大根と言えば、おでん、大根おろし、味噌汁の具、たくあんなど、今も昔も日本の食卓には欠かすことのできない野菜のひとつです。
スーパーの野菜売り場に行けば、必ず大根を見かけますよね。しかも、1本100円〜200円ほどという、何とも嬉しいお値段で手に入るため、節約食材としても大活躍するのではないでしょうか。
そんな「大根」、犬に食べさせても大丈夫なんです!
今回は大根の栄養素をはじめ、美味しい部分や大根の選び方まで調べてみました。
それでは早速見ていきましょう!
犬にとって大根の嬉しい栄養素とは?
文部科学省の食品データベースによると、大根の根(白い部分)の部分の水分量は、可食部100g当たり水分が94.6gと、そのほとんどが水分でできています。
愛犬のおやつや食事のトッピングとして上手に取り入れていけば、体にたっぷりと水分を摂取することができます。
一見、水分ばかりなので栄養が低そうにも感じますが、そんなことはありません。
実は犬にとっては嬉しい栄養素がたっぷり含まれています。
ビタミンC
犬は体内でビタミンCを合成できますが、だからといって摂取しなくてもいいわけではありません。
年齢と共にその能力は低下していきますので長期的に摂取したい栄養素の一つです。
ビタミンCの主な働きは免疫力アップ、白血球の機能強化、腸内環境を整えるなどの役割があります。
カリウム
カリウムは、体に含まれている余計な塩分(ナトリウム)を排出する効果があることから、利尿作用や血圧の上昇を抑えたりする働きも期待できます。
ジアスターゼ
大根の根(白い部分)には、でんぶんを分解する「ジアスターゼ」という酵素が豊富に含まれています。
ジアスターゼには消化を助ける働きがありますが、熱には弱いので大根おろしにして与えると、その効果を発揮してくれます。
イソチオシアネート
なんだか難しい名前でピンときませんが…、「大根のすりおろし」って辛味を感じますよね?
簡単に言えば、それです!(;´Д`)
そもそも、大根を普通に食べてもイソチオシアネートは摂取できません。すりおろす(細胞を細かくする)ほど辛味が増す成分(イソチオシアネート)が多く出てきます。
ちなみに、この辛味成分の正体(正式名)は、「アリルイソチオシアネート」といいます。
この成分は体内の解毒酵素や抗酸化力を高めることによって、ガン細胞が増殖していくのを抑えたり、抗ガン力が高まるなど、発ガンの抑制効果があると言われています。
大根の葉っぱにも栄養はあるの?
スーパーで売られている大根には「葉っぱ」を切られた状態で売られていることが多いですよね。
虫がついていたり、かさばって運送コストが掛かったり、葉が大根の水分を取ってしまう、などの理由から切り落とされてしまいます。
切り落とされ捨てられてしまう大根の葉、実はとっても栄養豊富なんです。
大根の葉にはビタミンをはじめ、カリウム、カルシウムなどのミネラルも非常にたくさん含まれています。
旬の時期には葉付きで売られることが増えてきますので、愛犬の食事に少量まぜてあげるのも良いですね。
与える際は、さっと茹でて細かく刻んだもの、ペースト状にしたものなど、食べやすく消化に良い状態で与えると良いでしょう。
与える時の注意点
前述した通り、大根の根(白い部分)の部分は水分量がおよそ9割以上ありますので、与えすぎると下痢になる場合もあります。
また、大根おろしの辛味は犬にとって好き嫌いの好みがありますので、まずは、飼い主さんが味見をして辛味を確認してから与えるようにしましょう。
犬が食べるのを嫌がるようであれば無理に与える必要はありません。
まずは小さじ1杯程度からトッピングに加えて、体調に変わりがないか見ててあげましょう。
大根に含まれている成分の一つ、イソチアネートには「発ガンの抑制効果がある」と前述しましたが、一方で甲状腺ホルモンの吸収や合成を阻害する作用があるため、甲状腺に問題を抱えている犬には念のため与えないようにしましょう。
大根はどの部分が甘いの?
大根は先端部分に近くなるほど辛さが強くなります。
葉の部分に近いほど甘みがありますので、犬に大根おろしを与える場合は甘みのある部分を選んであげたいですね。
また、大根を見た目で「辛くない」「辛味が少ない」かを判断することもできます。
スーパーに売られている大根を見てみますと、大根の側面にぽつぽつとした穴のようなものがあると思います。
↓こんな感じで、ぽつぽつと穴ぼこのようなもの。
これを大根のヒゲ根というのですが、一直線に伸びているものは「辛くない」「辛味が少ない」と判断します。
ちなみに、夏と冬では、気温や環境の違いで、育てる大根の品種も変わってきます。
夏に育てる「夏大根」は、病気や暑さに強い辛味大根(辛味が強い大根)が多く、寒い時期に育てる「冬大根」は、甘みのあるみずみずしい大根が多いのが特徴です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回のまとめとしましては、
- ガン予防に期待されるイソチオシアネートは大根おろしで与えるのがベスト。
- 犬に大根を与える際は「辛味の少ない」葉に近い部分を選んであげる。
- 水分量が9割以上あるので、与えすぎは下痢の原因になることを知っておく。
昔から「大根おろしに医者いらず」という言葉があるように、犬に与える適した食べ方は、大根おろしが一番と言えるでしょう!
愛犬の食事にも適度に取り入れて、健康維持に役立てていきたいですね。