見た目はキュウリによく似た「ズッキーニ」。実はこう見えてもカボチャの仲間だという。
しかし、カボチャの仲間なのにローカロリー&低糖質、おまけに栄養豊富という一面を持った野菜でもある。
とはいえ、最近ではスーパーなどでも目にする機会が増えてきたが、詳しく知らないため買うのをためらう人もいるかもしれない。
もちろん、ズッキーニは中毒になる成分は含まれていないため、犬に与えても問題ない食材なのだが、一体どんな野菜なのだろう?
今回は、そんなズッキーニの栄養や効能、与え方などについて紹介していこう。
【獣医師監修】班目美紀
ズッキーニの栄養と効能
ズッキーニはウリ科カボチャ属に属する、れっきとしたカボチャの仲間。
緑色のものや、黄色のものがあるが、これは追熟のせいではなく、種類の違いである。形も細長いもの以外にも丸いものやひょうたん型のものなど、さまざまな形をしているものもあるようだ。
ちなみに、色や形が違っても栄養価はほぼ変わらないと言われている。
カリウムが豊富
ズッキーニには100gあたり320mgとカリウムが豊富に含まれている。
カリウムには、利尿作用があるほか、血圧を下げる働きにも良い効果を与えてくれる大切な栄養素。欠乏すれば「低カリウム血症」を発症し、子犬で情動不安および筋麻痺などが報告されているほどだ。
しかし、カリウムは犬にとっても大切な成分であることは間違いないのだが、過剰に摂取すると逆に「高カリウム血症」の原因になってしまうので注意が必要である。
βカロテン
βカロテンには抗酸化作用があり、ガンの予防や老化予防に効果的と言われている。
しかも、βカロテンは必要な量だけ体内でビタミンAに変換するという優れもの。ビタミンAは、視力を維持するには欠かすことのできない栄養素の一つでもある。
ビタミンC
犬は体内でビタミンCを合成できるのだが、だからといって摂取しなくてもいいわけではない。年齢と共にその能力は低下するので長期的に摂取したい栄養素の一つなのだ。
ビタミンCの主な働きとして、活性酸素を無毒化する「抗酸化作用」が挙げられ、免疫力の向上、コラーゲンの生成を促すなど、身体の調子を整えるには欠かすことのできない栄養素なのである。
ビタミンB群
鴨肉には、ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン(B3)、葉酸、パントテン酸(B5)などのビタミンB群が含まれている。
ビタミンB群は基本的には炭水化物、脂肪、タンパク質の代謝に必要な成分である。つまり、人や犬にとっても生きるためのエネルギーを作るには欠かせない栄養素だ。
B群はどれかひとつだけでは効果を発揮しにくい成分。互いに助け合ってその機能を発揮するので、一つだけの大量摂取よりもバランスよく摂取することが大切だ。
調理方法と与え方
最近では、ズッキーニ・ラぺなるサラダも登場しており、生でもズッキーニを食べることも増えたが、犬に与える分は消化に良いよう加熱するのがいいだろう。
調理方法としては、相性のいい油で炒めた後、水を加えてフタをし、蒸し焼きにするのがオススメ。
ズッキーニがもつ淡白ながらもしっかりとした旨みを引き出すには、これが一番だ!
フランス南部の定番料理であるラタトゥイユも、この手順を用いて使った料理。まずは、炒めてから蒸し焼きにして作ろう。
粗熱をとって食べやすいサイズにカットすれば完成だ。フードのトッピングに加えてもよし、手作り食に加えてもよし、どんなパターンにでも合わせることができる。
保存方法のコツ
ズッキーニの旬は6月~8月。つまり夏野菜というわけだ。そのため、トマトやナスと同じく低温障害に気をつけて保存する必要がある。
最近では1年を通してお目にかかれるようになったが、夏以外の時期は常温での保存が望ましい。一方、暑い夏場の時期は冷蔵保存が必須となってくるのだが、この際、新聞紙に包んでからビニール袋に入れ野菜室へ。
そのまま冷蔵庫に入れると、乾燥しやすく水分が抜けやすい。こうなると美味しくなくなるので、乾燥を避ける意味でも新聞紙やキッチンペーパーで包んでから保存しよう。
また、ズッキーニは冷凍保存してもOK。皮も柔らかく、種も取り除く必要がないので、使いきれず残った分はカットしてから保存しておくと後々使いやすくて便利だ。
さいごに
ズッキーニには、犬の食糞対策に有効…といった都市伝説のような話がある。
何やらズッキーニを与えた後のウンチは、犬にとって嫌な匂いがするため食糞しないのだとか。しかも、生のズッキーニの方が効果があるとも言われているようだ。
嘘か誠か定かではないが、もし食糞でお悩みの飼い主さんは試してみるのもいいのかもしれない。