ご先祖のオオカミは夜行性で、夕暮れから夜にかけて狩りをしていました。
オオカミの末裔である犬もまた夜目がきくので、実は暗い所が大好きとされています。
夜に留守番させる際は、暗いとかわいそうだし、困るだろうと電気を点けてあげたくなりますよね。
でも、実は愛犬は夜目がきいて暗くてもしっかり見えているとされているのです。
ここではそんな犬の目の構造の人との違いなどをご紹介します。
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犬が暗いところを好きなわけ
祖先のオオカミが洞穴で過ごしていた名残か、犬は狭くて暗いところが好きらしい。リラックスして過ごしている。 pic.twitter.com/rjslWuldc5
— シーボ (@seabo) August 22, 2021
ワンちゃんたちがその昔、野生のオオカミだったころは群れで集団生活をしていました。
オオカミたちは身を守るために狭い穴ぐらを寝どことする穴居生活をしていて、夕暮れから夜にかけて集団で狩りをする毎日でした。
そんなことが現代のワンちゃんたちのDNAに刻み込まれているとされて、暗くて狭い場所を好むと言われているのです。
そして、穴ぐらでの生活のもう一つの名残が、狭いところを好むことです。
寝る前リビングなどでくつろいでいる時、ふと気づくとワンちゃんが、ソファーと壁のすき間やテーブルの下などに潜り込んでいることがあります。
これは狭い穴ぐらの中と同じように、壁などにくっついていることで安心しているのだと言われています。
クレートをハウスにしてあげよう!
このような習性を利用して、中型以下のワンちゃんならばクレートをハウスにすることをおすすめします。
中が狭い移動用のクレートで寝かせるのはかわいそうに思われるかもしれませんが、実は穴ぐらを思わせるクレートの方が安心するワンちゃんは多くいます。
クレートで寝る習慣をつけておくと、万が一の災害時に避難所にも入れてもらえることがあります。
近年、災害が多い日本ですから、非常時に備えてワンちゃんも一緒に避難できるようにしておいてはいかがでしょうか?
犬は暗闇でもトイレの場所がわかるってホント?
犬が暗闇で飯食ってるwww pic.twitter.com/TqDhQOHFBO
— 類😈多忙につき低浮上 (@louistill3) September 6, 2018
夜中にワンちゃんがゴソゴソ動く気配を感じることがあると思います。
部屋の中は真っ暗ですが、トイレでオシッコする音と水を飲む音が聞こえ、そのうち静かになったのでどうしたかと電気を点けると寝床に戻り寝ていることがあります。
このように、ワンちゃんのは人間と違って暗闇の中でも活動することができるとされています。
犬の夜目がきくのは、暗いと目が光るからってホント?
暗闇に光るデカ犬の目。 pic.twitter.com/Z7XCAVubn4
— Nicola Days (@nicola0115) September 4, 2013
ワンちゃんと一緒に写真を撮る際に、カメラのフラッシュを焚くとその光が反射して、ワンちゃんの瞳だけが緑色に光っていることがあります。
また夜散歩中に、車のヘッドライトに照らされる時も緑色に光って見えます。
これは眼球の構造が人と違うからで、ワンちゃんにはタペタム膜という薄い板のような膜があるからなのです。
タペタム膜の働きとは?
このタペタム膜は反射鏡のような役割を果たしていて、光を反射してそれを感じ取る部位を刺激します。
そのため、ワンちゃんはより多くの光をとらえることができて、人間が動くことができない暗さでも昼間と変わらずに動くことができるとされています。
この光をキャッチする細胞には次の2つがあります。
- 桿状体:光の明暗を感知する
- 錐状体:色を認識する
人間では桿と錐の比率が2対1ですが、ワンちゃんでは17対1とされていて、より光を受け取ることができるようになっています。
タペタム膜のデメリットとは?
光への感度を高めるタペタム膜ですが、反射する光が少しずれてしまう欠点があります。
そのためにワンちゃんが見る映像は少しぼんやり見えて、視力としては人間の三分の一程度しか見えていないと言われています。
ただ、前述したようにご先祖以来、ワンちゃんは暗くなってから狩りをする動物です。
見え方が鮮明であるよりも夜目がきく方が有利ですし、ワンちゃんたちは優れた臭覚と聴覚を持っているので問題はないとされています。
電気を消すと吠える犬は不安を感じている
電気消すと天井と壁からトントントン、ピシッ トンッて音がする。
犬も音に反応して吠えるしなんかいそうなんだけど… pic.twitter.com/skXMocCo4D— 、 (@ikarechihuahua) January 23, 2015
ここまでワンちゃんは暗いところが好きとご紹介してきましたが、電気を消すと鳴きだすワンちゃんがいます。
こうしたワンちゃんは、過去に暗闇の中で怖かったことや嫌なことがあって、不安な気持ちになっているから鳴くと考えられています。
分離不安から鳴く
以前に暗い場所で取り残されたような経験があるワンちゃんは、電気を消されるとそのことを思い出して不安になって鳴くという、分離不安を起こしているとされています。
暗闇で怖いことがあった
小さかったころに暗いところに閉じ込められて怖い思いをした、暗がりの中で穴に落ちたなどの経験があるワンちゃんは、暗くされるとそのことを思い出すことがあると言われています。
病気などで夜目がきかない
歳を取って白内障や緑内障などの病気を患って視力が落ちているワンちゃんは、夜だと周りを確認できないので怖がります。
病気が原因の場合は、獣医さんの診察を受けて治療してあげてください。
光が全くない室内
少しでも光があれば動くことができるのがワンちゃんですが、全く光が感じられないほどの暗闇の中では、動けなくなり恐怖を感じて鳴き出すのです。
犬は夜目がきく!暗くて狭い所が大好きってホント?まとめ
犬は本能的に狭くて暗いところが
落ち着く。
特に無防備になる眠りにつく夜は狭い小屋に自ら入れろとせがむので入れてやると眠る。
間違っても人と同じベッドでは
寝かさないようにしている。 pic.twitter.com/ygcIvVvRMG— Bar DonJuan&馬鹿犬ネギ (@bar_donjuan) March 11, 2019
夜行性のオオカミの子孫である犬は人間以上に夜目がきく動物です。
飼い主さんが心配して電気を点けたままにしなくとも、暗い室内がちゃんと見えています。
そして、暗いところだけでなく狭いところも好きとされているので、寝床にクレートなどを用意してあげると安眠できるかもしれません。
また、夜の留守番で灯りがなくとも、犬は夜目がきくので大丈夫です。
むしろ明るいと落ち着かないかもしれませんので、電気を点けずにお出かけしてもよいでしょう。