和食の朝ごはんの定番といえば「鮭」。
スーパーの鮮魚コーナーに行けば、「養殖物」や「海外産」など、今や安価で味も美味しいものが1年中手に入る時代。しかし国産の鮭も負けてはいない。秋から冬にかけての「秋鮭」は特に脂の乗りが格別で、この上ない美味しさが味わえるのだ!
しかも、食用として一般に流通しているサーモンは、およそ8種類あると言われており、世界の漁獲量の3分の1近くを日本人が消費しているというのだから驚きだ!
今回は、そんな日本人に馴染みのある鮭と犬の相性について詳しく解説していきます。
それでは早速見ていきましょう!
犬は鮭を食べても大丈夫?
結論から先に言えば、犬は鮭を食べても大丈夫です。
しかも、鮭に含まれる栄養価は非常に豊富なので、犬に積極的に与えたい食材とも言えるでしょう!
その理由の一つとして、血中コレステロールを低下させ、血液の流れを良くして血栓をできにくくする効果があるEPAや、コレストロールを抑える作用とともに、脳細胞の成長を促し活性化して、ボケを防ぐ働きがあるDHAなどが多く含まれています。
他にも、ビタミンA、B、B1、B2、E、をはじめ、特にビタミンDは豊富に含まれています。ビタミンDは犬の骨を形成するカルシウムやリンの吸収を高めるために必要な栄養素でもあります。
犬に与える鮭のパワー!その栄養価を見てみよう!
みなさんは「鮭の身」といえば、鮮やかな紅色の身をイメージすると思いますが、実は本来「白身の魚」というのはご存知でしょうか?
日本の川で生まれた稚魚は、海を目指して川を下り、遠く離れたオホーツク海やベーリング海、アラスカを回遊して、産卵のために生まれた川へと戻ってきます。
その後、河口で暫く過ごしてから産卵場を求めて川を遡上するのですが、鮭にとっては命がけの行為のため、たっぷりと餌を食べて体力を養う必要があるんです。
この時食べる餌の中に豊富に含まれているもの、それが「アスタキサンチン」なのです!
本来、白身の魚である鮭は、アスタキサンチンの赤い色素を持つオキアミやエビなどをエサにしているのですが、その色素が体内に蓄積されていく内に、鮭の白身が紅色やオレンジ色に変化する…という訳なんです。
まさに、食物連鎖!
しかも、アスタキサンチンは高い抗酸化作用があり、活性酸素による細胞の酸化を弱めたり、除去する働きがあります。犬にとって期待される効果としては、
- 筋肉疲労の予防、回復
- 脳の衰えや免疫力の維持
- ガン予防の効果
などがあります。
命がけで遡上をする鮭。そのスタミナの秘訣はアスタキサンチンの成せる力かもしれません♪
犬に鮭を与える前に知っておきたい事とは?
犬に与える際は味付けはもちろん不要ですし、できれば加熱処理したものを与えてあげましょう。
それと、おにぎりやご飯のおともに使える「鮭フレーク」ですが、基本的に塩分が高めですので犬には与えないように注意しましょう♪
生で与える場合は必ず刺身用を選ぶ!
スーパーなどでよく目にする「トラウトサーモン」や「アトランティックサーモン」は、チリやノルウェー産の養殖物がほとんどで、100円寿司のネタにも使われるほど人気が高いです。
主にこれらの養殖品(刺身用やサク状で売られているもの)は、アニサキスによる寄生虫の心配はないものの、時期にになると天然鮭が出回ってきます。
その際に注意しなくてはいけないことが、加熱用の「天然鮭」を生で与えないこと!です。
養殖とは違い、天然ものはアニサキスがいる可能性が高いので必ず加熱処理しましょう。
犬に与える時は必ず骨を取り除く!
加熱した魚を与えるときに注意したいのが魚の骨。
犬は人間と歯のつくりが違うため、細かくすりつぶすのは得意ではありません。しかも、犬は食べ物を丸飲みする性質を持っているので、骨のついた魚を与えてしまうと、そのまま丸飲みしてしまいます。
結果、その骨が喉や内臓に刺さってしまう危険性がありますので、与える際は必ず骨を取り除くようにしましょう。
犬には鮭の皮もOK!
焼いた鮭の皮を残す人は多いと思いますが、実は鮭の皮には良質なコラーゲンが豊富に含まれています。
コラーゲンには関節の滑りを良くする効果はもちろん、細胞の代謝を良くしてくれる効果にも期待が持てます♪
しかも、皮のすぐ下の脂質には、DHAやEPAといった不飽和脂肪酸も多く含まれていますので、鮭の皮も与えてあげるのも良いかもしれません。
愛犬に皮を与える場合は、食べやすいサイズにカットしてあげるのも忘れずに♪
塩鮭は塩分が多いので与えない!
スーパーの鮮魚コーナーで売られている鮭には、大きく分けて「生鮭」と「塩鮭」の2種類があります。
生鮭は塩を添加していないもので、旬の時季に多く出まわるのが特徴。
一方の塩鮭は保存がきくように鮭に塩を振って水分を出したもの。また、鮭の切り身の中には「甘口」や「中辛」、「甘鮭」とパックに表示されたものもありますが、塩水に漬けて防腐性を高めたもので、当然塩分は含まれています。
犬に与える場合は塩を添加していない生鮭を調理して与えるようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回のまとめとしては、
- 犬に鮭を与えてもOK。しかも皮まで栄養豊富!
- 鮭に含まれるアスタキサンチンは高い抗酸化作用がある。
- 犬は丸飲みする性質があるため、必ず骨を取り除いてから与える。
- 鮭は塩を添加していない生鮭を選ぶのが大切。
「鮭」と一口に言っても、育った環境の違いによってその種類は様々。今や輸入ものや養殖が多く、安価で味も美味しいものが出回っています。
鮭は犬にとっては嬉しい栄養素が多いので、手作りメニューやトッピングなどで上手に取り入れてみるのも良いかもしれません。
また、鮭(サケ)は”栄える”という言葉に通じる縁起物として「年取り魚(としとりざかな)」としても知られています。
そんな縁起のいい鮭を愛犬と一緒に味わってみてはいかがでしょうか♪