【獣医師監修】犬にきゅうりを与えても大丈夫?脂肪の分解・代謝向上に効果あり!?

犬 きゅうり
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犬 きゅうり

きゅうりと言えば、みずみずしくシャキシャキした食感で、サラダや漬け物、そのまま味噌や塩をつけてかじるのも美味い。

また、身体を冷やす効果があると言われており、夏に積極的に食べたい野菜のひとつだ。

とはいえ、昔はそれほど注目された食材ではなかったきゅうり。

きゅうりの歴史は江戸時代に中国から日本に伝えられ食用となったが、当時はきゅうりの断面と徳川家の葵の家紋と似ていたため、武士はきゅうりを食べることは禁忌とされていた野菜であった。

しかし、江戸時代後期になると、熱冷まし、喉の渇きを止める、利尿作用がある、などの理由から一躍人気になる。そして現在に至るまで品種改良が施されて、癖のないシャキッとした食感と水分をたっぷり含んだきゅうりが主流になってきたのだ。

話は少し脱線したが、みなさんの食卓でもお馴染みのきゅうり。ここでは、犬ときゅうりの相性について紹介していこう。

【獣医師監修】班目美紀

専門家 監修
麻布大学獣医学部獣医学科卒。現在は動物病院で小動物臨床獣医師として勤務。

 

犬にきゅうりを与えても大丈夫!

犬 きゅうり

じつは、きゅうりは「世界一栄養がない果実」として、ギネスブックで堂々1位に挙げられている。

とはいえ、まったく栄養がない訳ではない。

カリウムやβカロテン、体内の脂肪の分解・代謝向上に効果があるとされているホスホリパーゼなど、犬の健康維持には役立つ栄養素がしっかり含まれているのだ。

 

他にも、ビタミンCを筆頭にビタミン類やミネラル類が少量ながらもバランスよく含まれている。

もちろん、これらの成分は犬にとって害はないので、きゅうりを犬に与えても問題はない。

 

 

犬にとって「きゅうり」の栄養と効能

犬 きゅうり

きゅうりと一言でいっても、いろいろな品種があるのはご存知だろうか?

スーパーなどで売られているきゅうりのほとんどが「白いぼきゅうり」と呼ばれているもの。

他に「黒いぼきゅうり」や「下賀太きゅうり」、「四葉きゅうり」など、その種類は様々ある。品種により食感の違いはあるものの、きゅうりに含まれる栄養や水分量はほとんど変わらないので、犬に与える場合はあまり品種にこだわる必要はないといえる。

では、実際にどのような栄養と効能があるのか見ていこう。

 

ビタミンC

犬は体内でビタミンCを合成できるが、だからといって摂取しなくてもいいわけではない。年齢と共にその能力は低下するので長期的に摂取したい栄養素の一つ。

ビタミンCの主な働きは免疫力アップ、白血球の機能強化、腸内環境を整えるなど、犬の健康維持には欠かせない栄養素なのだ!

 

ビタミンK

ビタミンKの役割は、出血した時に血液を固めて止血する働きのほか、骨に存在するタンパク質を活性化し、骨の形成を促す作用がある。

犬は腸内細菌によってビタミンKが合成されると言われているが、それだけで1日の必要量を補えないともいわれている。したがって、普段の食事からも補ってあげるのも必要といえるだろう。

 

カリウム

カリウムは、体に含まれている余計な塩分(ナトリウム)を排出する効果があることから、利尿作用血圧を下げる働きに期待ができる。

 

βカロテン

βカロテンには抗酸化作用があり、ガンの予防老化予防に効果的と言われている。しかも、βカロテンは必要な量だけ体内でビタミンAに変換するという優れもの。ビタミンAは、視力を維持するには欠かすことのできない栄養素の一つだ。

 

ホスホリパーゼ

ホスホリパーゼと聞いても、ピンとこない方も多いのではないだろうか。

ホスホリパーゼとは脂肪分解酵素。昨今、きゅうりに含まれていることが分かり、ダイエット法などで注目を集めている。その主な働きは、体内の脂肪の分解、代謝向上に効果があるとされている。

 

与える前に知っておきたいこと

犬 きゅうり

犬にきゅうりを与える場合は、味付けなどは当然ながら不要。

人間が食べるように味付けしたものを与えてしまうと、犬にとってはになる恐れがあるため注意が必要だ。他にも、与え方や上手な栄養の摂り方などをまとめてみたので順をおって説明しよう。

 

与え方の基本

犬は食べ物をよく噛まないで丸飲みしてしまう性質があるので、消化不良の原因となりやすい。

まずは、適度な大きさに切ってから与えるのだが、きゅうりの「皮」の部分は皮を剥いた中身部分よりも硬い。細かく切り刻んだり、喉に詰まらないサイズに切るなど、手を抜かずに行いたい。

 

それと、きゅうりの95%は水分でできている。適量は犬にとって水分補給になるのだが、与えすぎは下痢の原因になることも知っておこう。

 

 

上手な栄養の摂り方

きゅうりの皮の部分には、意外にもβカロテンが多く含まれているのはご存知だろうか?

だが、前項でも述べた通り、きゅうりの皮部分は硬く消化に悪い。そのため、皮に含まれる栄養も摂取するなら消化に良いようすりおろしてから与えるようにしよう。

 

また、きゅうりの皮といえば、青臭かったり、イボイボしてるので皮を剥いて捨てる方も多いだろう。

しかし、青臭くてイボがチクチクと刺さるほどのきゅうりは鮮度がいい証きゅうりのイボは包丁の背で簡単にこそげ落とすことができる。

せっかく愛犬にきゅうりを与えるのだから、鮮度がいいものを選んであげよう。

 

 

食物アレルギーがないか様子をみよう!

アレルギーの原因となるものをアレルゲンと呼ぶのだが、実は食べ物全てにアレルゲン要素があることは知っておきたいところ。

初めて与える時は少量から与えて、痒がったり嘔吐したりしないか、愛犬の様子を見守ってあげるのも大切だ。

 

 

きゅうりにも「アク」はある!?

ククルビタシンという言葉を皆さんはご存知だろうか?

きゅうりを食べた時に感じることのある「苦味」、実はこの苦味成分の正体が「ククルビタシン」呼ばれる成分。つまり「アク」というわけだ。

 

上手なアク出しのやり方としては、きゅうりのヘタ(先端部分)を切って、ヘタを切った切り口にこすり合わせるだけ。こうすることによって、苦味成分を減らすことができるので、気になる方はぜひ試してみてほしい。

 

 

さいごに

犬 きゅうり

きゅうりと言えば夏が旬だが、今や1年を通して売られているお馴染みの野菜。

手軽に食べられることもあり、愛犬におやつやトッピングで与える機会も多いのではないだろうか。

お世辞にも栄養が豊富。とは言い難いが、愛犬ごはんのレパートリーにも加えてみたい食材だ。

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