フレーメン反応が見られる動物といえば猫を思いうかべる方が多いと思いますが、実は犬も何かの匂いを嗅いだ時にフレーメン反応を見せる動物です。
愛犬がふだん見せない表情や動作をした時、フレーメン反応を起こしている可能性があります。
見慣れない表情にちょっと心配になりますが、犬のフレーメン反応は彼らにとって必要な自然現象としての反応なので安心してください。
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フレーメン反応って何?
フレーメン反応って知ってる? – うまなりの馬なりブログ
フレーメン反応って知ってますか?馬が臭いに反応して上唇をひっくり返して笑うような顔することです https://t.co/rqlkkiFWn6
— うまなり@ベテラン厩務員 (@umanari_uma) April 11, 2023
多くの哺乳類に見られる生理現象で、「フレーメン」とはドイツのザクセン地方の方言で、「上唇をまくり上げる」という意味があるそうです。
これは、馬がよく上唇をまくり上げるような表情を見せていて、後にそれが何かの匂いを嗅いだ時に見せる反応であることがわかったことによって、この反応の語源となりました。
そして、人を除く哺乳類のほとんどにこの反応が見られることもわかったのです。
犬やほかの動物は、なぜフレーメン反応を起こすの?
フレーメン pic.twitter.com/Vj7LLh46kM
— かりれん~スコリノ添え~ (@kujiRamza) December 9, 2023
動物がフレーメン反応を起こすのは、フェロモンの匂いを感じた時です。
フェロモンとは動物の体からオシッコや汗などに混じって放出される物質のことで、さまざまな種類があり発情した状態や強さ、周囲に敵がいるなどの情報を伝えていると言われています。
ほかの動物のオシッコの臭いなどの嗅いだことがないものを嗅いだ時に起こるもので、それが何かを探る行動とされているほか、メスが発情期に発情していることを知らせることにも役立っています。
これらのフェロモンはヤコブソン器官(鋤鼻器:じょびき)で感知することができますが、ワンちゃんではこれが上あごののどに近い奥の方にあり、匂いを感じる器官でありながら口の中にあるのです。
犬が見せるフレーメン反応とは?
犬にもフレーメン反応がある
と知った日。 pic.twitter.com/F4vcoZllGk— はぐれ&けやき (@e_hagure) October 14, 2023
ワンちゃんについてはそもそも嗅覚が優れているため、ブレーメン反応は起こらないとする説がありますが、フェロモンを嗅いだと思われる時に次の特別な表情を見せることがあります。
- 口をパクパクと何かを食べるよう動かす
- 口元をワナワナという感じでふるわせる
- カチカチと音を立てて歯を鳴らす
- 口を半開きにしたままでポカーンと呆けたような顔になる
- 笑っているかのような表情になる
いずれもふだんはあまり見られない表情なので飼い主さんは驚くことと思いますが、ワンちゃんにとってごく自然なことなので、大丈夫なのです。
犬のフレーメン反応はなぜ起こる?
犬もフレーメン反応ってあるんですね https://t.co/f9MKc7TzFF
— グラフコス (@kidomuramasa) March 26, 2022
ワンちゃんではほかの動物よりもあまり見られないと言われますが、主に牝犬のフェロモンを嗅いだ時と、ほかの犬の存在を知って自分の存在を伝える時や、自分の敵の存在を探る時に見られます。
牝犬のフェロモンを嗅いだ時
散歩中に発情しているメスのワンちゃんのオシッコを嗅いだ時や、出会った時などにみられることがあります。
またメスに出会った時は発情していなくとも、お尻の匂いを嗅いで反応することもあります。
ほかのオス犬や別の動物の匂いを嗅いだ時
オスのワンちゃんが電柱などにマーキングするのは、自分のなわばりである事をほかのワンちゃんにアピールするためだとされています。
また、地面に体をこすり付ける動作をすることがありますが、これは全身にある汗腺(アポクリン腺)から出る汗を付けて、自分がここにいることをアピールしていると言われています。
犬の他の動物のフレーメン反応とは?
猫のフレーメンもいいけど馬のフレーメンもいいぜ────── pic.twitter.com/pM8h81m7dg
— ちみ🐙 (@chimitaros88) August 23, 2023
多くの哺乳類にみられますが、人に身近な動物では馬や猫のほかに羊・山羊で見られ、動物園などでキリン・シマウマ・バクなどに見られます。
また人ではヤコブソン器官が退化しているためフレーメン反応はみられませんが、ゴリラやチンパンジーなど人に近い霊長類もやはり器官が退化していて見ることはできません。
そのほか、ネズミなどのげっ歯類などはヤコブソン器官が鼻の中にあるので、フェロモンを嗅いても口を開けなくて良いので明らかにわかるような反応はありません。
馬のフレーメン反応
この反応の名であるドイツ語が表わしているように、上あごをむき出し歯ぐきを丸出しにして、まるで相手をバカにして笑っているかのような顔をします。
馬が反応するのは次の3つの匂いを嗅いだ時です。
- 発情したメス馬が出すフェロモンの匂いをオス馬が嗅いだ時
- 身の回りにいつもと違う匂いを嗅いだ時
- 自分の周囲にいる人を認識しようとする時
猫のフレーメン反応
猫の表情はオモシロ動画やオモシロ画像としてたくさん出回っているので見たことがある人が多いはずです。
部屋の床の匂いやお父さんの靴下の臭いなどを嗅いだ時に、目を見開いて口をポカーンと開けてビッククリしたような顔でしばらく固まっているアレです。
人の感覚だと臭くてビックリして固まったように見えますが、猫も上あごに穴が2つあってそこにヤコブソン器官があるので、嗅いだフェロモンを確認しているためと言われています。
犬が匂いを嗅いだ後にくしゃみをしたらフレーメン反応?
犬のくしゃみの初期微動顔めちゃくちゃ好きなんよな pic.twitter.com/U3vMytnAnH
— 白鷺 (@zg__sol) December 6, 2023
ワンちゃんが地面の匂いを嗅いだ時や、知らない人に出会って匂いを嗅いだ時に「クシュン!」とくしゃみをすることがあり、「これもフレーメン反応なのかな?」と思うことがあります。
しかしこれは、知らない匂いをもっと嗅ぎたいとするワンちゃんの本能で、鼻息を強く鼻に通して匂いを感じる粘膜を湿らせることで嗅げるようにするためで、フレーメン反応ではありません。
犬のフレーメン反応とは?なぜ起こる?まとめ
ワンコ🐶もフレーメン反応を起こす一例だな😅 https://t.co/7XBMrEEIhm
— ヤブサメくん@type1 (@yabusame1350) September 7, 2020
愛犬がフレーメン反応を見せても、それは自然現象で異常な行動ではないことをご紹介しました。
犬には鋭い臭覚で周囲の匂いを嗅いで、自分に危険が迫っていないかなどを判断することがあり、散歩の時などで匂いを嗅がせてあげないとストレスとなってしまうことがあります。
愛犬がフレーメン反応を見せたら、しばらくそこで匂いを嗅がせてあげるようにしてくださいね。