犬が嬉しそうにしっぽを振って、人の顔を舐めている姿ってよく目にします。
顔の中でも、目元や鼻、口を舐めるときもあれば、手や腕をペロペロ舐めることだってあります。
犬を飼っている方なら誰もが一度は経験があるのではないでしょうか。
そうした可愛い仕草になんだか嬉しくなってしまいますよね。
実はこれ、舐める場所によって犬の気持ちと意味が違ってくるんです。
では、いったいどんな気持ちと意味があるのか、さっそく見ていきましょう。
犬が「口」を舐めるのは?
犬が口を舐める行動には、主に2つの理由が考えられます。
1.親和行動
犬の祖先は狼と言われています。基本、狼は社会性の非常に高い動物で、しかも夫婦は一生添い遂げるくらい絆の強い動物です。
群れをなして生活するため、自分より目上のものには敬意を示す行為(口元を舐める)が名残として残っているのではないかと考えられています。
2.母犬に餌をねだる名残
子犬のころ、消化機能がまだ未発達で母犬が獲ってきた獲物はすぐに食べることができません。
母犬が咀嚼(食物が細かくなるまでよく嚼(か)むこと)をして子犬に与えます。子犬は母犬の口元を舐めて吐き戻しを要求していた名残とも考えられています。
現在では餌の要求というより、甘えの表現が残っているのではないでしょうか。
こうしたことから、口を舐めるのは敬意や愛情表現の表れというのが分かります。
わんちゃんに口元を舐められたら、「大好きだよ!」というメッセージなのは確かです。
たくさん撫でてお返ししてあげたいですね。
犬が「手」を舐めるのは?
これは大きく3つに分けて考えられます。
1.安心している
愛犬が飼い主さんの手を舐めていると、ウトウトしながらそのうち寝てしまう、なんてことありませんか?
それは、大好きな飼い主さんの手がそばにあって安心している証拠です。
2.遊んでもらいたい
飼い主さんの「手」は、犬と一番多く触れる部分になります。
こちらを見ながら手を舐めている時は「一緒にあそぼうよ!」と、アピールしていることが多いです。
たくさん撫でてあげたり、できる限り遊んであげたいですね。
3.情報を得ようと調べている
お出かけして帰ってきた後や料理した後の「手」で、撫でようとすると手の匂いをかいで舐めようとします
「何してきたのかな?」と、手から情報収集しようとしているのかもしれませんね。
また、初対面の人の手を舐めるときは「どんな人?」なのか、情報を得ようとしているための行動とも考えられています。
犬が「足」を舐めるのは?
犬は体液系の匂いが好きなので、顔や手の他にも足を舐める犬も多く見られます。
特に足は顔や手と比べて、汗の臭いや汚れも強く、その臭いに惹かれて舐めてくるのではないかと言われています。
ちなみに、人間の足の裏から酪酸(らくさん)という物質が分泌されています。この酪酸の分子(物質を構成する単位)、革靴でもゴム靴でも靴底を通り抜けて地面にそれが残ります。
その匂いは人間には分かりませんが、犬の嗅覚では嗅ぎ分ける事が可能です。よく警察犬が犯人の足跡をたどるのに地面をクンクン嗅いでるには、そういった理由があるからなんです。
ほかには、一緒に遊んでほしい時にも足の臭いを嗅いでくることもあります。
犬が靴下を好んで遊んだりするのも、飼い主さんの大好きな臭いがまだ残ってるから…なのかもしれませんね。(^^)
さいごに
いかがでしたでしょうか?
愛犬がぺロペロと舐めてくれるのは、飼い主にとっては当然に嬉しいことですよね。(^^)
今どんな気持ちで舐めているのか考えてみたら面白いかもしれません。
しかし、衛生的な面からあまり舐められるのは良くないこともあります。
例えば、ほとんどの犬が人の口や傷口から感染する「パスツレラ菌」を持っており、その症状は、
- 軽い風邪のような症状(重症化すると肺炎の恐れ)
- 咬まれたり、引っ搔かれたりしたあとの皮膚症状
炎症を起こし、激痛、発赤を起こす(重症化すると骨髄炎や敗血症の恐れ)
などがあります。
抵抗力の強い人であれば発症することはあまりないと言われていますが、こういったリスクもあることを知っておきたいですね。