メロンといえば、ほかのフルーツに比べて高級で病人へのお見舞い品か、何か特別な日のとっておきの贅沢品ではないだろうか。
その、柔らかい口当たりと甘いメロンになるのは、作り手である農家さんが栽培に手間を掛けて大切に育てているからにほかならない。
そんな甘いメロンは犬の嗜好にもピッタリ合いそうだが、糖分も高いので与える際に注意しなくてはならないこともありそうだ。
犬にとってメロンはどうなのか、さっそく調査してみよう。
犬にとってメロンとは?
メロンには、犬の免疫力アップに効果があるビタミンCをはじめ、ビタミンB1、カリウム、βカロテン、食物繊維のペクチンなど、犬の健康維持には役立つ栄養素がしっかり含まれている。
一方、犬に害を与える成分は含まれていないので、犬にメロンを与えても問題ないと言えるだろう。
ただ、メロンは9割以上が水分と、体を冷やす効果があるので与える量が多いと下痢になってしまう可能性が高い。それと、メロンに含まれる甘みは犬にとっては大好物。
ついつい与えすぎてしまうと、糖分の摂りすぎやカロリー過多になってしまうので注意が必要だ。
与える分には問題ないが、与える量は1~2切れ程度を目安にするとベターだろう。
犬にとってメロンの栄養と効能は?
メロンと一口で言っても、表面に網目が出来る「ネット系」と網目のない「ノーネット系」の2種類のカテゴリーに分けられ、一般的に、ネットの模様が均等であるほど良品とされ商品価値が高い。
また、ネット系でも果肉に青みがかっている「青肉系メロン」や、果肉が濃いオレンジ色をしている「赤肉系メロン」があるのだが、赤肉系メロンは、青肉系メロンに比べ栄養価が高いのが特徴。
赤肉系メロンにはβカロテンが桁外れに多く含まれているのも覚えておこう。
ビタミンB1
ビタミンB1はエネルギー代謝に必要な栄養素といわれ、記憶力や認知機能を正常に保つ働きや、脈拍数や血圧が上がりすぎないように調節する。別名、「神経系のビタミン」とも表現され、ビタミンB1の欠乏は運動失調や神経伝達に障害が発生しやすくなる。
ビタミンC
犬は体内でビタミンCを合成できるが、だからといって摂取しなくてもいいわけではない。年齢と共にその能力は低下するので長期的に摂取したい栄養素の一つ。
ビタミンCの主な働きは免疫力アップ、白血球の機能強化、腸内環境を整えるなど、犬の健康維持には欠かせない栄養素なのだ!
カリウム
カリウムは、体に含まれている余計な塩分(ナトリウム)を排出する効果があることから、利尿作用や血圧を下げる働きに期待ができる。
βカロテン
βカロテンには抗酸化作用があり、ガンの予防や老化予防に効果的と言われている。しかも、βカロテンは必要な量だけ体内でビタミンAに変換するという優れもの。ビタミンAは、視力を維持するには欠かすことのできない栄養素の一つ。
しかも、メロンのワタの部分にはβカロテンが多く含まれている。ザルに種とワタ部分を入れて、スプーンなどで濾した汁を犬に与えるのもいいだろう。ただし、種は消化に悪いので与えないよう注意が必要だ。
食物繊維
メロンには水溶性食物繊維であるペクチンが豊富。ペクチンは腸内の悪玉菌を体外に排出し、便秘を予防する働きはもちろん、コレステロールの吸収を抑制する作用にも期待ができる。
犬にメロンを与える時の注意点
与え方の基本
まず、犬の消化に悪い「外皮」や「種」は必ず取り除くのは基本。
それから、犬は食べ物をよく噛まないで丸飲みしてしまう性質があるので、いくらメロンが柔らかいとはいえ喉に詰まらせないサイズに切って与えるのも大切だ。
それと、みなさんメロンを食べる時は冷やしてから食べると思うが、人間と同様、犬も食べ物や飲み物は「人肌程度」の温度がもっとも消化吸収されやすいと言われている。
人にとって冷えたメロンは美味しく食べるポイントではあるが、犬にとって冷えたメロンはお腹が緩くなり下痢をしやすくなってしまう。
できれば常温に近い温度で与えるようにしよう。
食物アレルギーがないか様子を見守る
アレルギーの原因となるものをアレルゲンと呼ぶのだが、実は食べ物全てにアレルゲン要素があります。
初めて与える時は少量から試して、痒がったり嘔吐したりしないか、愛犬の様子を見守ってあげるのも必要だ。
さいごに
メロンを選ぶ時のコツは、手に持った時にずっしり重みがあるものが、中の果肉に果汁がたっぷり含まれていてオススメだ。
しかし、スーパーにメロンが出回る時には、まだ完熟状態になっていないのが一般的である。
食べごろを見極めるには、メロンの底を指で押して固いものは「未熟」、逆に柔らかく弾力があるようなら「食べごろの合図」と覚えておくといいだろう。
せっかく愛犬にメロンを与えるのだから、食べごろのジューシーなメロンを堪能させてあげよう。