犬が精巣腫瘍に!手術費用や治療方法等を紹介

犬 精巣 腫瘍
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ワンちゃんのタマタマってかわいいですね、でももしかして左右の大きさが違ってませんか?

はっきりわかるほど大きさに違いがあったら要注意ですよ。

犬の左右の睾丸の大きさが極端に違っていたら、精巣腫瘍かもしれません。

この疾病は高齢でよく見られ、年齢を考えると摘出するべきかどうか悩む疾病です。

腫瘍が大きくなっても痛がらず、発見が遅れることがあります。

また、良性のものが多いながら転移するタイプの癌種だったケースでは手遅れになることも。

ふだんから愛犬の睾丸をチェックし、早く発見することが大切ですね。

ここではそんな精巣腫瘍の病態や治す方法を紹介させていただきます。

精巣腫瘍はどんな疾病なの?

精巣に腫瘍ができて、見てわかるほど大きく腫れる疾病です。

実は、痛みやこれといった症状が出ないので、検診した際に偶然わかるケースが多いのです。

ほとんどが良性で、1割程度は転移する恐れがあるとわかっています。

その誘因はよくわかりませんが、生まれつき精巣が身体の中に残ったままの「停留精巣」という状態のワンちゃんで発生リスクが高いようです。

なお、発症しやすい種類はこちらです。

  • ボクサー
  • シャーマン・シェパード
  • アフガンハウンド
  • ワイマラナー
  • シェットランド・シープ・ドッグ

 

どういう種類の癌腫?症状は?

腫瘍の種類は主に以下の3種類です。

 

間質細胞腫(ライディッヒ細胞腫)

4割はこのタイプで、ほかの2種に比べてあまり大きくなりません。

また転移はほとんどありません。

 

セルトリ細胞腫

3割はこのタイプと言われ、女性ホルモンの高エストロゲン血症が起こり乳房が雌のようになり乳汁が出るほか、脇腹に左右対称に脱毛が起こったりします。

これもまた良性で、まれに(15%以下)肝臓、肺、リンパ節に転移する恐れがあることがわかっています。

 

精上皮腫(セミノーマ)

特に停留精巣で見られることが多く、まれにセルトリ細胞腫と同様に雌性化が現れることがあるようです。

こちらもセルトリ細胞腫と同じようにリンパ節や肺に転移する恐れがあります。

 

治すにはどうするの?余命は?

摘出しておくのがファーストチョイスです。

転移が少ないですから、摘出さえできればしっかり治るようになるのです。

ただし、転移してしまったケースではそれらの部分も切除しなければならず、放射線や化学療法を状況によって加えることになり、そういった際は副作用などでかえって余命が短くなるケースがあるので恐いですね。

また再生不良性貧血が起きているケースは輸血による対症療法だけしかありません。

放射線療法は精上皮腫(セミノーマ)で有効という報告があるので、積極的に施行されているようです。

また化学療法は人用の抗がん剤であるシスプラチン、カルボプラチン、ドキソルビシンが効果があると認められていて、化学療法を施されたら生存期間が延びたデータがあります。

 

手術の費用はいくらかかるの?助成金や補助など

転移がなければ、一般に行われる去勢の料金とほぼ同じです。

施設や種類、大きさ、病状によって違うので一概には言えませんが、下記の料金が相場のようなので参考にしてくださいね。

  • 診察料:1,000~2,000円
  • 施術料:30,000円~
  • 病理検査:15.000円~

このほかに助成金や補助金が支給される自治体があるので、お住まいの市区町村に確認をしておきましょうね。

なお、転移があればこのほか放射線療法も化学療法を行うケースもあり、その際はかなりお高めになります。

もし、去勢を受けないのであれば保険に入っておくことがおすすめですが、会社によっては癌を治すことが目的であったとしても補償の対象にならないケースがあるそうです。

入ることを検討するならば、しっかり確認しておいた方が良いでしょう。

 

精巣腫瘍を予防するには?

発生の予防は、原因がわからないことから難しいとされています。

これを予防するのに最良の方法は若いうちに去勢をしてタマタマを取っておきましょう。

それによって、前立腺が誘因になる疾病やほかの病気を防げますし、肛門周辺の面倒な疾病も防げるようになります。

また、施術によって攻撃性を抑えるほか問題行動を抑制することにもなりますので、かかりつけの獣医さんと相談の上で早い段階で施術しておくと良いでしょう。

小さいワンちゃんをもらった時はタマタマの様子をしっかりと確認しておきましょう。

もし万一にも、停留精巣の状態でしたら、腫瘍ができやすくなる恐れがありますので、できるだけ早く去勢するようにした方が良いでしょう。

もし何もしないまま放置されて高齢になってしまっていたら、できるだけこまめに定期的に検診をしてもらいましょう。

早期発見がワンちゃんを救うことになります。

ただし、高齢ではほかに持病があったりして、全身麻酔をかけることができなくなり取り出すことが難しいケースがあるので、そのことは心しておいてください。

 

犬の精巣を取ってしまうメリットってなに?

精巣が体内に留まっている停留精巣でなければ、ふくろの部分を少し切開するだけですので、身体を傷つけることが少ないというのはメリットのひとつです。

そのほかにも若い時に受けておくと得られるメリットがたくさんあるのです。

オス特有の病気を予防を期待できる

これらの病気を予防できます。

  • 精巣腫瘍
  • 前立腺疾患(腫瘍、肥大)
  • 肛門周囲腺腫
  • 会陰ヘルニア
  • 性ホルモンが起こす脱毛症

 

マーキングを減らすことができる

男性ホルモンが盛んに分泌されるようになるとマーキング行動が始まるようになります。

それは散歩の際に片足を上げて電柱にやたらにオシッコをかけるあの行動ですが、室内で飼っている際に環境の変化があれば家の中でオシッコをかけまくるようになるケースがあるのです。

例えば以下のようなことがあると室内でも粗相をするようになります。

  • 新たに同居人が増えた(知らないワンちゃんだけでなく人やほかの動物なども)
  • 新しい家具などを購入して設置した
  • 引っ越して新しい家に入居した
  • 飼い主さんとの分離不安を感じたほか、恐いと感じることがあった

このような状況におかれると、ふだんはトイレでちゃんとするオシッコを、そこら中にかけるようになるかもしれないので気をつけましょう。

この困った行動は去勢をするとなくせるのですが、ある程度歳を取ってすでに習慣づいていてしまったワンちゃんでは止められないことがあるとされます。

 

ストレスが減る

去勢してないワンちゃんでは、縄張り本能などからほかのワンちゃんを攻撃したりするばかりか、それをがまんさせられるとストレスを感じるようですが、そのような感情がなくなります。

 

予定外の繁殖を防ぐことができる

ドッグランで飼い主さんが目を離したすきに交尾をしちゃったというような「事故」による望まない繁殖を防げますよ。

また、多頭飼いならば処置をしておきさえすれば、不要な繁殖を避けられるので安心できますね。

 

取ってしまうとデメリットもあるの?

精巣がなくなるので性ホルモンのバランスが崩れ、それによって太りやすい体質となるようです。

施術した後は食事の管理をしっかり行った上で、きちんと運動をさせて肥満させないようにしましょう。

また体毛のつやがなくなる、毛の質や色が変わるなどの現象が現れるケースがあるようです。

先に攻撃性がなくなるメリットがあると説明しましたが、逆にもともとシャイだった性格がさらに臆病になったというようなケースもあるようです。

なお、去勢のおかげで寿命が延びるとの説があると耳にしますが、今のところはそれらに関連性が認められたという報告はないようですよ。

 

停留精巣での摘出は費用がかかる?

精巣が身体の中に入ってしまっている停留精巣のワンちゃんは開腹して取り出すことになります。

ふつうであれば日帰りや1泊程度で退院できるのですが、このケースでは最低でも2泊以上の入院になるので、よりたくさんのお金がかかることになります。

しかし、こういったワンちゃんでは睾丸がお腹の中にあり、高い温度の刺激によって腫瘍ができやすくなるとされ、それはふつうのワンちゃんの10倍以上だとも言われています。

やはり体内にあることが判ったら、できるだけ早く取っておく方がワンちゃんには良いと思います。

 

犬が精巣腫瘍に!手術費用や治療方法等を紹介・まとめ

犬の精巣腫瘍は症状がほとんどなく、転移が少ないことから腫瘍としての危険度は低いと言えますが、それでも放置しておくとどんどん大きくなって歩行困難になるなどのほか、ほかの病気を併発してしまうこともあります。

そのために精巣腫瘍になってしまってから摘出手術をするよりも、若いうちに去勢しておくことがおすすめです。

また、オス犬は生まれた時には精巣が体内にあって成長とともに体外に出るのですが、これが残ったままの停留精巣の状態で成長してしまうと、精巣腫瘍になる確率が10倍になると言われています。

そのことからも若いうちに去勢をしておくメリットは大きいのではないでしょうか。

さらに、そのほかのオス犬特有の疾患の予防にもなるので、飼い主さんには愛犬が精巣腫瘍になる前に摘出手術を受けてしまうことをおすすめします。

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