暖かくなると虫たちは活発になってきます。昼間お散歩していると、チョウチョや蜂なんかよく見かけるようになってきます。
犬はそんな虫たちを発見すると興味があるようで、追いかけてパクリ…、なんてこともあります。
ドックフードやおやつを食べている姿からは想像できない出来事ですよね。しかも…虫を食べる!
我が家でもお散歩中にセミを発見してペロリとした瞬間にセミが急に動き出して犬がビックリした、なんて光景をはじめ、カマキリを発見してはガブリ…。犬にとっては興味津々なのかもしれませんが、飼い主としてはたまったもんではありません。
そもそも虫を食べても大丈夫なのでしょうか?
今回は虫を食べても平気なのか調べてみました。それでは早速見ていきましょう。
犬はなぜ虫を食べるの?
犬の起源については諸説ありますが、オオカミであるという説が一般的です。
オオカミの食べ物を見てみますと、肉はもちろん、小動物や鳥や魚、虫や植物なども食べていたそうです。
常に狩りの獲物があったわけでなく、生き延びていくために様々なものを食べていたのですね。
人間がオオカミを家畜化して犬が誕生したと考えられていますので、虫を食べるという行為は犬の本能によるものなのかもしれませんね。
虫にも何かしらの栄養があるの?
実は虫の栄養素は、基本的に半分以上はタンパク質です。
虫を調べていて分かったのですが、虫に含まれる栄養素は、必須アミノ酸をはじめ、鉄分などのミネラルやビタミンも豊富に含んでいて、スペックの高さは折り紙つきということ。
そんな栄養豊富な虫を食べる「昆虫食」の可能性に、世界が動き出しています。
国連は将来の食糧危機に備え、栄養源として昆虫食を推奨しています。
とはいえ、各家庭で飼育されている犬の場合は、ドライフードの中に犬に必要な栄養素がしっかりと入っています。
野生で生きるためには虫の栄養素は確かに必要かもしれませんが、ご家庭で積極的に与える必要はないといえるでしょう。
犬が食べようとしてるその虫は危険!
ハチ
ハチが胃袋に入ること自体は問題ないようですが、食べる際に刺されると大変です。
羽音が気になって追いかけ回してパクッとしたところ、喉を刺されて気管が塞がるほど腫れた犬もいるようです。
犬もハチに刺されれば痛みを感じますし、赤く腫れたりもします。
万が一にハチに刺された場合は、さらなる被害を防ぐため、ハチのいた場所から遠ざかり安全を確保しましょう。
また、応急処置としては、刺された患部に針と毒を蓄わえている毒嚢(どくのう)が残っていますので、これを取り除きます。
指で摘まんで取ろうとすると、毒嚢を圧迫して毒が傷口に入り込んでしまいますので、毛抜きやピンセットのようなもので、そっと針の部分を持って引き抜きます。
そういった物がない場合は、硬いカード状のもので横に払うようにすると安全に取りやすいようです。
その後は患部を冷却してあげます。ここまでが応急処置ですが、針が抜けない状態、抜いた後も犬の様子が気になる場合は動物病院で受診しましょう。
また、ハチ被害の多くは『集団行動型』と言われています。この集団行動型のハチは近づいてきた外敵から巣を守ろうとする習性があることを知っておきましょう。
集団行動するハチのうち、最も被害が多いと言われる、ミツバチ、アシナガバチ、スズメバチの習性を一覧にしてみました。
種類 | 性格 | 攻撃対象 |
ミツバチ | おとなしい | 基本的に近づいてきた天敵から巣や自分自身を守るときだけ攻撃する。 |
アシナガバチ | おとなしい | 主に、こちらから近づいたり、巣に近づいたときなどに攻撃される。 |
スズメバチ | 凶暴で危険 | 幼虫の餌になる昆虫や巣に危害を加えると判断した敵。 また、警戒範囲から立ち去らない場合なども攻撃される可能性がある。 |
スズメバチが最も攻撃性を増すのは7月~10月ころと言われていますので、愛犬が追いかけ回して刺されないように注意したいところですね。
カマキリ
カマキリ自体は食べても特に問題はないようです。
消化の面では、羽根部分が消化されずにウンチと一緒に出てきたりすることもあります。
カマキリの体内には『ハリガネムシ』という寄生虫がいるのはご存知かと思いますが、こちらも犬には寄生しないと言われており、そのまま食べてしまってもウンチと一緒に排出されるようです。
ゴキブリ
「いくら本能的に虫を食べるといっても、ゴキブリは食べないだろう」と思いますが、犬はゴキブリでさえも食べることがある!というのですから驚きです。
調べてみたら、そのパリパリ?した噛み応えが好きなよう…(;´Д`)
ですが、全てのわんちゃんが好きではないようです。
ゴキブリがいても気づかない犬、ゴキブリに驚いて飼い主さんへ教えにくる犬など様々です。
ゴキブリにはサルモネラ菌をはじめ、赤痢菌、ピロリ菌、チフス菌や大腸菌なども持っているようです。
ただ、犬がゴキブリを食べても、これらの菌には感染しないというのですから驚きです(;´・ω・)!
犬がゴキブリを食べても害はないようですが、パリパリ後に飼い主さんへの愛情表現に、お顔をペロペロ舐められてしまったら困ってしまいますよね。
しかし、ゴキブリ自体には害がなくても、ゴキブリ駆除のために殺虫剤やホウ酸団子などを使用しているご家庭はあると思います。
ホウ酸団子を食べたゴキブリを犬が食べても、犬の体調には特に問題ないと言われていますが、犬がホウ酸団子を直接食べてしまうと、中毒症状が出る危険性がありますので、万が一食べたら速やかに動物病院へ行きましょう。
さいごに
昆虫食といえば、ゲテモノ料理なんかを想像してしまいますが、今やその域を超えて世界中でその栄養源が注目されています。
将来的には昆虫食が未来を変える日が来るのかもしれませんね。
とはいえ、愛犬が口にするのは少し抵抗がある方も多いのではないでしょうか。
お遊び程度でも、口にしないほうが安全な昆虫を知っておくのも大切ですね。
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