犬の内股は病気?こんな時には要注意

犬 内股
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犬たちが歩く姿や足の形をじっくり見たことがあればわかると思いますが、人間の足の形に個性があるように犬にも内股やガニ股などの個性があります。

生まれつきであればとくに気にしなくともよいことが多いのですが、成長するに連れてひどくなることがあります。

また、ある日突然に愛犬が内股やガニ股になって歩くようになった時は気をつけた方がよいかもしれません。

ここでは愛犬の足の形や歩く姿が気になったりするようになった場合に、気をつけておきたいことなどをご紹介します。

 

犬が内股歩きなどをするようになったら?

それまではふだん通りに普通に歩みを見せていたワンちゃんが、急におかしな動きを見せるようなったら、もしかすると膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう:パテラ)を起こしているかもしれません。

初期の段階では痛みを感じないことがあり、動きがそれまでと比べて極端に変わらないと飼い主さんが気づかず、ワクチン接種やほかの疾患で診察された時についでに指摘されることがよくあります。

痛がらない場合でも次のような症状がみられたら、一度診察してもらうとよいでしょう。

  • たまに足を上げていることがある
  • 膝のあたりからコキコキと音がする
  • ほかの同じ種類のワンちゃんと比べて動きや立っている際の足の形がどこか違う

 

歩き方がおかしくとも痛がらないなら様子をみても大丈夫?

痛がることがなければワンちゃんの日常生活に支障はありませんが、数年経ってから痛がる場合があるため、発見したらはやめに治してあげましょう。

また、次の合併症を起こすことが多く、その際には痛がるようになり、最悪歩けなくなることもあります。

  • 変形性関節症
  • 前十字靭帯断裂
  • 長趾伸筋腱断裂
  • 半月板損傷

 

膝蓋骨脱臼の種類と分類

膝のお皿が大腿骨のみぞから左右どちらかにずれることで起こりますが、ワンちゃんの足の形によって次の2つの種類に区別できます。

 

外方脱臼

膝の皿がみぞから外側にずれています。

ワンちゃんを立たせた時に内股になり、大型のワンちゃんに多いのですが、ダックスフンドなどでも割と多いとされている脱臼です。

 

内方脱臼

膝の皿がみぞから内側にずれている状態で、ワンちゃんを立たせた時にガニ股になります。

小型のワンちゃんに多く見られますが、とくに次のワンちゃんたちに多いと言われています。

  • トイ・プードル
  • チワワ
  • ヨークシャー・テリア

 

膝蓋骨脱臼のグレード分類ってなに?

獣医さんの視診と触診による身体検査の結果、4段階に分けられます。

決められた検査などはなく、獣医さんの主観で判定します。

  • グレード1:膝のお皿を触ると簡単に外れ、手を離せば正しい位置に収まる
  • グレード2:膝を曲げ伸ばしするだけでも、簡単にお皿が外れることが多い
  • グレード3:お皿が外れたままの状態であっても、手で押すと元の位置に戻せる
  • グレード4:お皿はいつも外れている状態となって、手で押し込もうとしても戻らない

グレード2になるとワンちゃんが時々足を伸ばすしぐさをするので、飼い主さんが気づくようになり、場合によっては手術が必要になることがあります。

そしてグレードが4に到達するとワンちゃんが、いつもお皿がずれている足を持ち上げるようになるので3本足で歩き回るようになり、早く治しておかないと骨が変形して治らなくなるかもしれません。

 

犬の前足が内股かガニ股だったら?

前足の形がほかのワンちゃんとくらべて少し違うように見えると、何か悪い疾患ではないかと心配ですが、歩き方が少しおかしいとしても、ワンちゃんが普通に歩いたり走ったりしているなら心配ないとされています。

もし不安があれば、安心のために診察してもらっておくとよいでしょう。

 

犬が内股座りなどをしていたら?

いつもキチンと前後の足をそろえて座っていたはずのワンちゃんが、ふと見ると人間の女の子が座るように膝をつけてペタンとお座りをしていている姿をよく見かけます。

また、横に足を投げ出して横座りをしたりしていることもありますが、その姿を見るともしかしたら何らかの疾患ではないかと疑り心配してしまう飼い主さんが多いのではないでしょうか?

でも、それらの姿を見せるのはワンちゃんが気をゆるしてくつろいでいるだけのことが多いのです。

ただ、次のような症状を見せていたら股関節形成不全などの疾患を発症している可能性がないとは言えませんので、気になるようであれば動物病院に連れていって相談してください。

普通に座わっていたワンちゃんが、急にこれまでと違う姿勢で座るのを見せるようになった

  • 歩く際に足を引きずるようなしぐさを見せる
  • 足を気にして痛がるそぶりが見られる
  • 歩き方が明らかにおかしい

 

犬の内股は病気?こんな時には要注意・まとめ

ここまでご紹介したように、愛犬の内股歩きやガニ股歩きは必ずしも疾患であるとは限らないのです。

人間に個性があってそれぞれ足の形や歩き方が違うように、犬の足の形や歩き方もさまざま見られます。

ただ、昨日まで普通に立っていた愛犬が急に内股やガニ股になったら注意が必要となります。

また、座り方が急に変わるのも関節に何らかの障害が起こっているかもしれません。

何かおかしいと感じたら、まずはかかりつけの獣医さんに診察してもらいましょう。

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