【獣医師監修】犬にさくらんぼを与えても大丈夫!保存方法をマスターして上手に食べきろう!

犬 さくらんぼ 食べる 大丈夫 与える 保存方法 種 食べて
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犬 さくらんぼ 食べる 大丈夫 与える 保存方法 種 食べて

1年の中でも限られた季節にしか出回らない「さくらんぼ」。

その旬は5月~7月。地域ごとに若干の差があり、早いものだと5月下旬から味わえるものもある。

一般的には「初夏の味覚」と言われてきたが、近年では温室栽培により1月初旬の出荷も行われている。年明けの初出荷では高値で取引され「赤い宝石」と呼ばれることがあるようだ。

そんな美しい見た目のさくらんぼ。ただ美しくおいしいだけではなく、実は様々な栄養素を含んでいるのも特徴だ。もちろん、種を取り除いた「実」の部分であれば犬に与えてもOKなので、愛犬にとっても嬉しいおやつになってくれるフルーツだ。

今回は、このさくらんぼの栄養成分とその与え方、また、とてもデリケートなフルーツなので保存方法も一緒に紹介する。

【獣医師監修】班目美紀

専門家 監修
麻布大学獣医学部獣医学科卒。現在は動物病院で小動物臨床獣医師として勤務。

 

さくらんぼの栄養成分

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ブドウ糖

さくらんぼの主な成分は、体内への吸収率が高いとされているブドウ糖である。

このブドウ糖は脳の働きや筋肉運動を促してくれる活動エネルギーであるため、疲労回復にはとても効果的な成分だと言われている。

ただし、自然由来のブドウ糖であっても糖分であることには変わりはないので、与え過ぎには十分な注意が必要だ。

 

鉄分

さくらんぼに含まれているミネラル分の中では鉄分が多く含まれている。

鉄分が不足すると貧血になることは多くの人が知っているだろう。

鉄分は貧血予防や改善に効果的な成分。鉄分は赤血球の中の「ヘモグロビン」を作るのに欠かせない材料であるほかにも、赤血球が酸素を運ぶ手助けをしてくれる大切な役割があるのだ。

 

 

ポリフェノール類

さくらんぼには、高い抗酸化作用で知られるアントシアニンやフラボノイドなどのポリフェノールが含まれている。

この抗酸化作用というものを簡単に説明すると、体のサビ防止ということ。

ストレス、加齢、タバコや排気ガス、紫外線の影響など、あらゆる原因で体内で活性酸素が発生させるのだが、活性酸素が増えると体をサビさせ、老化や生活習慣病など様々な不調が起こってしまう。

ポリフェノールは、この活性酸素を消去してくれる嬉しい成分、というわけだ。

 

上記で紹介した以外にも、少量ではあるがカリウム、カルシウム、リンといったミネラルや、カロテン、ビタミンC、B1、B2、葉酸などのビタミンもバランスよく含んでいる。

 

 

与え方の基本をマスターしよう

さくらんぼのカロリーを知ろう

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まず、さくらんぼの1粒あたりのカロリーについて知っておこう。

さくらんぼのサイズ基準は都道府県よって異なるのだが、一般的なサイズの場合は1粒あたり約9gほど。そのうち可食部分(種を取り除いた場合)で1粒約8gとなる。

これをカロリーに換算すると1粒当たりはだいたい5kcalほどとなる。ただし、ここで注意しなくてはならないのが、与える量は控えるということ。

例えば、10粒与えた場合は単純に10倍の50kcalにもなってしまう。さくらんぼは甘くて犬の嗜好にはピッタリだろうが、与える量には気を配る必要があるようだ。

 

 

「種」には天然の有害物質が含まれている

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主に、ビワ、アンズ、ウメ、モモ、スモモ、オウトウ(=さくらんぼ)などのバラ科植物の種子や未熟な果実の部分には、アミグダリンやプルナシンという青酸を含む天然の有害物質が多く含まれている。

これらを総称して「シアン化合物」と言うのだが、中毒症状を起こせば呼吸困難や虚脱、チック症状を招く可能性があり、最悪の場合は死に至ることもあるという。

 

一方、しっかり熟して種を取り除いた「果肉」に含まれるシアン化合物はごくわずか。犬に安心して食べさせるためにも、種はしっかり取り除いてから与えるようにしよう。

 

さくらんぼの保存方法

さくらんぼは、美味しく食べられる期間が収穫からわずか2~3日と非常に短い。

その理由は、温度変化と乾燥にとても弱いから。基本的には買ってきた当日に食べきりたいところだが、もし食べきれないときは保存方法を工夫してやると長持ちする。

ここでは、「冷蔵」と「冷凍」の保存方法について紹介する。

 

冷蔵庫で保管する

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みなさんは、さくらんぼを買ってきたらどうするだろうか?

まず冷蔵庫へ…、という方が多いかもしれないが、実は5度くらいから果肉が硬くなる。長い時間冷蔵保存していると味や酸度が落ち、旨みもなくなるので、本来は常温に置いて食べる少し前に冷蔵庫で冷やすのが望ましい。

 

ただし、頂きものなどクール便で届いた場合は別。さくらんぼは温度変化に弱いという一面もあるので、一定の温度を保つためにも、逆に冷蔵保存したほうがよい場合もある。

いずれにしても、さくらんぼが収穫されてから手元に届くまでの保存状態がポイントになってくる。あまり温度変化のない一定の状態で保存してやるのが美味しく食べる一番のコツだ。

 

なお、さくらんぼを冷蔵庫に入れる時は野菜室へ。野菜室は冷蔵室に比べて温度も湿度も高いので、さくらんぼの保存には適している。

もし、その日の内には食べきれないけど明日中なら…という場合は、野菜室での保存がおすすめだ。

 

冷凍庫で保管する

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さくらんぼは、冷凍することで1~2ヶ月の長期保存が可能になるが、一旦冷凍してしまうと解凍しても元の状態には戻らないことは知っておこう。

 

食べる時は、自然解凍して半解凍のシャーベット状態で与えると暑い日のおやつにはいいかもしれない。

ただし、半解凍したものを与える際には以下の点に注意してほしい。

  • 必ず種を取り除く (種の存在を忘れない)
  • 冷たいものは下痢になりやすい (与え過ぎない)

 

また、冷凍する場合は、さくらんぼを軽く洗って水分を切り、ジップロックなどの密閉できるものに入れて冷凍するだけ。簡単なので、たくさん頂いたときなどは試してみてほしい。

 

 

さいごに

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その種類は世界で1000種類以上とも言われている、さくらんぼ。

国産のさくらんぼで特に有名なのが「佐藤錦」と呼ばれる品種だが、そのほかにも佐藤錦と天香錦を交配した「紅秀峰」、同じく佐藤錦とセネカと呼ばれる品種との交配によって誕生した「紅さやか」、アメリカ原産の「ロックポート・ビガロ」など優れた品種はたくさんある。

旬の時期になったら、いろいろな種類のさくらんぼを食べ比べてみるのも面白い。愛犬には種を取って、できるだけ新鮮なうちに与えよう。

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