黒い紀州犬は希少ってホント?紀州犬の特徴とは?

紀州 犬 黒
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紀伊半島の和歌山県・三重県・奈良県にまたがる地域「紀州」の山岳地帯に生息していた犬を、猟犬として飼育されたのが紀州犬です。

一般に体毛のイメージは白色ですが、まれに黒い紀州犬が生まれることがあり、黒い紀州犬は希少犬種として一部のマニアに根強い人気があります。

最近ではアメリカなど海外でも日本犬がブームになっていて、紀州犬の人気も高まっています。

 

紀州犬とはどんな犬?猟犬としての歴史について

日本犬のなかでは中型で、体高が46cm~55cmで体重は15kg~25kgほどのワンちゃんで、日本犬保存会への登録数は年々減少していて、2021年では246頭となっています。

がっしりした骨格をもち、顔はまっすぐなマズルで、立ち耳でつり目気味の目元がキリリとしています。

秋田犬や甲斐犬に続いて1934年(昭和9年)に天然記念物として指定されています。

現在ではほとんどが家庭犬ですが、もともとはウサギ・タヌキ、鹿・イノシシを狩る猟犬として育種されていました。

それぞれ生育地で「那智犬」、「太地犬」、「熊野犬」「奥吉野犬」と呼ばれていたものが、日本犬保存会に登録される際に紀州犬として統一されています。

 

紀州犬の性格は?

まじめで落ち着いた性格ですが、飼い主さんや家族以外の人に慣れない傾向があります。

自分より大きい動物に対しても立ち向かう強い性格ですが、社会性をしっかり身につけさせるようにしつけることが大切です。

一般的に次のような性格とされています。

  • 飼い主さんに忠実
  • 頭がよく、飼い主さんの言うことを理解する
  • 警戒心が強い(飼い主や家族以外には慣れない)
  • 好奇心が旺盛
  • 忍耐強い

きちんとしつけができれば飼いやすいワンちゃんで、番犬にも向いています。

 

紀州犬の寿命は?

遺伝的な病気が少なく、後天的な病気にもかかりにくく、とても丈夫なワンちゃんです。

平均寿命は13年~15年とされていて、中型のワンちゃんとしては平均的です。

ご先祖さまが狩猟のために山中を走り回っていたので、筋力が強くとても体力があります。

運動不足がストレスに直結するので、いつも十分に運動をさせてあげてください。

そうすれば元気に長生きしてくれるでしょう。

 

紀州犬の毛色は?白毛・赤毛・胡麻、そして黒毛

被毛の色は95%が白で、紀州犬のイメージ色となっています。

そのほかの5%は「有色紀州犬」と呼ばれていて、赤や茶色のほかに茶色に黒い毛が胡麻のように入ったワンちゃんがいます。

そしてこの「有色紀州犬」の中にわずかながら黒いワンちゃんがいて、一部の愛好家の垂涎の的となっているのです。

なぜ黒い紀州犬が少ないかというと、ショードッグやジャパンケンネルクラブでも認められていない色だからと言われています。

 

黒毛の紀州犬が希少なのはなぜ?

黒い毛の紀州犬は和歌山の山奥で愛好家によって細々と守られてきたもので、この系統が保存されていた理由は黒毛の紀州犬が狩猟の才能に優れていたためでした。

しかし、近親で交配を続けたためか繁殖力が弱くなり、やがて「幻の黒紀州」と呼ばれるようになったのです。

 

紀州犬を飼うのは危険ってホント?

気が強かったり荒かったりして、人を噛むなど危害を与える可能性がある犬種は「特定犬」とされ「おり」などの中で飼育することが定められている自治体があります。

紀州犬は気が強い性格から噛み付き事故を起こしやすいとみられていて、以下の自治体では「特定犬」として扱われます。

  • 札幌市
  • 茨城県
  • 水戸市
  • 佐賀県

これらの自治体に住む飼い主さんが紀州犬を飼育する場合は、「おり」の中で入れることになり、その「おり」は次のように定められています。

  • おりの上下四方が全て囲まれていて、ワンちゃんが自由に出入りできないこと
  • ワンちゃんが体当たりしても壊れない強度があること
  • 外にいる人に危害を加えることができない構造となっていること

これらに加えて、家の玄関外など見やすい場所に、特定犬を飼育している事を表わす標識を掲示して置くことも必要です。

 

紀州犬の飼い方での注意点と販売価格など

丈夫なワンちゃんなのでとくに気をつけなければならないことはなく、運動不足にならないように散歩の回数や時間を多く取ることと、こまめにドッグランなどで自由に遊ばせてください。

また、しつけについては頭がよくて言う事を理解してくれるので、難しくありません。

ただ、信頼関係のない人の言う事は聞かない傾向があるので、しつけは家族全員で行うことをおすすめします。

 

紀州犬の販売相場はいくら?

ペットショップなどで見かけることはほとんどありませんが、専門に繁殖させているブリーダーなどで購入することができます。

その平均価格は14万円ほどで、相場としては12万円~15万円くらいです。

 

黒い紀州犬は希少なの?紀州犬の特徴とは?まとめ

日本固有の日本犬で現在純血種が残っているのは、柴犬など紀州犬を含めて6種です。

その素朴なイメージから外国でも人気が高まっていて、日本国内でも柴犬を中心に人気が出ています。

その中で紀州犬は登録されている数が少なく、なかでも黒い紀州犬は希少な存在でほとんど見かけることがありません。

ですので、もし黒毛の紀州犬を飼えば愛犬家の注目の的となることでしょう。

紀州犬は「特定犬」に指定されている自治体があるため危険とのイメージがありますが、しっかりしつけをしておけば飼いやすい犬種です。

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