ひと昔前はスパゲティーの呼び名でお馴染みだったが、いつからパスタと呼ぶようになったのだろうか?
大人から子供まで大好きな「パスタ」。実はスパゲティーはパスタの一種にすぎないのだ。
イタリア語でパスタ(pasta)は、日本語の「麺類」と同じ意味をもつ。パスタは主に、スパゲッティのように細長い「ロングパスタ」と、マカロニやペンネのような短い「ショートパスタ」に分けられる。
そもそもパスタは小麦粉をこねて作るものだが、この種類というのが大変多く、イタリアでは地方独特の物も含め、その数なんと650種類(誰が数えたのだろう)以上あると言われているから驚きだ!
そんなパスタは具材を変えることにより、さまざまなバリエーションを楽しむことができるので、今や家庭料理としても定着しつつある存在だ。パスタをグツグツ茹でれば、愛犬もその様子が気になってしょうがないだろう。
ということで今回は、パスタと犬の相性について紹介していく。
パスタの原料は何だろう?犬が食べても大丈夫?
パスタの主な原料は小麦粉だ。小麦粉はたんぱく質(グルテン)の質と量の順に、「強力粉」→「中力粉」→「薄力粉」と呼び名が異なる。
この中でパスタ作りに適しているのは強力粉。特に「デュラムセモリナ」と呼ばれる、デュラム小麦を粗挽きしたものが、パスタ用の小麦粉として多くのパスタに使用されている。
パスタをよく見ると、色がうっすら黄色くなっていると思うが、それはデュラムセモリナそのものの自然の色なのだ。
その基本的な作り方は、デュラムセモリナ粉に水や塩を混ぜ合わせ、空気を抜くようにこねるというもの。「生パスタ」は日本の麺類と同じように仕上げるが、「乾燥パスタ」はこねた材料を機械に入れ、空気を抜きながら成形し、そのまま乾燥させる。
では、実際にどんな栄養が含まれているか、生パスタを例に見てみよう。
- カロリー・・・・247kcal
- カリウム・・・・76mg
- カルシウム・・・12mg
- マグネシウム・・18mg
- ナイアシン・・・1.1mg
- 食物繊維・・・・1.5g
- 食塩相当量・・・1.2g
(※引用:日本食品標準成分表2015年版(七訂)生パスタ100gあたりの数値)
こうして見ると、意外にもカリウムや食物繊維なども含まれているようだ。
また、特に犬に有害な成分は含まれていないので、パスタそのものを与える分には問題ないのだ。
パスタに含まれる栄養と効能をチェックしよう!
カリウム
カリウムは、体に含まれている余計な塩分(ナトリウム)を排出する効果があることから、利尿作用や血圧を下げる働きに期待ができる。
ナイアシン
ナイアシンはビタミンB3とも呼ばれ、基本的には肉や魚に多く含まれている成分。
糖質・脂質・タンパク質の代謝には欠かせない。循環系、消化器系・神経系などの働きをサポートしてくれる。
意外にもパスタには食物繊維も含まれている。その割合は100gあたり、不溶性0.7g、水溶性0.8gとほぼ同程度。
便質の改善や便通を促す働きがあるほか、コレステロールの吸収を抑制する作用にも期待ができる。
犬に美味しく与える3つのテクニック
ドックフードと一緒に与える場合はカロリーを把握しよう
犬にとって1日の必要なカロリーは、犬種や年齢、去勢の有無などで異なるが、目安として4㎏の小型犬342kcal、10㎏程度の犬で666kcalほどとされているようだ。
参照:UG pet.com ≪犬のカロリー量計算・犬のカロリー概算表≫
パスタ100gあたりのカロリーは247kcalと多い。ドックフードをメイン食にしている方は、カロリーオーバーにならないように与える量は上手にコントロールしてあげよう。
ちなみにパスタ100gは、ペットボトルの「飲み口」に入る太さとほぼ同量である。自宅に空きペットボトルがあれば、パスタを量る目安として代用するのもよい。
手作り食派の方は、肉や野菜と組み合わせよう
もっともな話だが、パスタだけでは栄養が不足してしまう。
そのため、手作り派の方は肉や野菜などと組み合わせて不足しがちな栄養を補ってあげるといいだろう。
また、パスタを茹でる時に、まろやかな下味をつけるために「塩」を入れるが、パスタを作る段階でも塩を使用しているため、愛犬用には「別茹で」するのが望ましい。
パスタ自体に含まれる塩分程度なら何の問題もないが、必要以上に摂取しないよう気をつけよう。
卵アレルギーがある場合はパスタの種類もチェックしよう!
パスタの原料は小麦であるため、小麦アレルギーばかりに気をとられてしまうが、パスタの種類によっては卵や全卵粉を使っているものもある。
また、原材料に卵を使っていない場合でも、「本品製造工場では卵を含む製品を生産しております」と表記している商品もあるので、愛犬が卵アレルギーをお持ちの場合は、必ずチェックするようにしたい。
ちなみに、白米または玄米を原材料にした「ライスパスタ」「ライスマカロニ」など、お米独特のもちもちっとした食感が楽しめるパスタ麺もある。
こうした商品は大型スーパーなどで並んでいることが多いので、小麦アレルギーが気になる方はぜひお試しを。
さいごに
パスタと聞くとどうしてもイタリアンを想像してしまうが、実はパスタは和にも洋にも合う。
しかも、季節の野菜を使うことにより、夏はさっぱり、冬は濃厚、といろいろなバリエーションが楽しめるのも魅力のひとつだ。
今や犬用の手作りレシピを検索しても、パスタを使ったレシピがたくさん紹介されている。
それらを参考に、自分と愛犬に合ったパスタメニューを研究するのも面白い!