砂糖は、私たちの日常生活で欠かせない調味料ですよね。
美味しいものには基本的に砂糖が入っています。
今回は犬が砂糖を食べられるのかと、与え方や注意点についてお話していきます。
【専門家監修】応武 梓
Contents
犬は砂糖が好き?
まず結論からお話すると、砂糖は愛犬に与えてもいいけど本来必要のないものです。
砂糖は糖質として、体を動かすエネルギーになったり脳が働くための栄養素です。
しかし、糖質は砂糖以外にもほとんど全ての食べ物に含まれています。
犬には糖質が必要ですが、それは基本的に食事からの摂取で足りています。
プラスαで糖分を与える必要はありません。
しかし、犬は砂糖が大好きです。
その理由としては以下の2つが考えられます。
甘みを感じる能力が高い
犬は味よりも香りで食事が美味しいか判断していると言われており、味覚は人間のように発達していません。
塩気を感じるのよりもずっと甘みを感じる能力の方が高くなっています。
甘みをしっかり感じるからこそ、甘いものが好きということになります。
飼い主と同じものを食べたい
犬は飼い主と一緒に生活していますよね。
主従関係がしっかりしていればリーダーと、そうでなくても飼い主に対して仲間意識を持っています。
犬の祖先であるオオカミは群れを作って生活していました。
群れの仲間と同じものを食べて生活していた習慣から、飼い主と同じものを食べたいという気持ちを持っています。
犬に砂糖を与える時の注意点
犬は甘みを感じる味覚が優れており、飼い主と同じものを食べたい気持ちから砂糖を好むことをお話しました。
本来は食事からとる糖質で十分ですが、愛犬が欲しがるならあげたくなるのが飼い主心ですよね。
もし犬に砂糖を与えるなら、どんなことに注意すればいいかについて説明していきます。
犬に砂糖を与えるなら肥満に注意する
砂糖は、食事にプラスするだけでも簡単に犬の1日に必要なカロリーをオーバーしてしまいます。
どうしても砂糖を与えたいというのであれば食事の量を調節するなどのコントロールが必要です。
砂糖を犬が欲しがるだけ与えると、犬はあっという間に肥満になってしまいます。
飼い主からすると愛犬がぽっちゃりしていても、「可愛い〜」となってしまいますよね。
しかし犬の肥満は人間と同じで、動脈硬化や高血圧を引き起こしてしまう可能性があります。
いくら愛犬が欲しがるからと言っても、肥満になって最後に辛い思いをするのは愛犬だということを理解しておきましょう。
犬に砂糖を与えると依存症になる可能性があることを理解する
砂糖の中でも特に白糖という一般的な白い砂糖は、砂糖に対する依存性があると言われています。
犬は砂糖を与えると大喜びしますが、繰り返し与えることによって「もっとちょうだい!」と欲しがることが増えたりもともとの食事を食べなくなってしまうことにつながる可能性があります。
犬に砂糖を与えると糖尿病の危険があることを理解する
人間の生活習慣病のひとつである糖尿病、これは日常生活で栄養バランスを考えた食事をせず好きなものを好きなだけ食べて発症するイメージがありますよね。
犬も、糖尿病になる可能性があります。
糖尿病になってしまうと治療のために食事制限をしなければいけなくなったり薬を飲まなければいけなくなるかもしれません。
砂糖のあげすぎで犬が糖尿病になる?!
犬に砂糖を与えると肥満のリスクや依存の可能性、糖尿病を発症してしまうかもしれないとお話してきました。
次に、実際に犬が糖尿病になってしまったらどうなる?ということについて説明していきます。
砂糖も原因のひとつ!犬の糖尿病とは?
インスリンという膵臓で作られるホルモンは、体の中のブドウ糖を細胞に取り込み、糖分がエネルギーとして使われることを助ける働きをしています。
このインスリンホルモンが不足したりうまく使えなくなると体の中で使われなくなった糖によってさまざまな症状が起こってしまいます。
糖尿病とは、インスリンホルモンがうまく働かなくなることによって血液中の血糖(ブドウ糖)の濃度が通常より高くなってしまう病気です。
犬が糖尿病になると、次のような症状が見られるようになります。
- 多飲(水を飲みまくる)
- 多尿
- 食欲増加
- 体重減少
食欲はあり食事もしっかり取っているのに体重が落ちていることがあれば糖尿病の可能性が高いです。
早めにかかりつけの獣医さんに相談するようにしましょう。
犬に砂糖以外の甘みを与えたい時、砂糖菓子はダメ!
砂糖を与えることによって犬が糖尿病になってしまう可能性があることについてお話しました。
甘いものが大好きな愛犬に美味しいものを食べさせてあげたいですよね。
そんな時は加熱すると甘みが出るカボチャやサツマイモ、にんじんなどの野菜がオススメです。
自然な甘みを味方につけて、愛犬の甘いもの欲を満たしてあげましょう。
逆に注意しなければいけないのは、人工甘味料です。
人工甘味料のひとつであるキシリトールは、犬にとって危険です。
絶対に与えないようにしてください。
理由を説明すると、キシリトールを犬が食べると低血糖や急性の肝不全の状態になってしまい命を落とす可能性があるからです。
キシリトールを少量食べただけでも中毒を起こす可能性もあるため、犬が食べてしまわないように注意が必要です。
犬が砂糖を食べてしまった時の対処法
愛犬と生活をしているとキッチンに忍び込んでいた愛犬が砂糖をなめてしまったり、机の上に置いてあった砂糖菓子を食べてしまうこともあるかもしれません。
犬が砂糖を食べてしまった時の対処法について説明します。
犬が少量の砂糖を食べてしまった時の対処法
例えばこぼれた砂糖を舐めた、角砂糖をかじってしまったというような食べてしまった砂糖の量が少量だった場合についてです。
犬にとって砂糖自体には害はありませんので、慎重に経過を観察するようにしましょう。
犬によっては嘔吐や下痢の症状が見られることもあります。
嘔吐や下痢が続くようであれば、獣医さんに相談するようにしましょう。
犬が大量の砂糖を食べてしまった時の対処法
こちらはあまり起こらなさそうに感じますが、愛犬との生活は何があるかわからないものです。
人間のコップに入っている甘い飲み物をほとんど飲んでしまったという場合などです。
犬は砂糖を取りすぎると人間の胃もたれに近い状態になると言われています。
午後に砂糖を大量にとってしまった場合、夜のご飯が食べられなくなるかもしれません。
そんな時は無理にご飯を進めず、水分だけでも飲むようにすると良いです。
また砂糖を大量に摂取することでよく起こる症状として、下痢や嘔吐があります。
症状がひどい場合、続く場合には獣医さんに相談するようにしてくださいね。
犬が砂糖をとると良い場面がある
ここまで砂糖の与えすぎに注意する内容でお話してきましたが、犬に砂糖を与えるメリットもあるので紹介します。
夏場などに、暑さで体力が落ちてしまいぐったりする犬がいます。
いわゆる夏バテですが、食事を摂れなくなるほど弱ってしまう子が時々います。
そんな時に水分に少し甘みを足してやるのに砂糖を使うと、犬が飲みやすい砂糖水が出来上がります。
砂糖は、愛犬の脱水予防に役立つことがあるんです。
犬と砂糖についてまとめ
犬は甘みとして砂糖が大好きですが、与え方には注意が必要です。
しかし、砂糖=悪というわけではありません。
犬にとって飼い主から美味しい甘いものをもらえることは、最高のご褒美になるかもしれません。
与えることに伴う危険をしっかり理解し適量を守れば、砂糖を食べること自体は問題ないのです。
飼い主が正しい知識を持って愛犬の健康を守りながら、愛犬と甘い食べ物を楽しんでいってほしいと思います。
>>こちらの記事についてもチェック!犬にグミをあげていいの?犬がグミを食べた時の危険や量・対処法について