リンゴは犬だけでなく、多くの動物に安心して与えてあげられる健康にいい食品であることはよく知られていますよね。
しかし我が家の愛犬は生まれつき歯がほとんどないので、与える場合はすりおろしにするかリンゴジュースかのどちらかになります。
すりおろしはおろし金でおろすのも、小さな爪に着いたカスを洗うのも面倒ですよね。
ジュースならそんな手間もなくて成分もきちんと決まってるし安心して与えられます。
でもちょっと待って!
そんなリンゴジュースでも気を付けておくべき点があるんです。
愛犬だからこそ、これだけは知っておきたい、リンゴジュースの注意点と与えていい量を紹介します。
Contents
リンゴジュースで起こる犬のアレルギー
出典元:お届けごはん
バラ科アレルギーに注意
リンゴジュースを与える前に先ず覚えておきたいのが、犬だけでなく人間にも当てはまるリンゴのアレルギーです。
リンゴはバラ科の果物なのですが、バラ科には果物アレルギーが多いことで知られています。
身近なものでイチゴ、さくらんぼ、梨、ビワ、桃、杏、スモモ、プルーンetc おいしい果物の代表みたいな名前が並んでいますが、これらはバラ科なので、もしこれらバラ科の果物でアレルギーが出ていた場合、リンゴでも発症する可能性がありますから注意が必要です。
逆もそうで、リンゴジュースでアレルギー症状が出た場合、他のバラ科の果物にも注意しないといけません。
口腔アレルギー症候群とは
犬がリンゴジュースを飲んだときに起こるアレルギーを口腔アレルギー症候群といいます。
アレルゲンが小腸に達する前には消化酵素で壊れるので、ほとんどの場合症状は口腔内に限定されるそうです。
アレルゲンを摂取して約15分以内には口の周囲の、唇、舌、口の中や喉にかゆみやしびれ、むくみなどのアレルギー症状が起こるそうです。
水疱が口の中に出ることもあるようで、かゆがったりして様子がおかしい場合は口の中を見てみるのもいいかもしれません。
大抵はその程度で終わるので次からは与えなければ問題はないのですが、ごくたまに酷い場合はアナフィラキシーショックを起こす場合があります。
ただ熱には弱いので、加熱調理をすれば口腔アレルギー症候群を起こさないようです。
花粉ー食物アレルギー症候群の場合も
リンゴ自体にアレルギーを持っていない犬でもブタクサ、ヨモギ、カバノキ科の植物に花粉症を持っているとアレルギー症状を起こすことがあります。
起こる症状は口腔アレルギー症候群と同じなのですが、これを交差反応アレルギーといいます。
タンパク質の構造の一部が似ていると、体が判別できずに起こすそうなのです。
その場合はバラ科の果物全般に注意する必要があります。
その他バラ科全般でなくリンゴ単体で起こる交差反応アレルギーとしてはハシバミ、ハンノキ、ニンジンなどがあげられています。
ニンジンなんかはレトルトのトッピングなどに細かくして含まれていて、アレルゲンとして気付きにくそうですよね。
アレルギー症状が出ても飼い主に判るほどの反応が出るとは限らず、少し喉の奥がかゆいとか唇が痺れるとか、その程度の場合で飼い主が判らないこともありますから、同じレトルトのシリーズでそれだけが喰いつきが悪かったりするのは、小さなアレルギーが起こっているからかもしれませんね。
人間にしてもその食品が嫌いなのは、知覚できないアレルギーが起こっている場合もあるようです。
犬に与えられるリンゴジュース
出典元:五月人形・久月・吉徳大光
犬にリンゴジュースを与える場合、手作りジュース・濃縮還元ジュース・果汁100%ジュースの選択肢があるのですが、それぞれの与える上でのメリット・デメリットを見ていきます。
手作りリンゴジュース
愛犬には手作りの食事を与えたいと思われている飼い主さんも多いのではないでしょうか?
手作りジュースで注意しておきたいのはリンゴの「種」は絶対に入れないように、ということです。
微量ではありますが青酸配糖体のアミグダリンと呼ばれる毒性の物質、シアン化合物が含まれていて、呼吸困難や嘔吐、痙攣などを引き起こし、死亡する危険もあります。
皮にはリンゴポリフェノールが実よりも多く含まれていますのでよく洗って入れてあげて下さい。
リンゴを与えるときには消化しにくいので、剥くか細かくするかしかないのですが、ジュースなら手間がないですよね。
濃縮還元ジュース
りんご果汁を加熱にして水分を飛ばしたものに、また水分や甘味料等を加えて作られます。
加熱するのでアレルギーのある犬にも飲めるのですが、手作りや果汁100%のストレートジュースに比べて飛び抜けて良い効果があるわけでもありません。
加熱処理されたときに香りが飛んでしまうので香り付けなどが施され、加糖される場合もあるようなので選ぶなら手作りか100%ジュースにしましょう。
果汁100%ストレートジュース
果汁100%リンゴジュースを犬に与える場合、手作りジュースと同じく果汁をそのまま絞るので、品種を前面に出したものなどは収穫の時期や栽培された地域によって味に違いが出ますよね。
添加物など余分な物を足さないので、栄養価が高く果実本来の味が楽しめます。
リンゴそのままよりもカロリーが低いし、季節を問わずスーパーに置いてあるのもメリットです。
果汁100%ジュースで、「透明」と「白濁」した物の2種類があるのですが、どちらを与えた方がいいということはないようです。
透明の果汁は、果汁を絞った後にフィルターで濾して固形物を取り除くので喉越しがスッキリしていて軽やかな味わいになり、濾過しない白濁したジュースは「混濁果汁」と呼ばれ、リンゴの果肉感が残ります。
犬用のリンゴジュースもある
調べていて犬用のリンゴジュースが二種類あったので、犬用と人用で何が違うのか確認しようと追ってみたのですが、一つは製造元のホームページが見つからず、一つはホームページはあっても製造法や効用などを載せていませんでした。
なので結論的には犬用と人用でどう違うのか解りませんでした。
ただ筆者としては、どう犬用なのか解らないのでちょっと自分の愛犬には与えにくいなあ、とか思ってしまいます。
一般的に動物用の食品は人用と比較して材料も製造方法も劣りますから、人用のもので充分なのに、犬用を買うメリットを示してもらわないとこういう場ではちょっとすすめにくいですね。
筆者の調査力不足を指摘されれば頭を下げるしかありませんが。
犬に与えられる量
出典元:ライフハッカー
ドッグフードのトッピングやおやつにしてリンゴジュースを愛犬に与える場合は、1日に必要なエネルギーの10%~20%以内に収まるようにします。
では犬に必要な分を計算してみましょう。
この計算式は愛犬の食事の適切なカロリーを計算するのにも役立ちますよ。
式は二つあって、2㎏未満と2㎏以上で分かれます。
- 安静時のエネルギー要求量(RER)(kcal)=体重×30+70 (2㎏以上)
- 安静時のエネルギー要求量(RER)(kcal)=70×(体重)0.75 (2㎏未満)
さらに成長段階などライフステージに対応した係数をかけて計算します。
1日当たりのエネルギー要求量(DER)(kcal)=RER×係数
我が家のチワワで恐縮ですが、2.5㎏を例にとって計算してみますと、
安静時のエネルギー要求量 2.5x30+70=145kcal
母の反対で去勢していないので、若い成犬は1.8の係数を掛けます。
この係数は成長段階で変わりますので、愛犬にあった係数で計算して下さい。
1日当たりのエネルギー要求量 145x1.8=261kcal
限の良いところで260kcalの10~20%は26~52kcalということになります。
果汁100%ストレートジュースは100gで44kcalですから最大118gまでは大丈夫ということになります。
リンゴジュースを与える際の注意点
出典元:ペットスマイルニュース
犬にリンゴジュースを与える際に注意してほしい点がいくつかあります。
食物繊維
人より腸の短い犬は食物繊維たくさん消化できません。
食物繊維は市販のリンゴジュースにはほとんど含まれていませんが、手作りジュースの場合はジューサーで食物繊維をよく細かくする必要があります。
子犬や高齢犬は腸に負担がかかり過ぎるので一気に与えずに少しづつにましょう。
金属容器
リンゴポリフェノールは酸化しやすいので、犬にリンゴジュースを与える際は金属容器は避けた方がいいでしょう。
プラスチック製や陶器の容器に入れてあげて下さい。
アレルギーの有無
犬にリンゴジュースを与える場合、最初は水に薄めてアレルギーの有無を確かめることをおすすめします。
果糖が多い
リンゴは果糖が多く含まれていて甘みも強いので、水で薄めるのもよいでしょう。
肥満にも繋がりますので摂取カロリーを守って与えて下さい。
持病がある
リンゴジュースにはカリウムが豊富に含まれます。
体内の塩分を排出する作用のあるカリウムは、腎臓病や心臓病などの持病がある犬には影響が心配です。
腎臓や心臓、すい臓(インシュリン投与など)に持病のある犬や療法食を食べている犬の場合は、事前に獣医師に相談してからにしましょう。
リンゴジュースを安心して犬に飲ませてあげましょう
出典元:みんなのランキング
「一日一個はいしゃいらず」といわれ人間にも犬にも体にいいリンゴジュースですから、高齢犬や病気で弱った犬の栄養補給としてもすすめられることも多いのですが、意外に注意することも多いんですよね。
でもそれは食品全般にいえて、我が家のかかりつけの獣医師などは「犬用の総合栄養食以外はあまりあげないようにして下さい」とおっしゃいます。
それは肥満やアレルギーや犬の病気のことを考えてのことなのですが、飼い主としては可愛い愛犬にお裾分けしたくなります。
ですから面倒でも犬に良い食品、悪い食品を把握して、その食品のメリットデメリットを知った上で適量を与えるようにしたいものです。