犬がキシリトール入りのガムを食べた!症状は?対処法は?

犬 ガム 食べた キシリトール 症状
Pocket

キシリトールのガムの残りが入った袋をテーブルの上に置いて、トイレから戻ったらなかった!

テーブルの下を見ると、空っぽになった袋の横に、満足そうな顔をした愛犬がしっぽを振っています。

そんな時自分たちが食べて害がないし、残りは少しだったから食べたみたいだけど変わった様子はないから大丈夫だろうと、のんびり構えていても良いのでしょうか?

犬にキシリトールを与えると少しの量でも中毒になることが知られています。

今はまだ症状が出ていなくとも、後で愛犬が苦しみ出すかもしれませんよ。

犬になぜキシリトールがダメなのか、食べた時にはどのような症状が出るのか、それへの対処方法などをご紹介します。

キシリトールが入ってるお菓子をよく見かけます

 

タブレットガムや歯磨き粉に入っているキシリトールとは?

カバノキ(白樺など)から発見された砂糖の代用になる天然成分で、スーッとする切れ味の良い甘味が特徴です。

砂糖と比べてカロリーが4割も低いなど、主に北欧の諸国で砂糖の代用品として使われていました。

1976年にフィンランドで虫歯の予防に効き目がある事がわかり、虫歯を予防する甘味料としてガムに使われていたものが1997年に日本で発売され、お菓子やコスメなどにも使われています。

その後の研究で虫歯の予防だけでなく、身体に吸収される時間がゆっくりのために血糖値の上がり方がゆっくりした甘味料であることがわかりました。

その作用を活かして、糖尿病の患者用のお菓子やエネルギー補給の点滴などとしても使われています。

キシリトールは北欧から来たんだよ

 

犬にはキシリトールのガムを一粒だけでも良くないの?

人間には良いことづくめで安全なキシリトールですが、犬に食べさせると人間と違って取り込まれるのが大変早く、インシュリンが急に、しかも大量に放出されてしまい低血糖の状態となるために良くないといわれています。

さらに、犬の体内で大量に放出されたインシュリンは肝臓に働きかけて血液中の糖分をグリコーゲンに変えて肝臓に蓄えさせます。

これによってより多くの必要としていないグリコーゲンを蓄えた肝臓は働きが低下してしまうこともわかっていますので、ガム一粒くらいとしても犬にあげては良くないのです。

キシリトールは愛犬を低血糖にしちゃうのか

 

犬がキシリトールを食べたらどんな症状が出るの?危険な量はどのくらい?

犬の血糖値が急に下がることで低血糖が起きると下のような症状が見られます。

  • 意識が低下して呼びかけなどへの反応が鈍くなる
  • あまり動かなくなり脱力した状態で動かなくなる
  • 眠りっぱなしになり反応が全くなくなる
  • 身体がふるえだして、やがてけいれんを起こす

また、中毒が発現する量は、キシリトールの犬への毒性が強いために10kgの体重の犬の場合で、1gほどでも危ないかもしれないのです。

現在日本でふつうに売られているガム1粒には0.5gほどが入っているとされ、小さい小型犬などではガム1粒ほどのちょっとの量でも具合が悪くなる恐れがあるのです。

小さなガムでも要注意なんだね

 

犬がクロレッツを食べた!どのくらいで症状が出るの?

キシリトールを犬が食べてしまってから10~30分くらいでおかしくなることが多いとされていますが、半日以上も経ったあとから出る場合がありますので油断してはいけません。

もし食べてしまったことがわかったら、症状が出ていなかったとしてもすぐに動物病院に連絡をして獣医さんに相談をするようにしましょう。

獣医さんに伝えることは主に2つです。

  1. どのようなものをどのくらいの量を食べたのか
  2. 現在の犬の様子(症状が出ていたらできるだけくわしく)

今は元気だからとのんびり構えていると、あっという間に症状が重くなるかもしれませんよ。

本当はすぐに吐かせることが一番の処置なのですが、犬に吐かせることはかなり難しいでしょう。

あわてて口の中に指を突っ込んだりしてしまうと驚いた愛犬にかまれる恐れがあります。

またネットなどで「食塩水やオキシドールを水でうすめて飲ませれば吐く」などと書かれていますが、おすすめはできません。

食塩水を飲ませることは、吐いたとしても塩分の摂り過ぎにつながる可能性があります。

またオキシドールはうすめたとしても口の中や内臓の粘膜を刺激してただれさせてしまうので、吐かせた後が大変なことになるかもしれません。

さらに、吐かせようと悪戦苦闘している間に時間がどんどん経過してしまい、手遅れにならないとも限りません。

とにかく、愛犬がクロレッツなどのキシリトール食品を食べたと思われる場合は病院に電話して相談することが大切です。

まずは獣医さんに連絡しましょう!

 

犬にキシリトール入り食品を食べさせるのは危険!

お菓子メーカーから販売されているものや歯医者さん監修のものなどたくさんの食品があります。

ガム・グミ・キャンディ・チョコレート・ラムネ・タブレット・キャラメルなど犬が見つけたら喜んで食べてしまうものばかりですね。

意外ですが、野菜や果物の中にもキシリトールを含むものがあります。

イチゴ・ラズベリー・レタス・カリフラワーなどがそれですが、少量なので気にしなくとも良いとされています。

毎日大量に与えるのでなければ心配はないと思われますが、気になる場合は与えた後の愛犬から目を離さないようにしてしばらく様子を見るようにしてくださいね。

そのほかには人間用の歯みがき粉などデンタルケア製品やハンドクリームのようなものにも使われていることがあります。

愛犬が甘い香りにさそわれて食べてしまわないように管理をよろしくお願いします。

ワンちゃんは歯みがき粉やハンドクリームも美味しそうに思っちゃうんだな

 

噛んだ後のキシリトールのガムを犬が食べたけど大丈夫?

飼い主さんが噛んで成分が抜けたガムなら、ノドに詰まらせずにそのままウンチになって出てくれば大丈夫です。

噛む前のキシリトール入りのガムやお菓子などを犬が取れるところに置きっ放しにしないでくださいね。

また、かばんの中に入れっ放しで犬が届くところにかばんを置きっ放しにしていてもいけません。

子供さんが食べている時には、子供さんからも目を離さずにガムなどを置きっ放しにしないように、口を酸っぱくしてしつけておくようにしてください。

犬は目に見える食べものが良いものか悪いものかの判断が自分ではできず、何でも食べてしまいますので、食べものは犬が取れないところに隠して愛犬を守ってあげてくださいね。

ワンちゃんの食べ物への執念はすごいので油断は禁物

 

犬はキシリトールのガムでは死なないってホント?嘘?死亡例はあるの?

そもそもキシリトールが犬に良くないと言われ出したのは、2006年にアメリカの中毒情報センターが中毒を起こした犬8頭のうち5頭が死亡したとの報告からでした。

しかし、発表にあいまいな点が多いとして疑った見方をするブログなどをチラホラ見かけます。

ただ、賛否両論がある中で、日本獣医学会ホームページのQ&Aに、キシリトールを与えた犬の膵臓からインシュリンの分泌が増えるとの説明が書かれていて、低血糖の心配から安易に与えるべきではないとされています。

それ以降大きな問題にはなっておりませんが、ひとまず怪しいものは愛犬に与えないのが正解ではないでしょうか。

かつてキシリトールが人間の虫歯予防に良いとされて日本に入ってきたころに、「犬にもデンタルケアを」として配合された犬用のガムやおやつが普通に販売されていた時期がありました。

そのうちにこれらのフードなどを食べて中毒となって動物病院に運ばれてくることが増え、それに気付いた日本獣医師会が啓発する活動を展開し、メーカーの自主規制などもあって日本では犬用のフードやおやつなどではキシリトールを含まないものばかりとなったのです。

そのような訳なので、今でもキシリトールの歯磨き粉で犬の歯を磨いている方がおられたら、ひとまず止めて違う方法を考えるようにしてはいかがでしょうか。

ちなみに犬はそもそも虫歯になりにくいとされてはいますが、歯石や歯周病になるのは人間と同じです。

ただ、むし歯の予防に良いとされるのは人間でのことなので、愛犬の歯みがきは別の方法でしてあげた方が良さそうですね。

愛犬に必要ないものなら、与えることは止めておこう

 

犬がキシリトール入りのガムを食べた!まとめ

人間では虫歯を予防することや糖尿病、ダイエットなどに有用な甘味ですが、キシリトールガムを犬が食べさせてしまうと中毒の症状を起こす毒になるということをここまでご紹介してきました。

私たちにとって身近にある食材なために、ついつい置きっ放しにしまうなどして意識がうすくなってしまうのかもしれません。

愛犬を守るためにはキシリトールを口に入れさせないことが大切です。

しかし、それでも間違って愛犬が食べたりしてしまうことはあるでしょう。

その時のために、かかりつけの獣医さんを探すなど備えておくと良いですね。

万一夜中に具合が悪くなったとしてもあわてることなく、いつでも電話で相談できる「かかりつけ獣医さん」がいれば安心ですよね?

さらにその病院が近所なら、症状が出たらすぐに運び込むことができるので、なお良しですね。

どんなに気を付けていても犬の誤飲誤食を防ぐことは難しいと思います。

その時にかかりつけの先生がいれば安心ですので、ぜひ近所の獣医さんと仲良くなっておいてください。

ワンちゃんも飼い主さんも、かかりつけ医をつくっておこう!

>>こちらの記事もチェック!グミを犬にあげていいの?対処法も紹介