難しいとされている。
中には、独特の臭いがある「きのこ」もあるので、犬が間違えて食べないよう、野生きのこには近寄らせないよう要注意だ。
さいごに
なめこはきのこ類の中でも特に傷むのが早いため今までは真空パックのものが主流だったが、物流改革が加速し最近では「株付きなめこ」もスーパーなどで見かけるようになった。
独特のぬめりと喉ごしでファンが多いなめこ。そのぬめり成分には高い栄養価と効能があるのだ。
なめこは人や犬にも共通する働きが期待できる食材なので、ぜひ活用して健康維持に役立ててほしい。