【獣医師監修】犬はシイタケを食べても大丈夫?シイタケの栄養と効能

シイタケ
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シイタケ

日本食には欠かせない食材「シイタケ」。今やスーパーなどでも必ず見つけることができるお馴染みのきのこだ。

昔は人工栽培やがなかなか上手くいかず、今のようにシイタケ栽培を成功させていなかったら、松茸と同じくらい、もしかしたらそれ以上の高級品になっていたかもしれない食材であったほどだ。

 

今でこそ一年中食べることはできるが、シイタケの旬は春と秋。

きのこといえば秋というイメージがあるかもしれないが、秋に収穫されたものは「秋子」と呼ばれ、香りが高いのが特徴。一方、春ものは「春子」といい、旨味が強く、肉厚で美味しいという。

 

もちろん年中食べることはできるが、旬の時期にだけ味わえる味覚も食したいものだ。

 

そんなシイタケ、犬も基本的には食べれると聞くのだが、一体どのような栄養が含まれているのだろうか?

今回はシイタケにスポットをあて栄養と効能、与え方のポイントなどを紹介していく。

【獣医師監修】班目美紀

専門家 監修
麻布大学獣医学部獣医学科卒。現在は動物病院で小動物臨床獣医師として勤務。

 

シイタケは犬にとっても栄養満点な食材なのだ!

しいたけ

実はシイタケには優れた栄養がたくさん含まれている。

シイタケで特に注目したいのは「βグルカン」と呼ばれる成分。このβグルカンは、きのこ類や酵母などに多く含まれる多糖類の一種であり、食物繊維の仲間とされる。

 

βグルカンは食物繊維の一種だが、免疫力を高めアレルギーの改善や予防効果、ガンに対する予防効果があると考えられている。βグルカンは1940年代に発見され、現在ではシイタケに含まれるβグルカンの一種である「レンチナン」が抗ガン剤としても実用化されているほどだ。

 

また、シイタケには「エリタデニン」という、肝臓の働きをサポートする成分が含まれている。この成分はきのこ類の中でもシイタケやマッシュルームにしか含まれない成分というのも特徴であるのだ。

シイタケは他にも、カルシウムの吸収を助けるビタミンD、便秘改善や便通を促す不溶性食物繊維が多く含まれ、ビタミンB1、2、のB群、カリウムや鉄などといったミネラル成分もバランスよく含まれている。

 

シイタケに含まれた優れた栄養素を知って、食事にも上手に取り入れていけば、愛犬の健康を守ってあげられそうだ!

 

シイタケに含まれる犬に役立つ栄養と効能

シイタケの栄養

βグルカン

βグルカンは、きのこ類や酵母などに多く含まれる多糖類の一種であり、食物繊維の仲間とされる。

免疫力を高めアレルギーの改善や予防効果、ガンに対する予防効果があると考えられている。

 

エリタデニン

シイタケの笠に多く含まれる成分。

肝臓の働きをサポートし、血液中のコレステロールが増えるのを防いでくれる働きがある。

また、この成分には血圧を下げる効果もあるので、血液をサラサラにし高血圧の予防にも役立ってくれる。

 

エゴステロール

シイタケには「エゴステロール」という成分が含まれており、これは紫外線(太陽光)を浴びるとビタミンDに変化する。そのため、生シイタケよりも干しシイタケのほうが、この成分を多く含む。

ちなみに、生のシイタケを購入した場合でも、食べる前に30分~1時間でも天日に干すとビタミンDが倍増するという。気になる方は、ぜひ試してみてほしい!

 

ビタミンD

食べ物以外にも日光を浴びることにより、体内でもある程度は作ることが可能なビタミン。しかし、犬は被毛があるため人間に比べて作られる量は少ないという。

ビタミンDは、骨や歯の健康には欠かせない、カルシウムやリンの吸収をサポートし、血中カルシウムの濃度をコントロールする働きがあると考えられている。

犬は人間よりも必要量が多いと言われているので、不足しないよう摂取したい。

 

食物繊維
 

シイタケに含まれる食物繊維の割合は、100gあたり不溶性3g、水溶性0.5gと、不溶性食物繊維を多く含む。

便質の改善や便通を促す働きがあるほか、コレステロールの吸収を抑制する作用にも期待ができる。

 

与える前におさえておきたい3つのポイント

シイタケ

犬に与える際は「加熱」が基本!

人間でも、きのこの生食は「腹痛・嘔吐・下痢」といって食中毒症状が起きてしまうので、あえてリスクの高い「生食」に挑むのは避け、安全な加熱調理をしたうえで犬に与えるようにしよう。

飼い主さんも、生食後に体に湿疹がでる「しいたけ皮膚炎」など、調理の仕方によっては食中毒になってしまう可能性もあることは覚えておきたい。

 

シイタケは食物繊維が豊富

きのこ類といえば食物繊維が豊富に含まれているが、シイタケも例外ではない。

シイタケの食物繊維は100gあたり3.5gと豊富であるため、「便通に良さそうだから」と思って与え過ぎてしまうと、逆に消化不良や下痢気味になることもあるので適量を心がけたい。

 

また、犬は肉食よりの雑食動物なためきのこ類の消化をあまり得意とはしない。消化器官も人とは異なるのだから、細かく切り刻んだものを与えるようにしよう。

 

食物アレルギーがないか様子を見守る

アレルギーの原因となるものをアレルゲンと呼ぶのだが、実は食べ物全てにアレルゲン要素があることは知っておきたいところ。初めて与える時は少量から与えて、痒がったり嘔吐したりしないか、愛犬の様子を見守ってあげるのも大切だ。

 

干しシイタケの賢い戻し方

干しシイタケ

生のシイタケを天日や熱風で乾燥させたものが干しシイタケ。スライス状や、どんこと呼ばれる厚みのあるものもあるが、どちらを犬に与えてもOK。

もちろん、水で戻してから与えるのが基本だが、短時間で戻し、且つ旨味を引き出すには、干しシイタケを細かくしてから水で戻すのがおススメ。こうすることにより、水との接触面積が増えて、早く戻すことができる。

 

水で戻した後も、茹でたシイタケをフードに加える場合は「茹で汁」も少し加えるのがよい。シイタケに含まれるビタミンB群は水溶性なので、茹で汁を捨ててしまってはもったいない。溶け出したエキスごと摂れるようにしよう!

 

干しシイタケの賢い選び方

干しシイタケといっても、姿形が整ったものほど高価になる。

そのため、刻んで使うなどの用途が決まっている場合は、形が不揃いなために安価なものやスライス済になっているものを選ぶのも賢い方法だ。

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番外:野生のきのこには近寄らせないようにしよう!

野生きのこ

一般的にキノコの種類は6万種を超えると言われており、その中で食用になるのは、およそ200種類なのだとか。

みなさんも、公園や道端に自生する『野生のきのこ』を見かけることはないだろうか?

毎年、秋になるときのこによる食中毒のニュースを見るが、野生のきのこは、生育時期、場所などで形態が異なり、毒きのこ食用きのこかを見分けることは大変難しいとされている。

中には、独特の臭いがある「きのこ」もあるので、犬が間違えて食べないよう、野生きのこには近寄らせないよう要注意だ。

 

さいごに

シイタケ

今やシイタケは日本を代表するきのこのひとつであり、「shiitake」の名前で世界中に知られている。

シイタケは手頃な値段で1年中手に入れることができ、そのうえ栄養がとても豊富だ。

 

煮ても、焼いても美味いシイタケ。直射日光に当て、ビタミンDをパワーアップさせてから愛犬と食べるのもいいだろう。

ぜひ、愛犬の食事にも活用して健康な日々を送ってほしい。

 

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