犬の狼爪が折れた!グラグラしているけど切除した方がいいの?

犬 狼爪
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犬の足には人間の親指にあたる指に狼爪とよばれる爪が付いています。

これは地面から離れた部位にあるので歩くことにおいては関係のないものです。

ワンちゃんが狼だったその昔、荒れ地を歩く際にスパイクのような働きをしていたとされていますが、今では不要となって退化したと言われています。

ふだん気づかないでいて、ふと足をチェックした時に見つけてビックリする飼い主さんが多いようです。

通常の生活では使うことのないものですが、犬の狼爪はほかと同じように伸びるためその処置をどうしようか迷う飼い主さんは多いでしょう。

ここでは狼爪についての解説します。

 

犬の狼爪とは?紀州犬や川上犬などの日本種に多いってホント?

ワンちゃんの4本の足の親指の痕跡で、かかとより高い位置にあります。

生まれつきないワンちゃんが多く、また有っても被毛に隠れていたりするので、気づかないことが多い爪です。

ご先祖が狼だった証との意味で狼爪と呼ばれています。

狼に近い日本種のワンちゃんたちに多いとされ、中でも紀州犬と川上犬では遺伝的に多いと言われています。

 

犬の後ろ足の狼爪がグラグラで取れそう!

現代のワンちゃんにはなくとも良いものですが、無理に切り取る必要はありません。

一般的には前足のものはほかの指と同じように骨格と筋肉があり、神経や血管が繋がっているため指として見ることができます。

しかし、後ろ足のものは退化して骨格がなく、皮膚や結合組織などでぶら下がっているだけの状態のワンちゃんがいます。

グラグラしていることもありますが、痛がっていなければ急いで取らなくとも大丈夫ですし、自然に取れることがあります。

また、生まれた時から後ろ足にはないワンちゃんもいます。

 

犬が狼爪を噛むので折れた!出血していたら切除

害があるものではないので切り取らなくてはならないことはありませんが、主に次のような理由で取り除かれます。

 

怪我の防止

何かの拍子に狼爪を周囲に引っかけてしまい、折れたりすることがあり、時には指が折れてしまうこともあります。

あるいは、ワンちゃん自身が気にして噛むことで折れて出血してしまうことも多々あります。

これらのケースでは取り除くことを勧められます。

そして、それを防ぐためにあらかじめ切除しておくブリーダーや飼い主さんが多いようです。

延ばしっぱなしにしておくと巻き爪となり、肉球に食い込んでしまうことがあるのでそれを予防する意味もあります。

 

ドッグショーや販売のためのスタンダードに合わせる

ブリーダーの中にはうまれてすぐに取り除くとする考え方があります。

ジャパンケネルクラブが犬種ごとのスタンダードと言うものを決めていて、それによって取り除くべきとされているワンちゃんでは切ることになります。

このスタンダードとは犬種ごとのあるべき姿を定めたもので、美容的な見た目の基準です。

 

スタンダードについて

JKCで狼爪について決められている取り去るべきワンちゃんと残して良いワンちゃんは以下のとおりです。

 

取り除くべきとされている主なもの

  • オーストラリアン・シェパード
  • ニューファンドランド
  • アラスカン・マラミュート
  • サモエド
  • シベリアン・ハスキー
  • チワワ

 

残すことを許容されている主なもの

  • ブリアード
  • グレート・ピレニーズ
  • セント・バーナード

このほかにも別種のワンちゃんが挙げられています。

ブリアードとグレート・ピレニーズでは重なって2本生えてくることがありますが、スタンダードではそれがより好ましいとされています。

 

犬の狼爪のケアは?トイ・プードルの狼爪が巻き爪になった!

地面に接しているものは歩くことで自然に削れることもあって、いつも切る必要がありません。

たまたま伸びているのを見つけた時にカットするくらいで良い場合がほとんどです。

しかし、狼爪は地面に接することがないためにどんどん伸び続けます。

しかも内側に巻き込まれるように伸びるために皮膚や肉球に食い込んでしまいます。

トイ・プードルなどのように被毛が長いワンちゃんでは伸びていることに気づかず、いつのまにか出血していて化膿することがあります。

そのため取っていないワンちゃんの場合は、月に1度ほど爪切りでカットしてくださいね。

 

犬の狼爪の切り方

切る前に以下のものを用意します。

  • 犬用爪切り
  • 止血用ガーゼ
  • 止血剤
  • 爪ヤスリ

爪切りは必ずワンちゃん用のものを用意しますが、ヤスリや人間用のものでもOKです。

これらを手元においていつでも手が届くようにしておき、他のものの切り方と同じようにしてカットします。

  1. ピンクに見える血管が通っている部分との境目を確認する
  2. ワンちゃんを抱っこする(2人がかりで1人が遊びで気を引いているうちにカットしても良い)
  3. スライスをするように少しずつ切り進める
  4. ピンクの部分の手前に近づいて断面の色が変わったら止める
  5. 切り終わったら角をヤスリで丸く削る

最後に爪ヤスリで丸く削っておくと飼い主さんをケガさせたりすることや、家具などを傷つけることを防ぐことができます。

またワンちゃんが自分の身体を掻いた際に傷つけることもなくなりますよ。

 

もし切り過ぎて出血したら

気をつけていても、切り過ぎてしまい出血することがあります。

止血剤があればそれを、ない場合は指やガーゼをあてて圧迫しながら止血しましょう。

それでも血が止まらない場合には獣医さんに処置をしてもらってください。

また、自分でカットする自信がなければ無理をせずにトリミングサロンでカットしてもらいましょう。

強引にやろうとして痛い思いをさせてしまうとトラウマとなって二度とさせてくれなくなってしまいます。

 

犬の狼爪の切り方で気をつけること

ワンちゃんが爪切りを嫌がるのには以下のような理由が考えられます。

  • 身体を触られたくない
  • 痛い思いをしたことがある
  • 切る際の体勢が落ち着かない
  • 気持ちが乗らない

これらを避けるためには、ワンちゃんが気持ち良く協力してくれるように準備をしましょう。

 

爪切りに使う道具に慣れさせる

ワンちゃんが爪切りやヤスリなど、全く見たことがなければ怯えてしまうかもしれません。

使う前に遊びながら道具を見せて、匂いをかがせるなどして慣れさせましょう。

見ても嫌がらないようになったら、それで身体や足にちょっとだけ触れてみて慣らします。

その際に声かけも忘れずに、遊びの延長のようにして楽しませながら慣れさせると良いですね。

 

足先を触る事に慣れさせる

まず、足先を触られることを嫌がるようではとても無理でしょう。

身体に触れることを嫌がるワンちゃんには遊びながら、触っても大丈夫なところを見つけて、そこから少しずつ触る範囲を広げます。

最終的に足先に触っても平気になるまで根気強く慣らしましょう。

また、嫌がることが治らないワンちゃんには次の3つのことを試してみてください。

 

少しでもおとなしくしていたら、とにかく褒める

これが楽しいことだと認識させてあげることが大切です。

ちょっとでも切らせてくれたら思いきり褒めてあげましょう。

ついでに美味しいオヤツをあげても良いですね。

おとなしくしていたらいいことがあると思わせることが肝心ですよ。

 

ワンちゃんの姿勢を確認する

切ることに夢中になって、ワンちゃんの体勢が苦しい状態になっていませんか?

それでなくとも嫌なことを苦しい姿勢でやられては暴れたくもなるでしょう。

身体が小さいワンちゃんなら仰向けに抱っこしてあげても良いですし、大きいワンちゃんでも身体を包み込むようにして安心させてあげましょう。

 

ワンちゃんの大きさに合う爪切りを用意する

大きさに合った爪切りを選ぶことが大切です。

いろいろなタイプのものが売られていてサイズもさまざまあります。

最近は音の静かな電動のものなどもあって、衛生的に安全に切ることができますよ。

ただし、電動タイプの場合は振動や音に敏感に反応するワンちゃんがいるほか、普通の爪切りでのパッチンという音を嫌がる子もいます。

見せるだけでなく、音にも慣れさせてから切るようにすると良いでしょう。

 

それでも嫌がる時には

いろいろ試してもやっぱり嫌がるワンちゃんにそれ以上の無理強いをしてはいけません。

心の底から嫌いになってしまったら、トリミングサロンなどでも嫌がるようになってしまいます。

麻酔をかけることを避けたいなら、時間をかけて根気よく慣らしていくようにしてくださいね。

 

犬の狼爪を切除する手術費用は?

取り除く費用は大人のワンちゃんの場合で5,000円~10,000円程度とされています。

切ってちょっと縫うだけの手術ですが、暴れると危険なので全身麻酔での施術となります。

しかし、ペットショップやブリーダーさんが販売する子犬の場合も、麻酔をかけて切られたのでしょうか?

答えはNoで、生後2日~5日くらいで麻酔なしで切り落とされています。

ブリーダーや一部の獣医師の間では「生まれたばかりの子犬は痛さを感じない」という理屈で実施しています。

しかし、この説は信憑性に欠けていて、むしろ子犬は神経が過敏との説もあります。

このことは、断尾や断耳の問題と合わせてインターネット上でも議論を呼んでいます。

 

犬の狼爪が折れた!グラグラしているけど切除した方がいいの?まとめ

犬の狼爪は生活の上で必ずしも必要なものではないとされています。

伸びた爪が何かに引っ掛かって要らぬケガをするなどの弊害もありますので、切除できるものならなくても良いでしょう。

しかし、だからといって麻酔をかけてまで切除しなくてはならないものではありません。

ましてや生まれたばかりに麻酔もかけずに取ってしまって良いとも思えません。

犬をブリーダーやペットショップから購入する時には、狼爪について少し考えてみてください。

愛犬にとって狼爪を切除することが良いのか悪いのか、飼い主さんが考えてあげてくださいね。

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