【獣医師監修】犬はゴーヤを食べても大丈夫?愛犬の健康管理に活用!

犬 ゴーヤ 健康
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犬 ゴーヤ 健康

沖縄料理ブームの影響から広く知られるようになった、独特の苦味が特徴のゴーヤ。
「ゴーヤ」とは沖縄の方言であり、実際は「ツルレイシ」「ニガウリ」とも呼ばれている。

 

原産地は、インドを中心とする東南アジア。それが中国に伝わり、日本には15世紀頃に渡来してきたと言われている。

初めて沖縄にゴーヤが来た時期については明確にはなっていないが、琉球王国時代の書物「琉球国由来記」にニガウリの記述が見られることから、18世紀初頭にはゴーヤはすでに渡来していたと考えられている。

 

ゴーヤといえば、とにかく「苦い!」というイメージが強いが、その苦みにこそ栄養が豊富に含まれているのはご存知だろうか。好き嫌いが分かれる食べ物だが、実は意外にも喜んで食べる犬は多いようだ。

今回は、ゴーヤの栄養と犬に与える効能、与え方のポイントなどを紹介したい。

【獣医師監修】班目美紀

専門家 監修
麻布大学獣医学部獣医学科卒。現在は動物病院で小動物臨床獣医師として勤務。

 

犬はゴーヤを食べても問題ない?

犬 ゴーヤ 健康

ゴーヤの特徴とも言える独特の苦味。

この苦みの正体は「モモルデシン」という成分で、胃腸の粘膜保護、食欲増進などの効果が期待できる。

 

また、他の栄養素をみても、ビタミンCをはじめとしたビタミン類、カリウム、カルシウムなどのミネラルが豊富に含まれている。

しかも、ゴーヤの良いところは、これら犬の健康維持には欠かせない成分がバランスよく含まれているので、効率よく栄養を摂取することができるのだ。

 

一方、犬にとって害を与える成分は含まれてはいないので、ゴーヤは犬に与えても問題ない野菜と言えるだろう。

 

犬にとってゴーヤの栄養と効能は?

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ビタミンC

犬は体内でビタミンCを合成できるが、だからといって摂取しなくてもいいわけではない。年齢と共にその能力は低下するので長期的に摂取したい栄養素の一つ。

ゴーヤにはトマトの5倍ものビタミンCが含まれており、さらに熱に弱いとされるビタミンCだが、ゴーヤのビタミンCは熱で壊れにくいと言われている。

ビタミンCの主な効果は、抗酸化作用、免疫力の向上、コラーゲンの生成を促す、などの働きに大活躍してくれる栄養素だ。

 

ビタミンB1

ビタミンB1はエネルギー代謝に必要な栄養素といわれ、記憶力や認知機能を正常に保つ働きや、脈拍数や血圧が上がりすぎないように調節する。

別名、「神経系のビタミン」とも表現され、ビタミンB1の欠乏は運動失調や神経伝達に障害が発生しやすくなる。

 

 

ビタミンK

ビタミンKの役割は、出血した時に血液を固めて止血する働きのほか、骨に存在するタンパク質を活性化し、骨の形成を促す作用がある。

犬は腸内細菌によってビタミンKが合成されると言われているが、それだけで1日の必要量を補えないともいわれている。したがって、普段の食事からも補ってあげるのも必要と言える。

 

カリウム

カリウムは、体に含まれている余計な塩分(ナトリウム)を排出する効果があることから、利尿作用血圧を下げる効果が期待できる。

 

 

βカロテン

βカロテンには抗酸化作用があり、ガンの予防老化予防に効果的と言われている。しかも、βカロテンは必要な量だけ体内でビタミンAに変換するという優れもの。

ビタミンAは、視力を維持するには欠かすことのできない栄養素の一つ。

 

 

モモルデシン

モモルデシンと言っても、初めて聞く方がほとんどではないだろうか?

ゴーヤ特有の苦みは、このモモルデシンが含まれていることが原因。

これによって、好き嫌いがハッキリ分かれると言っても過言ではないだろう。だが、この苦み成分には胃液の分泌を促す作用があり、食欲増進の効果が期待できる。

他にも、胃腸の粘膜保護、自律神経に働きかけてバランスを整える可能性があるとして注目されている。

 

与え方のポイントを知っておこう

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ゴーヤは食物繊維を多く含む

適量であれば便通を良くして軟便や便秘を改善してくれる食物繊維だが、ゴーヤは他の野菜と比べて食物繊維を多く含んでいる。

犬の腸はなどの消化吸収は得意ではあるが、野菜などの消化吸収は難しいとされている。消化を得意としない犬にとってみれば、繊維質の多いゴーヤは消化できずに便と一緒に排出される可能性が高くなってしまう。

 

生食を避けるのはもちろん、消化しやすいよう加熱処理したものを与えよう。

また、ゴーヤを食べさせた後は便の状態をよく確認したい。いつもより大量に「糞」をするようであれば、食物繊維を摂りすぎている可能性が高い。

 

 

ゴーヤの種とワタは大丈夫?

種やワタにも当然栄養は含まれているが、消化の面でいえば「種」は犬に与えないほうが無難。同じウリ科のスイカの種と比べても2~3倍大きいため、与える際は、種は必ず取り除くようにしよう。

 

ちなみに、我々人間にとっては「共役リノール酸(体脂肪を減少させ太りにくい体質にする効果)」と、呼ばれる成分が種に含まれているため、ダイエット中(メタボ含む)の方には注目されている。

 

話は少し脱線したが、ワタの部分はどうなのか。

これは食べてみると分かるのだが、苦みはほとんどない。また、ビタミンCは皮の部分よりも1.7倍以上含まれているので栄養価も実は高い。

 

よく料理のレシピで「ワタをこそげ取りましょう」と記述されているものが多く、捨ててしまいがちな部分ではあるが、ワタの部分をしっかり加熱してあげれば、意外にも柔らかく食べやすいのでオススメ。

気になる方は、是非試してみてほしい。

 

 

胃液の過剰分泌による腹痛

前項でも、モモルデシンという苦み成分が胃液の分泌を促す作用があると伝えたが、摂りすぎてしまうと逆効果になってしまう場合がある。

 

摂りすぎによって胃液が過剰分泌されれば、胃に負担をかけてしまい腹痛の原因に繋がってしまう恐れがあるのだ。

適量であれば消化の助けとなるが、過剰摂取にならないよう心掛けておくことも大切である。

 

 

食物アレルギーがないか様子をみよう!

アレルギーの原因となるものをアレルゲンと呼ぶのだが、実は食べ物全てにアレルゲン要素があることは知っておきたいところ。

初めて与える時は少量から与えて、痒がったり嘔吐したりしないか、愛犬の様子を見守ってあげるのも大切だ。

 

また、ゴーヤはウリ科の植物。

仲間にはスイカやメロンなどがあるが、これらの食べ物でアレルギー反応が見られる場合は、ゴーヤに対してもアレルギー反応を起こす可能性があるので注意しよう。

 

 

さいごに

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沖縄では馴染みの深い野菜として知られているが、実は暑い夏を乗り切るためには欠かせない、ガーデニングアイテムとしても知られている。

ゴーヤのツルが長く伸びる特性を生かし、窓の外や壁面に張ったネットなどに這わせてカーテンやシェード風に仕立てた「緑のカーテン」は、自宅にいながら森の中にいる気分を味わえる。

ゴーヤは食べる以外にも、こうした楽しみ方があるのだ。

 

苦みが強く、どうしても敬遠されがちな野菜だが、その豊富な栄養面を考えると是非食事にも取り入れたい食材とも言える。「良薬口に苦し」という言葉があるが、まさにゴーヤの苦みこそが栄養であり、美味さとも言える。

長寿大国の沖縄でよく食べられているゴーヤのパワーを、愛犬と一緒に味わおうではないか。

 

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