「いよかん」といえば、ミカン大国・愛媛県で主に作られている柑橘類の一種です。
実は日本では、一番メジャーなみかんである「温州ミカン」に次いで生産されている柑橘類なのです。
柑橘類といえば、人間からするとビタミン豊富で体に良いイメージがある方も多いかと思います。
では、犬にとってはどうなのでしょうか?
この記事では、そもそも犬にいよかんを与えても大丈夫なのか、どのようにして与えるのが良いのかについてご紹介したいと思います。
【専門家監修】応武 梓
Contents
いよかんを犬に与えるのはOK?
犬、いよかんに興味津々 pic.twitter.com/dg6x7hDTNc
— ぽしぽし (@p_and_gin) February 5, 2017
柑橘類に含まれている成分
ビタミンC
柑橘類といえば「ビタミンCが豊富!」と思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか?
ビタミンCはコラーゲンを作るのに必要な成分で、人間にも重宝されています。
犬の場合だと皮膚や粘膜の健康を保つのに役立ちます。
また、ビタミンCには抗酸化作用があり、有毒な活性酸素から体を守ってくれます。
そのため、ビタミンCを摂ることは、活性酸素が原因の1つである動脈硬化や心疾患を予防することにつながります。
他にもストレス緩和につながったり、鉄分の吸収をよくするという効果があるとされています。
クエン酸
クエン酸は体のミネラルバランスを正常に保つのに役立ちます。
β-カロテン
β-カロテンはビタミンAを合成することができる成分です。これは人間同様、犬にもいえることです。
(中にはβ-カロテンからビタミンAを合成できない動物もいます。)
合成されたビタミンAは皮膚や粘膜を正常に保つのを助ける働きがあります。
また、網膜の構成成分でもあるため、目の健康にも役立ちます。
β-クリプトキサンチン
β-クリプトキサンチンは、骨粗しょう症やガンの予防に役立つとされています。
また、効果が2ヶ月以上も続くというのも嬉しいポイントです。
特に、これから病気が気になってくる老犬には必要な成分と言えるでしょう。
ビタミンCは犬に必要?
おやつにせとか剥いてたら犬の食い付きがすごい みかんやいよかんにはない食い付き 酸がきついかなと思ったのでちょびっと果汁をあげました こう見えて意外と自分からはかじりません pic.twitter.com/91P3CFgirk
— ノギヒカル (@nogi_yumefune) March 20, 2017
結論から言うと、ビタミンCは摂れるのであれば摂った方が良いです。
その理由としては、ビタミンCはストレスや体調不良で不足する場合があるからです。
実は、健康な動物は基本的に自分の体内でビタミンCを合成することができます。
他にも、ビタミンC同様、「水溶性ビタミン」という水に溶けやすいビタミンに分類されているものは、その多くが体内で合成できるビタミンです。
そのため、ビタミンCをわざわざ与える必要はない、という説もあります。
しかし、これらの合成は健康な状態であればスムーズに行えます。
逆に冒頭でも述べたように、ストレスや体調不良があると合成がスムーズに行えない場合があるのです。
そのため、ビタミンCはある程度摂った方が良いとされています。
柑橘類は犬に与えてもOK!
以上のことから、柑橘類は犬に与えてもOK、むしろおやつ程度には与えてあげたい食べ物です。
では、具体的に、「いよかん」についてお話ししていきます。
いよかん等、様々な柑橘類の特徴
冒頭でも述べたように、「いよかん」はミカン大国・愛媛県で主に生産される柑橘類です。
ここでは、他の柑橘類をあげながら、いよかんの特徴や犬に与える際のメリットについてお話していきます。
デコポン
デコポンはヘタの部分がポンッと突き出た形の柑橘類です。
- 皮は分厚いが、剥きやすい
- 糖度がとても高く、酸味が少ない
- 種がない
といった特徴があります。
犬にとっては甘くておいしいですが、糖質過多が懸念されます。
ぽんかん
ぽんかんはインドが原産の柑橘類です。
- 香りがとにかく強い
- 甘みがとても強い
- 皮が全体的に柔らかく、剥きやすい
- 種がある
といった特徴があります。
デコポン同様、犬に与える際には糖質が気になるところです。
また、種があるため、与える際は種にも気をつけなければなりません。
ぽんかんの最大の特徴は「香り」ですが、犬は嗅覚がとても優れています。
そのため、香りが強すぎると犬が嫌がる傾向があります。
ぽんかんは人間にとっては香りも楽しめて甘くておいしい柑橘類ですが、犬にとってはイマイチかもしれません…
はっさく
はっさくの特徴は
- 果肉が粗くてつぶつぶしている
- 甘みと酸味の両方がある
- 苦みがある
- 種が多い
- 皮が分厚く、手で剥くのが難しい
といったものです。
みかん系でも苦みがある種類なので、犬にとってはあまり好まれないかもしれません。
また、種が多いのがかなりのネック。
犬に与えるとなると種を取り除く手間がかなりかかるかもしれません。
温州ミカン
温州ミカンは、一般的に日本で「ミカン」と呼ばれる種類です。
その特徴は、皆さんもご存知の通り、
- 皮は手で簡単に剥ける
- 糖度が高い
- 種がない
- 白い筋が多くある
といったものです。
スーパーでも最も見かける種類なので、一番手軽に犬に与えることができるかもしれませんね。
ただ、後述しますが、白い筋は犬に与えてはいけません。
この白い筋を取るのは少し面倒かもしれません。
いよかん
では、主役・いよかんです。
- 皮は多少厚いが、剥きやすい
- 水分が豊富
- 甘くて食べやすい
- 種が少し入っている
といった特徴があります。一番の特徴は、「水分が多い」こと。
水分の与えすぎも犬にとっては下痢を引き起こしかねませんが、夏には水分補給もかねて丁度良い果物かもしれませんね。(いよかんをはじめ、みかんの旬は冬ですが…)
ここまで、様々な柑橘類の特徴をあげてきました。では、これをふまえて具体的に「いよかん」を犬に与える時にどうすれば良いかをお話ししていきます。
いよかんの与え方
いよかんが欲しい犬 pic.twitter.com/hcz3aNSqBw
— あお (@ao_hebo) February 17, 2014
いよかんを与える時の注意点
量を調節する
いよかんをはじめ、柑橘類には多くの水分が含まれています。
水分を過剰摂取してしまうと犬は消化不良になってしまったり、下痢になってしまったりします。
与える際には量を調節する必要があるのです。
また、いよかんを食べ過ぎると、糖分の摂りすぎになります。
糖分を摂りすぎると肥満や虫歯の原因になるため、与えすぎるのはよくありません。
具体的には、犬の大きさにもよりますが、1日で15gくらいが目安となります。
犬は好物を何度も欲しがってくるかわいい動物ですが、愛犬のためにも甘やかさずに適量でとどめておきましょう。
初めての時は少量から
人間もそうですが、柑橘類は特有のにおいがあるため苦手とする犬もいます。
必ず食べさせなければならないものではないので、嫌がるようであれば無理に与えないようにしましょう。
また、犬にもアレルギーがあります。アレルギーに気づかずに大量にいよかんを与えてしまうと重篤になりかねないので、初めて与えるときは果肉を少し舐めさせる程度からにして、様子を観察するようにしましょう。
薄い膜や種に注意する
いよかんには、果肉の周りに薄い膜があったり、種が入っていることがあります。
これらに気づかずに犬に与えてしまうと、消化不良の原因となってしまいます。
与える際は、しっかりと取り除いてから与えるようにしましょう。
いよかんの皮はNG
柑橘類は光沢を出すためにワックスを塗っているものもあります。(稀ではありますが…)
そのため、与える時は必ず皮をむいてあげてくださいね。
必ず熟しているものを与える
柑橘類は、熟していないとアクの成分である「アルカロイド」の毒が多く含まれています。
これは体に害になることがあるので、必ず熟しているものを与えるようにしてあげましょう。
オススメの与え方
薄くスライス
そのままでも十分おいしい「いよかん」。
犬に与える際は、食べやすいように薄くスライスしてあげると良いでしょう。
ヨーグルトと一緒に
いよかんをドライフルーツにして細かく刻めば、ヨーグルトのトッピングにもなります。
ヨーグルトは人間でも言われるように、整腸成分が含まれており、病気のもととなる悪玉菌を除去してくれます。
与えすぎは禁物ですが、いよかんと共に与えてあげると健康にもつながります。
柿と一緒に
いよかんは酸味があり、苦手とする犬も多いです。
しかし柿は、「食欲がずっとなかった犬でも食べる」と言われるほど甘みが強くて、犬の大好物です。
柑橘類が苦手な犬に無理にいよかんを与える必要はありませんが、柿と一緒に与えると甘みがあって食べやすくなります。
ゼリーにして
犬の夏バテに、ゼリーはもってこいです。新鮮ないよかんを使って「いよかんゼリー」を作ってあげると犬も喜ぶでしょう。
また、ゼリーはゼラチンさえあれば作ることができるので非常にお手軽です。
作る際は糖質過多にならないように、砂糖をいれずに作ってあげてくださいね。
まとめ
いかがでしたか?
犬にとって「いよかん」は栄養がたくさんあってメリットが大きい食べ物です。
しかし、与える際には気をつけてあげなければならないことがたくさんあるので、ぜひ本記事を参考にしてみてください!