【専門家監修】犬にコンソメを与えても大丈夫?ブイヨンとどう違う?塩分も紹介

犬 コンソメ ブイヨン
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犬 コンソメ ブイヨン

顆粒タイプや固形タイプ、ビーフやチキンといった食材などによってさまざまな種類があるコンソメ。

洋風スープや煮込み料理などにサッと利用できるので、手軽に洋風の風味を出すのに非常に便利。肉や野菜、魚介類など多くの食材との相性もいいので、幅広い用途に使える万能調味料だ。

 

とはいえ、コンソメとは一体何でできているのだろうか?日本でいう「出汁(だし)」のイメージに近いものを感じるが、実際はどうなのだろう?そういえば、「ブイヨン」といった言葉もよく耳にする。

今回は、コンソメを犬に与えても大丈夫なのかリサーチしていこう。

 

【専門家監修】大谷幸代

専門家 監修
【動物関係の保有資格】専門学校講師、愛玩動物飼養管理士・トリマー・アロマセラピスト・ホリスティックケアカウンセラー・ペット食育士・ペット災害危機管理士・マウスケアメンター等

 

 

 

コンソメとブイヨン、どう違う?

犬 コンソメ ブイヨン

コンソメとブイヨン、洋風料理では必ず耳にする言葉だが、両者は何が違うのだろうか。

 

ブイヨンとは?

ブイヨンは、フランス語。肉や野菜などを長時間煮込んでとった出汁(スープ)そのもののことをさす。

日本の家庭で昆布やかつお節から出汁をひくように、フランスでもブイヨンは家庭で手作りされる。じつは日本では、このブイヨンがコンソメだと混同されることが多い。

 

コンソメとは?

一方のコンソメは、ブイヨンにさらに脂肪の少ない肉や野菜、調味料などを加えて味付けしてから煮込んだもの。フランス語で「完成された」という意味を持つ。

つまり、両者ともベースは同じだが、調味されており、味がしっかりと付けられて完成しているものがコンソメというわけだ。

 

例え方を変えれば、犬に「味噌汁」を与えるとして、水と昆布(かつお節)でとった出汁=ブイヨン、これに味噌や具材を加えて完成した味噌汁=コンソメ、というイメージだ。

そう考えると、出汁=ブイヨンは良いとしても、完成したコンソメには何が材料になっているのか気になるところ。次の項で詳しく紹介していこう。

 

市販されているコンソメの材料とは?

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市販されているコンソメの材料は、各メーカーや製品によって若干異なるが、基本的に鶏肉や牛肉、野菜をベースに使っているものが多い。

 

ここでは人気の高い『味の素のコンソメ』で原材料をチェックしてみよう。

 

●味の素KKコンソメ 『固形タイプ』 (内容量111.3g)

食塩、乳糖、砂糖、食用加工油脂、野菜・肉エキス(はくさいエキス、チキンエキス、酵母エキス発酵調味料、ビーフエキス、食用油脂)、香辛料、野菜エキス、しょうゆ、果糖、酵母エキス/調味料(アミノ酸等)、加工でん粉、酸味料、(一部に小麦・乳成分・牛肉・大豆・鶏肉を含む)

出典:味の素KK コンソメ<固形タイプ>

 

 

●味の素KKコンソメ 『顆粒タイプ』 (内容量50g)

食塩、乳糖、砂糖、食用加工油脂、香辛料、はくさいエキス、酵母エキス、しょうゆ、果糖、キャベツエキス、オニオンエキス、ビーフエキス、チキンエキス、酵母エキス発酵調味料、野菜エキス/調味料(アミノ酸等)、酸味料、(一部に小麦・乳成分・牛肉・大豆・鶏肉を含む)

出典:味の素KK コンソメ<顆粒タイプ>

 

こうして見てみると、固形と顆粒タイプでは若干材料が異なるものの、実に様々な材料が使われていることが分かる。

この中で特に気になるものと言えば、オニオン(玉ねぎ)エキス、食塩、アレルギー物質に乳成分・小麦・大豆などが含まれているということ。玉ねぎは犬や猫、牛などの食中毒でも知られる「玉ねぎ中毒」のリスクがある。どの程度の量が含まれているかは不明だが、リスクを冒してまで使用する必要はないだろう。

 

気になる塩分とカロリー

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ついでに、塩分と栄養成分、カロリーなどもチェックしておこう。

 

●味の素KKコンソメ 『固形タイプ』

固形キューブ1個(5.3g)の栄養成分表示
エネルギー:12kcal、たん白質:0.38g、脂質:0.24g、炭水化物:2.2g、食塩相当量:2.5g

出典:味の素KK コンソメ<固形タイプ>

 

●味の素KKコンソメ 『顆粒タイプ』

顆粒小さじ2杯(5.3g)の栄養成分表示
エネルギー:12kcal、たん白質:0.38g、脂質:0.24g、炭水化物:2.2g、食塩相当量:2.5g

出典:味の素KK コンソメ<顆粒タイプ>

 

塩分やカロリーともに、固形・顆粒はどちらも同じ。

ただ、食塩相当量が5.3g(小さじ2杯)程度の量で2.5gと非常に高いことには驚きだ。しょっぱい食べ物の代表格である「梅干し」と比べてみても、梅干し1粒(約20g)に含まれる塩分量は、塩漬けの梅干しでは4.4g、調味料漬けでは1.5gとなっている。

仮に「コンソメを薄めて使う」としても、他の食材の塩分+1日に必要な塩分量の把握、さらにコンソメの分量の計算も入れるとなると、とても難しいものになるだろう。

 

ちなみに、犬の身体が必要とする1日のナトリウム摂取量は、体重1㎏あたり50mgと言われている。

これを塩分に換算してみると、体重1㎏あたりで0.127gとなる。例えば体重10㎏の犬では1.27gが適量ということになる。塩分は犬にとっても必要不可欠だが、これでは過剰摂取のリスクのほうが心配だ。

 

 

さいごに

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味付けに迷ったときに、十分使い勝手のよいコンソメであるが、少量でも塩分は高めということは知っておこう。

特に、手作り食を与えている飼い主さんは、コンソメが使えるかどうか悩みどころではあるかと思う。しかし、材料を見てみると簡単には使えない調味料でもあるようだ。

人間にとっては手軽で便利な万能調味料だが、犬の食事にはおすすめできない調味料である。

 

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