グレープフルーツの原産地は西インド諸島。
18世紀に発見されたものが最初といわれ、ブンタンとオレンジが自然交配してできたものと推測されている。その名の由来は、ぶどう(グレープ)のように房状に実を付けることから、この名がついた。
グレープフルーツは他の果物と比べると酸味が強く、それほど甘さを感じはしないが実際はどんな果物なのだろうか。
今回は、犬とグレープフルーツの相性に加えて、グレープフルーツの隠された栄養と効能について紹介する。
犬にグレープフルーツを与えてもいいの?
グレープフルーツの成分は89%以上が水分でできている。
一見、水分量が多いように感じるが、抗酸化作用をもつビタミンCが含まれており免疫力アップに期待ができる。
他にもビタミンB1、B2、カリウム、ナイアシンなど、犬の体の調子を整えるのに欠かせない栄養素もグレープフルーツには幅広く含まれているのだ。
一方、グレープフルーツには「ソラレン」という中毒物質も含まれている。柑橘類が犬にとって良くないと思われているのは、このソラレンがあるからだと考える方も多い。
しかし、よほどの量を犬が食べない限りは中毒症状は出ないと言われている。
ソラレンは皮の部分に多く含まれているため、外皮は与えずジューシーな果肉部分だけを与えれば犬にとっても栄養抜群の果物であるのは確かだ。
ただし、グレープフルーツは薬との相性が悪く、飲み合わせには注意が必要だと言われている。愛犬が薬を服用している場合は念のため獣医師に相談してから安心していただくといいだろう。
犬にとってグレープフルーツの栄養と効能とは?
ビタミンB1
ビタミンB1はエネルギー代謝に必要な栄養素といわれ、記憶力や認知機能を正常に保つ働きや、脈拍数や血圧が上がりすぎないように調節する。別名、「神経系のビタミン」とも表現され、ビタミンB1の欠乏は運動失調や神経伝達に障害が発生しやすくなる。
ビタミンB2 (リボフラビン)
糖質、脂質、タンパク質を分解する酵素のサポート役として働く。
別名「発育のビタミン」とも言われ、発育促進に重要な役割を果たしてくれる。ほかにも、皮膚、被毛、爪などの細胞を作るためにも必要。
ビタミンC
ナイアシン
カリウム
カリウムは、体に含まれている余計な塩分(ナトリウム)を排出する効果があることから、利尿作用や血圧を下げる働きに期待ができる。
クエン酸
柑橘類に多く含まれる「酸っぱさの元」が、クエン酸と呼ばれる成分である。
クエン酸には、疲労の原因である乳酸の増加を抑制、分解する作用があるため疲労回復に期待ができる。他にも、吸収されにくい成分を吸収されやすい形に変えて吸収したり、体内の有害物質を排出しやすい形に変えて排出する「キレート効果」にも注目されている。
食物繊維
グレープフルーツには水溶性食物繊維であるペクチンが含まれている。ペクチンは腸内の悪玉菌を体外に排出し、便秘を予防する働きはもちろん、コレステロールの吸収を抑制する作用にも期待ができる。
まずは与え方のポイントを押さえておこう!
まれに、春から夏にかけて鹿児島・熊本・和歌山などで栽培される国内産を見かけることもあるが、日本で流通しているものの大半は輸入されたグレープフルーツが多い。
輸入柑橘類の多くは、輸送に数週間かかる船の中でカビだらけになってしまう。そのため、ポストハーベスト(収穫後に散布する農薬)として、防カビ剤が使用されている。
輸入柑橘類の外皮には、基準値を超えることはなくても、防カビ剤は少なからず残留してることは知っておこう。
与え方のポイント③ 食べ物すべてにアレルゲン要素がある
アレルギーの原因となるものをアレルゲンと呼ぶのだが、実は食べ物全てにアレルゲン要素があることも知っておこう。
初めて与える時は少量から試してみて、痒がったり嘔吐したりしないか、愛犬の様子を見守ってあげるのも大切なことだ。
さいごに
グレープフルーツは世界中から輸入しているので、季節を問わず1年中食べられる。ずっしりとした丸いボディには、実に様々な栄養が摂取でき、疲れた体をいたわるのにもオススメの食材である。
しかも、その甘すぎないすっきりとした香りは、気持ちを高揚させてリフレッシュさせてくれる。
グレープフルーツは食べる以外にも、香りでリラックスさせてくれる効果もあるのだ。
与え方のポイントをしっかりマスターして、愛犬のおやつやご褒美などに是非とも使ってみてはいかがだろうか。