愛犬の死に直面したとき、その事実を受け入れることは本当に難しいものです。
命を授かった以上は、いつの日か「死」というものが必ず訪れると、頭の中では分かってはいても考えたくはないですよね。
しかし、いつかは別れの日がやってきます。
亡くなった後も、大好きだった愛犬を身近に感じたいと願い、手元に遺骨をおかれて供養する方も多いのではないでしょうか。ただ、愛犬の遺骨を全部持ち歩くわけにはいきません。
皆さんは「遺骨アクセサリー」ってご存知ですか?遺骨アクセサリーは、遺骨や遺灰、毛などを入れることができる、いわば愛犬の「形見」入れのようなもの。
今回はそんな、遺骨アクセサリーについてのお話しです。
【専門家監修】若林あき子
●JKC愛犬動物飼育管理士●愛玩動物救命士●JCSA動物看護士●犬のしつけインストラクター●犬の栄養管理士●ペット介護インストラクター●ドッグトレーニングアドバイザー…等
遺骨アクセサリーとは何?
遺骨アクセサリーとは、死んでしまった体の一部を小さな金属製の容器に入れて持ち運びができて、いつでも手元供養ができます。
犬の骨や毛、小さな遺品を収めるタイプのものから、自宅の鍵やカバンなどに付けられる「キーホルダータイプ」のものなど、様々な種類があります。
そもそも、手元供養って何ですか?
お墓などに納骨せずに自宅に置いて供養する事。
または、遺骨の一部を身に着けて供養することを手元供養といいます。
遺骨はどの部分を選べばいいの?
火葬した後の骨上げは、「この骨は分骨してはダメ」という決まりはありません。体のどこの遺骨でも問題はないようですので、遺骨アクセサリーに収まる骨を分骨しても良いのかもしれませんね。
ちなみに、爪や歯など「再生」の意味合いを込めて、分骨するには良いとも言われています。
遺骨アクセサリ―を使う注意点
入る容量はアクセサリーの種類によって異なってきます。
キーホルダータイプのものは遺骨の他にも、爪、歯、ヒゲ、毛などを収めるタイプのものが多いです。また、ペンダントタイプは骨を細かく砕いて入れるなど、遺骨の移し替え方法も様々です。
移し替えをする際に注意したいのが、手で直接触れると手のタンパク質や脂肪が遺骨に付着して、カビが発生することがあるようです。できるだけ、未使用の手袋をはめて移し替えするのが良いでしょう。
また、直接触れることに抵抗がある場合には、ピンセットや紙を使って収めるのがおススメです。
遺骨はとても脆く崩れやすいので、優しくつまんで入れてあげれば、きっと愛犬も喜んでくれるでしょう!
犬の遺骨、持ち歩いても大丈夫ですか?
供養の考え方は人それぞれです。
とはいえ、「そんなことしたら成仏できないかもしれない」「縁起が悪いのでは?」などと、思ってしまうかもしれません。
しかし、遺骨を持ち歩くことは、法的に問題になるようなことは何もありません。
亡くなった愛犬を想って、飼い主が納得いくまで安心して遺骨と一緒に過ごされていいのです。
愛犬の遺骨などを身近に持ち続けることによって、いつでも偲ぶことができます。
どんな種類があるの?
遺骨アクセサリーには「キーホルダータイプ」と「ペンダントタイプ」があります。
では、それぞれの特徴について見ていきましょう。
キーホルダータイプ
自宅の鍵はもちろん、カバンなど常に持ち歩くものに取り付けることができます。
素材はステンレスやアルミなどが多く、比較的安価なものが多いのが特徴です。中にはメッセージはもちろん、愛犬に似たシルエットの絵文字等「刻印」してくれるサービスもあります。
- メリット・・・遺骨、爪、歯、ヒゲ、毛を収めることができる。一緒に小さな写真を入れてもOK!
- デメリット・・・ネジ式タイプが多く、自然と緩んで脱落してしまう可能性があります。
ペンダントタイプ
ペンダントタイプは常に身に着けているため、愛犬を失った深い悲しみや寂しさが癒えるまで、遺骨ペンダントは亡くなった愛犬の身代わりとなって、遺された飼い主さんを支えて勇気を与えてくれます。
お値段はやや高めですが、世界でたった一つだけのペンダントが作れるのも魅力だと言えるでしょう。
- メリット・・・どこに遺骨を入れるの?と思うほどデザイン性が高い。
- デメリット・・・金属アレルギーが気になる方にはあまりおすすめできません。
さいごに
近年、ペットロス(ペットを失った悲しみ、苦しみ)が重症化して、心の病や食欲不振などの症状が見られる「ペットロス症候群」という言葉をよく目にします。
愛犬の死に直面したとき、その事実を受け入れることは本当に難しいものです。
どうしても「不安になってしまう」「寂しくて忘れられない」…という方には、手元供養ができる遺骨アクセサリーを身に付けて持ち歩いてみてはいかがでしょうか。
亡くした愛犬を常に身近に感じて、少しずつ死を受け入れていくという方法もあると思います。